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- 黒ノ死神 ——Spiritual World
- 日時: 2010/02/09 21:41
- 名前: 3 ◆A4jsQTgi.Q (ID: qManwW4a)
どうも、こんばんは!
Click thank you!!
改めてこんばんは、3と申しますv
短編集書いてて長いストーリーものを書きたくなりました訳で立ち上げました(´∀`*
まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします
-PROLOGUE-
『この世には、死神が存在する』
遠い記憶の中、
誰かが俺にそう言った。
死神は
人間が住んでいる世界と
死神が住んでいる世界とを行き来する。
そして、死神は霊であって霊でない。
“力”の強い人間は死後、死神になる。
“力”の弱い人間は死後、霊魂として生まれ変る時を待つしかない。
しかし、霊魂は死神に捕まると、
死神の“力”として取り込まれてしまう。
死神は“力”を求め続ける。
その限り、霊魂は逃げるしかない。
—————なんて滑稽な話だろう。
『まるで、終わりの無い鬼ごっこみたいだね』
幼い俺は、話をしていた“奴”にそう言った。
すると奴は笑ったんだ。
『否、強い者が制する世界なだけ』
—————と。
…嗚呼、何故今更こんな事を思い出したのだろう。
あんなに幼いころの記憶だったというのに—————
20XX年4月16日5時00分、
遠い街の鐘が時の終わりを告げた。
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- Re: 黒ノ死神 ——Spiritual World ( No.1 )
- 日時: 2010/02/23 21:59
- 名前: 3 ◆A4jsQTgi.Q (ID: qManwW4a)
1話 白い世界
此処は何処だろうか。
俺は、気が付くとそこにいた。
何が起きたんだ?
思い出せ、俺はなぜ此処にいる?
…記憶を巡らせても、何もかも思い出せない。
目の前は白い世界。
たとえるなら、霧が濃くて一メートル先さえ見えない日のような光景。
俺はぼんやりと辺りを見渡しながら、何かを探すわけでもないが、
適当に辺りをざっと見渡した。
しかし、白。360度どこ見ても真っ白だ。
・・なんて面白みのない所だろうか。
ああ、家にでも帰りたい。
しかし、その時気が付いた。
————俺の家?
…何処にあるんだ?
いや、そもそも俺は
…誰なんだ?
おかしい。
自分の事が思い出せない。
俺は一体——————
『…!』
ふとその時、何かを思い出した。
嗚呼、俺の名前は確か…葵。
名字までは思い出せないが、まぁ下の名前だけでも思い出せたから
よしとしよう。
…さて、どうしようか。
俺は、今更自分にやる事がないという事に気が付いた。
思い出せない家に帰るわけにもいかないし、
かといって、こんなつまらない所にいるのも嫌。
しかし、やる事がない。
うーん、困った。
するとその時だ、何もなかった白の向こうから
誰かが俺のいる方向へと来るのが見えたのは。
しかし、何かおかしい。
人だけど、人じゃないような異様な感じ。
しかも…人数が多くないか?
「…っ!」
そして、俺はあるものを目にすると、思わず一歩後退した。
だって。
そいつ等が手に持っているであろうものは—————刀じゃないか?
「—————強い魂の感じ…お前、死神か?」
すると、一人近づいてきた奴が俺にそう言った。
段々そいつや、そいつ等の姿も見えてくる。
…いや、そもそもだ
「…なんだよ、死神って」
そう、まずそれだ。
訳が分から————————
ザシュッ
刀が空中を斬った。
「!?」
今、
俺が反応しなかったら完全に斬られてた。
こいつ等————俺を殺そうとしているのか?!
「あれ、お前武器すら持ってねーな。本当に死神?」
「奴が例の死神…には見えないが、おそらく…」
なに訳の分からない事を———————
「…っ、何だよお前っ!」
俺はとにかく全力で走った。
なんせ、俺は何も持っちゃいないし、相手は刀…らしきもの。
勝てるわけねーってか、それ以前にたぶん殺させる。
ここは逃げるに限る。
しかし、奴は俺の目の前に…瞬間移動でもしたかのようにすっと現れた。
奴だけじゃない、他の奴らも俺を囲むようにして現れる。
まるで、獲物を追い詰めたかのように。
「!」
俺は急ブレーキをかけて止まる。
「ほ〜…、さてはお前“霊界”に今来たばっかだな?」
「…霊界?」
俺は、何故か知らないがその瞬間何かを感じた。
「逃げても無駄だ。お前が死神であろうがなかろうが俺達からは、
あの方からは逃げられねー」
——死神?
今、またさっきと同じ何かを感じた。
死神…今改めて言われてみれば、何かこそばいものを感じる。
何だろう。
俺、知ってるのか…?
奴等の言う死神の事を…。
何だ死神って。
何か思い出せ—————
「ま、今のお前には何言っても分からねーだろ。
お前が俺達に大人しく付いて来るなら俺達はなにもしねーよ。
だが、抗えばお前の腕もげようが頭が割れようが力ずくで連れていく」
目の前の奴は、そう言い刀の持っていない方の手で俺の肩を掴んだ。
ドク…ッ…
死神。
ドクッ…
知ってる——————
『死神』
『霊魂』
『終わりの無い鬼ごっこ』
『霊であって霊でない』
『“力”を求め続ける』
『否、強い者が制する世界なだけ』—————————
“強 キ 者 ガ 制 ス ル ノ ミ”
「強い奴が、勝つ…」
俺はポツリと呟いた。
俺の中から熱い何かがこみ上げてくる。
倒せば…勝テル——————
————————ドォォォォン!
「!」
「「!?」」
その瞬間、俺と奴との間に勢いよく誰かが降りてきた。
- Re: 黒ノ死神 ——Spiritual World ( No.2 )
- 日時: 2010/02/23 21:24
- 名前: 3 ◆A4jsQTgi.Q (ID: qManwW4a)
…いや、上から降ってきたというのかは、落ちてきたという方が…。
「お…、お前は——————」
すると、俺を突き飛ばして距離をおいた
刀(らしきもの)を持った奴は、
驚いたような、怯えるような声を上げた。
「…誰?」
誰か分からないけど…
この人————————
「…葵殿、お怪我は?」
「え…」
俺の事…知ってる!?
てゆーかその言葉づかい…、なんだか…—————
「え、あぁ、うん?」
俺は、急に聞かれたので疑問形になってしまったが
取り合えずそう答えた。
すると、その人は安堵したような顔をした。
そしてすぐに刀を持っている奴等を睨む。
「————ちっ、“また”お前か…!」
「くそっ、もう少だったのに…。
———貴様、逃げられたと思うなよ!
あの方は絶対にお前を逃がさない…!」
刀を持ってた奴等は、その人の顔を見ると
軽く舌打ちをし、すぐどこかへ去って行った。
何だったんだ一体———————
「…葵殿?」
俺が呆然としていると、その人は俺の顔をのぞいた。
「あっ!?お、俺?」
俺は突然の事であわあわしたが、
彼がフッと優しく笑ったのを見て、
すっと肩の力が抜けた。
「————…なぁ、俺が誰だか知ってる…のか?」
俺はへなへなと座りこんだ後、彼にそう尋ねた。
すると、彼は少し驚き、少し寂しそうな表情をした。
「記憶が—————無いのですか…?」
そう言い、彼も俺の目の高さに顔を合わすため、
膝を地面につけてそう言う。
そして俺は、
「ああ…」
その問いに、そう答えるしかなかった。
何だか悪い気がした。
彼は俺の事を知ってる。
だけど俺は彼の事を知らない、思い出せない。
しかし——————あの“死神”とか何とか言ってた奴を
追い払った彼は、恐らく只者ではない。
…てか、そういえば俺、奴等に死神とか言われてたけど…
その俺って一体何者だよ!?
くそう、さっき何か思い出せそうだったけど全部忘れた。
思い出せ、俺!!
…そんな様子を見たいた彼は、何故だかフッと笑った。
「何故に笑う!」
俺は思わず顔を赤くして『クワッ』と効果音が付きそうな勢いでそう言う。
「いや…、やはり葵殿は葵殿なんだな、と思いまして」
俺はその言葉を聞いて、頭に『?』マークを浮かべた。
「そう言った一つ一つの仕草は、記憶を無くされる前の貴方と
まったく同じのように窺えますよ。
それ故、深く悩まれる心配は無いかと…」
そいう彼は、未だにフフ、笑っていた。
「わ、笑うなって!…えーと…」
俺が彼をどう呼んだらいいか分からず言葉に詰まっていると、
彼は『ああ』という顔をして、
「申し遅れてすみませぬ、私の名前は空海。
私もまた貴方と同じく死神です」
と、笑って言った。
「空海…?」
俺はその名前に首をかしげた。
何か知らないけど…変な違和感があったからだ。
と、待て俺。
重要な事を受け流すところだった。
「死神…?」
この人…死神!?
そして俺もまた死神って!!?
俺は彼を指さして(失礼だけど)そう呟いた。
彼は「ええ」と微笑みながら言う。
そして今度は俺を指さして、
「俺も…死神?」
そう尋ねた。
するとまた彼は、
「ええ、
葵殿の場合は、少し私や他の死神とは異なりますが」
と、表情を崩さずいった。
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