ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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罪色の蝶
日時: 2010/02/22 20:57
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: HFyTdTQr)

hello☆ 凛と申します
またまた新作を←←

*;;;;;;;;;;;;;;;;;;注意;;;;;;;;;;;;;;;;;;*
1、荒らし・中傷・偽・チェンメ厳禁
2、何かに似ていたらすみません
3、有り得ない事ありまくり
4、凛が嫌いな方は戻る連打です

1は必ず守ってください


      +.*⌒prologue⌒*.+


罪と怨みの中で私は生まれた


罪色に染まったその涙


闇に朽ちたその魂


少女は人間の怨みを紡いでゆく


幾つもの罪と怨みは連鎖する


血塗れたの記憶の中にある罪色の欠片


罪と怨みを紡ぐ記憶の下で少女は紡ぐ



            永遠の罪を……

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Re: 罪色の蝶 ( No.47 )
日時: 2010/03/25 21:36
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: HFyTdTQr)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第2章 『哀れな灰被り』

1話*シンデレラの恋

北風が頬を撫でる

今日も寒いですわね

こんな日は1人で魔法書を読むに限りますわ

「罪獄さん、その本。なぁに?」

突然声をかけられた

振り向くとクラスメイトの胡蝶 凛亜さん

物静かで結構お気に入りの人間……

何も答えない私に気分を悪くしたかと思い、すまなそうに口を開く

「ご、ごめんなさい! 私、本大好きだから……」

「あ……別に気にしてませんわ」

確かに片手に分厚い本を持っている

「灰被り……『シンデレラ』の物語ね」

「うん、大好きなんだ。シンデレラって綺麗だし」

因みに本当のグリム童話の方の最後は残酷だそうよ

「朝っぱらから読書って偉いな、胡蝶」

彼———風見 蓮都君がそう声をかけた

すると、胡蝶さんの様子が変わった

頬を紅く染め、夢見るようなその横顔

……間違いないわ。彼女は彼に恋をしている


灰被り姫の物語の開幕……

ハッピーエンドかバッドエンドかなんて知らないわ

シンデレラは登場したわ

王子様も見え隠れ

さぁ……意地悪な継母は何処?

Re: 罪色の蝶 ( No.48 )
日時: 2010/03/28 17:38
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: HFyTdTQr)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

2話*王子様と継母

微笑ましい限りの2人

しかしその光景はある人物によって砕かれた

「ねぇねぇレン君あっちへ行きましょ? 本ばかり読んでる子と居たらレン君もつまらないでしょ?」

そう言って彼の腕を取ったのは此方も同じクラスの黒羽 亜姫さん……

自己中で我侭でおまけにお嬢様育ち

私の嫌いなタイプの人間ですわね

「あ、今私が———「何よ。立てつく気?」」

凛亜の言葉を聞かずに睨みつける

「大体ね、貴女暗いのよ。レン君まで暗くなっちゃうわ。レン君だって仲良くなんかしたくないのよ」

俯き泣きそうになる凛亜

「え、俺は別に———「ほうらね、レン君だってそう思ってるわ!」」

そのまま蓮都と亜姫は行ってしまった

「……ッ」

「……気にすることないわ。ああいう人間は大抵妬んでいたり僻んでいるだけですのよ」

それにしても……本当に継母のような人が出てきたわ……

シンデレラは間違いなく凛亜さん

成り行きで王子様は……蓮都君ですわね

そして継母は亜姫さん……

この灰被り物語の結末はどうなるのでしょうね……?

Re: 罪色の蝶 ( No.49 )
日時: 2010/04/14 20:51
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: KkQpSREq)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

3話*シンデレラの決意

5時限目も終わり、次の時間の用意をしている時

「ちょっと、胡蝶さん来て頂ける?」

仲間を引き連れた亜姫に恐怖を覚えたのか、凛亜の顔が青白く染まる

「少しだけ用があるのよ」

含み笑いをする亜姫は恐ろしいまでに不気味だった


+.*⌒凛亜目線

黒羽さんに校舎裏に連れてこられて、殴られた

そして突き倒されて蹴られた

何度も何度も何度も何度も

他の人も蹴ったり殴ったり

眼鏡も壊された

「あんたなんてレン君に合わないくせにッ!!!! 死ね!!」

「うッ!!」

苦痛に顔を歪める

「そーよ、亜姫様の言うとおりよ」

「死んでしまえばいいのに」

———どうして

どうして、こんな事言われなくちゃいけないのだろう

確かに私は風見君の事が好き

だけどどうして? ライバル同士で仲良く出来ないの?

「……もう、レン君に近づかないで頂戴。近付いたら殺すわよ?」

そう言って皆は去っていった

黒羽さんは大金持ちの娘さんらしい

だから、授業中も……ううん、常に自分勝手

でも……そんなのおかしい

誰にだって恋する権利はあるんだよ?

私は、暗い決意を胸に覚束無い足取りで立ち上がった



そう……貴女はそれを選んでしまうの……

あの時感じた『空間の震え』は間違いなく、凛亜さんの抱いた怨み

あの子は……お気に入りだったのだけれど

その道を選ぶのならもう構いはしない

『死神』として、貴女の願いを叶えてあげる

Re: 罪色の蝶 ( No.50 )
日時: 2010/04/18 14:10
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: KkQpSREq)

4話*緋色の月の夜に
+.*⌒凛亜目線

放課後、日直の仕事をする為に1人残った

「はぁ……面倒だなぁ」

ブツブツ言いながらも仕事を進める

不意に、ガラッと教室のドアが開いた

反射的に振り返る

「誰!?」

もしかして……黒羽さん?

どうしよう、もしそうだったら……

しかし、聞こえた声は全く違う人物の声だった

「手伝いましょうか?」

「罪獄さん……ありがとう」

2人で仕事をすると、あっという間に終わった

「じゃ、ありがとうね?」

「礼には及びませんわ」

クスッと笑った罪獄さんは、とても綺麗だった

「また明日」

帰ろうとすると、背後から呼び止められた

「何?」

「貴女は黒羽 亜姫を怨んでいる」

「!?」

ピシャリと言い当てられ、困惑する

「鎮める気は……なさそうですわね」

残念そうに静かに言う

「どうしてそれを……」

呉羽は質問に答えず、静かに言った

「緋色に染まる月の夜、罪色の紅の蝶の導きに従いなさい……そうすれば願いは叶いますわ」

微笑みながら罪獄さんはそう言った

だけど、その微笑みは少し哀しそうで

儚くって壊れそうな気がした

「それでは御機嫌よう」

クルッと背を向け、呉羽は去っていった


「残念そうね」

「あら、恋白と茜璃。居たの?」

「ちょっとー! 酷いじゃない!!」

プクッと頬を膨らませる茜璃

「あの子……貴女のお気に入りだったのでしょう?」

図星である

「ええ……そうよ」

ふわりと髪が風に靡く

「でも、鎮めないのならば私は死神として、あの子の願いを叶えるつもりよ……」

静かにそう言った

Re: 罪色の蝶 ( No.51 )
日時: 2010/04/19 20:10
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: KkQpSREq)

5話*緋色の月光 紅い蝶

夜——————……

凛亜は部屋に居た

脳裏にはあの言葉

『緋色に染まる月の夜、罪色の紅の蝶の導きに従いなさい……そうすれば願いは叶いますわ』

罪獄さんの残したあの言葉

哀しそうな微笑み

「……本当の訳、無いか」

フッとため息

刹那、視界に紅が入った

夜空に浮かぶは緋色の月

窓辺に見えるは紅い蝶

凛亜は、走り出していた


「ハァッハァッハァ……待って!」

紅い蝶を追って走り続ける

暫くして、大きな館が現れた

思わず足を止める

「凄い……お話に出てくる館みたい……」

そして、吸い込まれるように中へ入っていった


入ると、黒い服を着た少女が出迎えてくれた

「ようこそ、『罪の館』へ———貴女の怨み、晴らして差し上げますわ」

「罪獄さん……」

「凛亜さん。貴女は黒羽 亜姫を消したい?」

暫しの沈黙

黒羽さんが居なければ

私は、幸せになれるはずなんだ

もう迷わない

運命を。変える




         「——————うん」


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