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キルドレ。
日時: 2010/01/30 19:22
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

書いている小説がそろそろ終わるんで。

<<登場人物>>

・愛山 優 (あいやま ゆう)
16歳 凄腕のガンマン。 元殺し屋として大人に支配されていた少女。 淡々とした性格。

・城乃内 セイゴ (じょうのうち_)
17歳 キルドレ内で最も凶暴な性格。 凄腕のガンマン。 仲間にも容赦ない。

・ジュノ
14歳 キルドレの中で最年少。 ゴスパンクの女装をしている。 手榴弾を扱う。 木戸に心を開いている。

・木戸 (きど)
18歳 キルドレ内で最年長。 誰に対しても敬語でマイペース。 刀を扱う。

・飛来 恋歌 (ひらい れんか)
17歳 スタンガンを扱う。 一番大人を憎んでいる。 負けず嫌い。

・菱棟 旭日 (ひしむね あさひ)
17歳 暗器を扱う。 明るい性格で優とは仲がいい。 

・美影 (みかげ)
23歳 大人として働く青年。 飄々とした性格。

・ハルカ
20歳 暗殺部隊「ハイエナ」のリーダー。 温和な性格だが戦闘を好む。

・ルイ
16歳 一人称が「俺」な男勝りな少女。 ハルカに従い、彼を従者として見ている。 美影が嫌い。

・シグマ
18歳 幼い頃、殺.人衝動に駆られて、監禁されていた。 それが買われて、ハイエナに入る。

・アザキ
18歳 無口でクール。 高い戦闘能力を誇る。 大人が嫌いだが、とある人物を捜している。

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Re: キルドレ。 ( No.1 )
日時: 2010/01/25 19:59
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

         序章
       可笑しな世界


この世界では、大人が全ての財力を持ち、大人が全ての権力を持ち、大人が全てを支配していた。


そんな大人の世界で、人間でも人形でもない人の形をした生命体が生まれる。

彼らは永遠に思春期の姿のまま、更に普通の人間にはない身体の再生能力を持つ未知なる形。

大人はそれを利用し、支配し、彼らを道具のように扱った。


何の希望も見出せず、ただ大人の監視の元に蔑んでいた彼ら───、



     キルドレたちが、動き出す。

Re: キルドレ。 ( No.2 )
日時: 2010/01/25 20:34
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

        第1話
     キルドレたちの夜



「いいか、優。 俺が“行け”つったら行けよ」


ヒソヒソと無線機で話す一人の少年が、自分らを見張っている大人たちを逆に見張っていた。
無線機からは、乾いた少年のような声。

「わかってるって」

少年がニヤッと笑って頷く。
「いいか? 車はもう旭日が手に入れた。 やるときゃやるんだな、アイツも」
「ちょっとは彼を認めたの?」
「ああ。 ────ちょっとだけな」
少年の目には、五人の銃を持った武装した大人と、その右側にある大きな“出口”が映っていた。

「いいか? もうそろそろだ。 確実に狙え」
「わかってる。 だから外したらセイゴのせいって事で」
「テッメー、いい度胸だな」
セイゴと呼ばれた、金髪にサングラスをかけた少年がひくついた笑顔で無線機の相手に話しかける。
「しとめろよ、凄腕のガンマンなんだからよ」
「だからしとめるって」

少しムッとした口調の相手に、セイゴは苦笑い。
監視役の男が、丁度狙いの位置についた。
「優、期待してるぜ?」
「どうも」
そして、


「行けっっ!!」


大人たちの顔が飛んだ。 首から上がなくなり、力尽きて倒れる。
他の大人が怯んでいるすきに、セイゴが影から飛び出した。
「よっしゃ!」
そして、続いて影から出てきたのは無線機相手の少女だった。
黒い短髪で服装からしてみても少年のようだが。
そして、手には軍用小銃が握られており、先端から細い煙が出ている。

「走れっ! 優!」
「走ってる!」
優と呼ばれた少女とセイゴが一気に出口へ向かい、外に出る。
「待たんかっっ!!」
後ろから大人が怒鳴り、更に銃声。 全ては外れ、優が呆れたように振り替える。

「待て、なんて言って待つ人がどこにいるんですか」

そして発砲音。
大人の四肢を見事に貫いた。
「さっすが」 「セイゴに褒められると、気持ち悪いです」 「テメー、後でぶっ殺.すっ!」
「はい。 ───もちろん、“ここから出た後”っていう意味ですよね?」
確認、というよりは冗談風にそう訊ね、
「当たりめーだろっ!」
セイゴも笑いながら答えた。

二人は以前から見つけていた“裏口”へと急ぐ。
細い体を捻り込ませ、監視カメラの死.角を辿る。
冷たい肌が二人に触れた。
「おっそいよっ! 早く乗ってっ!」
薄暗い夜の世界。
“大人の支配下”から逃れたセイゴと優に、先に逃げていた彼らが声をかけた。

大人からかっぱらってきた車に、二人が乗り込む。
大きいサイレンが鳴り響き、
「早くしねーと大人が来る!」
アクセルを踏んだ。
「後ろは俺が受け持つから、テメーは安全運転を第一に考えろよっ! くれぐれもかっ飛ばそうなんざ考えんなよっ!!」

サブマシンガンを手に、セイゴが運転手へと警告する。
「俺に任せときゃ大丈夫だってー」
呑気に運転をしている、蒼い髪の少年が返事をした。
「旭日っ! 本当に安全運転してっ! アンタと一緒にタヒにたくないからっ!」

旭日と呼ばれた少年が、自分の隣に座ってシートベルトを真面目にしている少女に呆れたような顔を見せる。
少女は長いパーマの美少女で、勝気そうな顔立ちをしていた。
「恋歌・・・・・、お前って失礼な奴だよな」
「アンタに危機感がないから怖いんでしょうがっ!」


「耳鳴りするかも。 耳塞いどけ」


セイゴがそう忠告したが、発砲音でそれはもみ消され、
だだだだだだだだだだだだだだだだだっっっ
「ぎゃあああああああああああああっ!」
恋歌の絶叫が加わった。
弾を代えながら呆れたように、 「耳塞いどけっつっただろ」 「聞こえなかったのっ!」

大人たちが追ってくるのを優は無言で睨みつけ、
「ジュノ」
恋歌の後ろに座っているゴスパンクの女装をした少年に声をかけた。
「手榴弾、用意できる?」
その言葉に、実に嫌そうにジュノと呼ばれた少年が振り返る。

「2個だけ」
「いいけどさぁ、後で甘いモン食わせろよぉ?」
「ん、約束」
ジュノが持っている鞄から黒い手の平ぐらいの玉を取り出す。
「セイゴ、頭下げてぇ〜」
「どわっ! あっぶねーな、テメー!」

セイゴを無視し、ジュノが手榴弾のピンを外す。
投げて数秒後、それが爆発し、追っていた大人たちが吹き飛んだ。
「今の隙だ、旭日。 事故しねー程度に飛ばせっ!」
「オーライっと」
子供を乗せた車が、大人の世界を逃亡する。


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