ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました！使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例）鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 望む物
- 日時： 2010/01/29 19:08
- 名前： 刹那 （ID: AjzyS2SC）
まだ残ってる
ナイフが肉に入る感触と、叫び声。
生暖かい血
誰かに見られてないか？
誰かに聞かれてないか？
長く面倒くさい命を終わらせた偽善。
スリル満点の遊び。
大金があると余計に楽しみ、苦しむ人が私の道具となる。
しばらく、その場にいたが離れようとしたとき、
冷たい、終わりかけの手が足首に触れた。
「娘・・だけは・・。」
彼女は言葉を言い切れず、死という世界へと旅たった。
「もろい命・・。」
人間とは思えない言葉。
私は人間？
「娘・・だけは」
頭から離れない、最後の言葉。
私の知らないもの。
そして私にないもの。
『愛情』
また記憶が飛んだ。
殺す殺される。
くだらない定めが私を蝕む。
小さく昔を思い出す。私が死んだ時
１２年前。私が４歳の時。
「ただいま」
下を向いて家に入る。
パパの靴がある。
パパが家にいる。
「乃愛〜帰ったのか〜？」
ドシドシと廊下を歩く音とともに恐怖が迫る。
バシ！！
意味のない暴力。それに耐えれない弱虫な私。
一発。また一発。痛みが強くなっていく。
「い・・。いた・・」
痛いと言わせてくれない早さで迫る痛み。
ようやく解放された。
「ままぁ」
まっしぐらにママに抱きついた。ママの目を見つめた。いつもなら抱きしめてくれた。のに・・。ママに目を逸らされた。いつも暖かかったママの目が氷のように
冷たかった。
ママもパパの暴力に耐えてきた。でもママはもう限界と言って幸せな家庭へと逃げた。
「ママはもう耐えられない。乃愛がママの代わりになって・・。ママは、ママが幸せなら、それでいいの」
この日ママは、私のママじゃなくなった。
- Re: 望む物 ( No.1 )
- 日時： 2010/01/27 21:54
- 名前： 刹那 （ID: AjzyS2SC）
パパの暴力は、ママがいなくなった分を穴埋めするように、日に日に増していった。
それだけではない。私に悪夢が襲い始めた。
朝、目を覚めると下で知らない人が私を呼んでいた。
「・・・。」
不思議そうに見つめる私を知らない人は殴って来た。
「痛い！！あなたは、誰なの！？」
すると、知らない人も私を不思議そうに見つめた。
腕を強引に引っ張って、病院に連れてかれた。
「・・・−」
何？意味がわかんない・・。
私の体と口は硬直して動かない。
今のは、冗談に決まっている・・。
「どういうこと？」
だた、真実を受け止められない。
「乃愛。つまり、お前は脳に傷がついて、一日ずつ記憶がなくなってしまうんだ。」
パパと名乗る人が私の肩を揺する。
「・・・」
家に帰った私は、なんでもいいから思い出そうと頑張った。約14年間分の記憶を・・。
『ママはもう耐えられない。乃愛がママの代わりになって・・。ママは。ママが幸せなら、それでいいの』
誰？私のママ？絶えられないって・・・。
ようやく理解できた。ママは私を置いて逃げたんだ。
捨てられんだ・・。
きずけば、ゆっくりと歩いていた。ママの逃げた場所へと・・。
許せなかった・・。
ピーポーンピーポーン
「はい？」
ママ？優しそうな人が玄関から出てきた。
ズキっ
辛い思い出が蘇る。思い出した記憶・・。
パパの虐待と、ママの裏切り・・。
ママより耐えてきたことも・・。
ママの顔を見ると、辛い思い出が・・。
「ママ・・？」
ママは驚いていた。
「あがって・・」
ゆっくりとママが逃げた幸せな家庭へと入っていった。
- Re: 望む物 ( No.2 )
- 日時： 2010/01/28 17:25
- 名前： ボンド （ID: xwXeKUvt）
めっちゃ面白そうです。
もしかして、オレの事知ってる？
この掲示板は過去ログ化されています。