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  フレーザーの友達
日時: 2010/02/09 18:31
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

ゆっっくり更新します。
なが〜い目で見守ってもらえるとうれしいです。

あ、結構下手だと思います。
まぁ、それでもよろしければ・・・・・・

プロローグ >>1 登場人物 >>4

日曜日 >>2 >>3

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Re:   フレーザーの友達 ( No.1 )
日時: 2010/02/01 18:06
名前: バハムート (ID: Iohw8dVU)

  プロローグ


 少女は、ホールに集まる大勢の民衆を前に、高らかに宣言した。

「我らは、ここに茨の森計画の実行を承認する!」
 サラサラと銀髪を揺らしながら、少女は続ける。
「人間は、まるで自分こそがこの世の支配者であるかのように振舞ってきた。
 ただそれは間違いだ。
 この世に生を受けたもの全てにとって、この世界は母であり故郷である。
 これ以上人間の横暴は許しておけない。」

 少女が右手を一振りすると、どこからか短剣が現れた。
 それを、少女は軽々と振り上げる。

「今、"あちら側"へ続く道を開こう。
 皆を守りたいと願うものよ、私に続け!」

 さっと短剣を振り下ろすと、空中に紫色の線が現れた。
 それはだんだん広がり、ブラックホールのような穴に変化する。

 息を呑む民衆。
 少女は、ためらう素振りも見せずに、穴に飛び込んだ。

Re:   フレーザーの友達 ( No.2 )
日時: 2010/02/13 13:36
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

 日曜日

 細い裏道を歩いていた少年は突然足を止めた。
「・・・・・・あの〜・・・・・・邪魔、なんですけど」
 声をかけられた大男は少年を睨む。

「・・・・・・・・・・・・はぁ〜」
 少年はため息をつくと諦めて引き返した。

 彼の家はマンション。
 ここを突っ切れば表通りを通るより時間が短縮できる。
 しかし、道をおっかなそうな男の人にふさがれているため、
違う道を通ることにしたのだが・・・・・・


 少年は、突然聞こえた悲鳴に振り返った。

 そこにいたのは、さっきの大男。
 が、様子がおかしい。
「あの〜、どうかしましたか?」
 その声に男は振り向こうとしたが、動きが止まった。
 それから、凍ってしまったように動かない。

「何?瞬間冷凍?」
 少年は男のところに戻り、バシバシ男の頭をたたく。
 が、反応は無い。

 そのとき。

「そいつはもう目覚めないぞ」
 上から声が降ってきた。
「ひゃっ!」
 変な悲鳴を上げる少年。

「そいつは眠りに着いた。だからもう目覚めない。」

「普通に寝たんだったら、普通に目が覚めると思うんだけど?」

 見えない誰かに向かって少年は反論する。

「つまり、その眠りは普通の眠りではない、と言うことだ。」

 ひらっと上から大きな毛のかたまりが落ちてきた。

「分かるか、この理屈?」
「・・・・・・まぁ、なんとなく分かるよ・・・・・・多分」

 毛のかたまりには一人の女の子が座っていた。
 銀髪に、スミレの様な紫の目。

 少年は動揺する様子も見せず、ちょっと笑いかける。
 少女はそれを無表情のまま受け止めると、口を開いた。

「ここはどこだ?」
「・・・・・・地球」
「もっと範囲を絞れ」
「・・・・・・日本」
「お前は、私をバカにしているのか?」
「特にそういうつもりは無い・・・・・・よ?」

 少女は足を組み、腕を組んで、少年を睨みつける。
 当の本人は気にせず、動かない男の観察を始めた。

「この人、なんで固まっちゃったのさ?」
「私が眠りに着かせたのだ。強制的に、な」

「ふーん・・・・・あっ!」

 突然、男の足元からイバラが生え始めた。
 それはぐるぐる男に巻きついて、やがて覆い隠す。

 少年は目をキラキラさせた。
「これなにっ?」
「見てのとおり、イバラだ」
「これも君がやったのっ?」

 少女は、少し頷いて、
「そうだ」
誇らしげに笑った。

「お前、怖くないのか?」
「全然」
「お前もああなるのかも知れないのだぞ?」
 少年は、少し考えるような素振り。

「・・・・・・君の気まぐれでああなっちゃうんだったら、怖がってもどうにもならないよね」

「・・・・・・はははっ!」
「なに?なにが面白いのさ」
「お前が笑わせたんだろうが、少年!」
 そういうと、少女は毛玉から飛び降りた。

「私はフレーザー。お前の名を教えろ、少年」

Re:   フレーザーの友達 ( No.3 )
日時: 2010/02/09 17:25
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

 棚に飾っていた皿が一枚、床に落ちて、砕けた。
「うわっ、ちょっと気をつけてよ!」
「ラズは大きいからな、そう怒るな」

 少年こと川崎 シンはちりとりを使って破片を集める。

「で、なんで僕んちに来るの?」
「興味があったから、だな」
 フレーザーはそういうと、近くの巨大な毛玉を撫でた。

「その毛玉、何とかしてくれないと今日皿なしでご飯食べなきゃいけなくなるよ」
「毛玉ではない、ラズだ。さっきも教えただろう?」
「あーはいはい。その巨大ネコ何とかして」

 ラズと呼ばれた大きなネコのような生き物は、これ見よがしに伸びをする。

「・・・・・・なんかむかつく」

「で、シン。私が何者だか知りたいか?」

 シンはちりとりを片付けると、居間のソファーに座った。
「特に気になる訳じゃないけど、聞いとかないと話がすすまなそうだから聞いとくよ」
「・・・・・・不愉快だ」
と言いながら、フレーザーもソファーに座り足を組む。

「私達は人間ではない」
「それは見た感じで分かる」
 シンはひらひら手を振った。

「・・・・・・私達はこことは違う世界から来た。平行世界。異次元。どんな呼び方でもいい」
「じゃ、なんで来たのさ。それにさっき、"私達"って言ったよね?」
「そうだ。ここに来たのは私一人ではない。他にも何百人、何千人も来ているはずだ。何故来たかというと・・・・・・」

 ここでフレーザーは一息ついた。

「なぜ来たかというと、それは人間を止めるためだ」
「?なんかやばい事しようとしてるっけか?」
「しているとも。もう何年も前からな!」

 すると、ラズが同意するように喉を鳴らした。

「人間の好き勝手な振る舞いのせいで、こっちの世界まで影響が及んでいる。このままではこっちの世界が狂ってしまうと、学者達は言うのだ。」
「ふぅーん。で、人間をどうゆうふうに止めるわけ?」

 フレーザーは、待ってましたとばかりにニヤッと笑った。

「さっきのように、眠らせるのだ。長い間、な」

Re:   フレーザーの友達 ( No.4 )
日時: 2010/02/09 18:28
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

登場人物

 川崎シン
12歳 不登校
好きなものはゲーム、漫画、本
完璧なひきこもり

 フレーザー
13歳 上から目線
ラズをかわいがっている
こっちの世界に来てからアニメにはまる

 ラズ
巨大なネコのように生き物
フレーザーになついている
好きなものはカツオブシ

Re:   フレーザーの友達 ( No.5 )
日時: 2010/02/13 14:06
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

月曜日

「ちょっとちょっと、なんで僕んちにいんの?」
「気にするな。それより、ちょっと頼みがあるんだが」
 シンはかなり不服そうにフレーザーを見やった。

「買い物行って来てほしいんだ」
「は?買い物?何買ってくんの?」
 すると、フレーザーは即座に答える。
「名前は分からん。なんかひらひらしてて大工さんの仕事場とかにありそうなものだ」
「え、大工さんの仕事場?」
「とりあえず、さっさといって来い!」
 シンはフレーザーに追い立てられるようにしてマンションを出た。

 道を歩きながら、シンは昨日の話を思い返してみる。
 人間はもう少しで永い眠りにつく。フレーザーは約後七日だといっていた。それなら当然自分も眠る事になるのだが。

 シンはいまいちピンとこない。
(まぁ、そうなるんならそれでいっか)

 シンはとりあえず向かっていた近所のスーパーの自動ドアをくぐった。
(ひらひら、ねぇ)
 とりあえず、中を歩き回ってみるが、それらしいものは見つからない。

(・・・・・・ヒント少なすぎ)
 シンはひっそりとため息をついた。
 そのとき、ふとすれ違いかけた女の人と目が合う。

 向こうはシンのことを知ってるのかのように見ているのだが。
(・・・・・・誰だかさっぱり分からん)
 真っ赤な炎のような赤毛。燃えるような真紅の瞳。
 一度見たら忘れられないような容姿をしているのだが、シンに記憶にはない。

 そのまま女の人は、何も言わずに去っていく。

「なんだよ」
 シンはポツリと呟き、そのときようやく気付いた。

 右手に持っていたかごに、袋がいくつか放り込まれていたことに。


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