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- 架空を現実にしていいのか?
- 日時: 2010/02/25 11:24
- 名前: 飛翔 ◆RUgqZaaYKI (ID: dsQCTK9g)
初めまして、飛翔と申します。以後よろしくお願いします。
タイトルは「架空(フィクション)を現実(リアル)にしていいのか?」です。
全体を通して暗い話ではないと思いますが、よろしくお願いします^^ では、楽しんでください!
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- Re: 架空を現実にしていいのか? ( No.1 )
- 日時: 2010/02/25 20:41
- 名前: 飛翔 ◆RUgqZaaYKI (ID: dsQCTK9g)
第1章 「ハジマリノウタ」 <1>
「説教長すぎだよ……」
ため息を交えながら、とある高校の教室の扉を開けた少女。焦げ茶で少しウエーブがかかったような髪をし、手には皺の入った作文用紙が握られている。
「光、おかえり。ずいぶん長い面談だったね」
教室には5人の男女がいた。その内の1人、ロングヘアーの黒髪の少女が振り返り、教室に入ってきた少女——神原光(カンバラ ヒカリ)に笑顔で話しかけた。光は疲れ切っている顔を無理矢理笑顔にする。
「ただいま、楓。『お前はまともな小論文は書けないのか』って怒られたよ。だから面談長くなったんだ」
振り返った少女——小町楓(コマチ カエデ)と光の会話をよそに、少し癖毛のある黒髪を立てている少年は黒板の前に立ち、口を開いた。
「『人間という生き物の命は尊いか、小さいか』。どう思う?」
誰1人少年の問いかけに反応せず、変な空気が流れ出す。少年の我慢が玄関に達する寸前に光が口を開いた。
「そりゃ、尊いでしょ! だって人間は生物のTOPだよ! 尊くない訳がないっ!」
断言した言い方に、今まで退屈そうに話を聞いていた少年が机を両手で思い切り叩き、立ち上がった。そして、光を睨み付けた。
「やっぱ、単純だなぁ! 人間も他の動物も命は1個しかねぇんだよ! だから動物が小さいんなら人間だって小さいさ!」
「何言ってんのよ? 馬鹿じゃないの、末永くん。 尊いに決まってるじゃない!」
光の目も鋭くなる。光は握っていた原稿用紙を床にばらまいた。光と少年——末永空(スエナガ ソラ)は顔を赤くさせながら、口論を始めた。もちろん両者が妥協するはずもなく、平行線を辿ることはここにいる誰しもが分かっている。時間しか解決できない小学生の喧嘩に他はただため息をつくだけだった。
「あなたはどうなの? 黒尾くん?」
楓は黒板の前に立っている少年——黒尾龍亮(コクオ リュウスケ)は腕を組んで、頷いた。楓は少しだけ不快感を覚えるが、言動には出すまいと努力した。
「俺は小さいと考える。蟻からしてみれば俺らは超巨大な生き物。もし、俺らより数倍も大きいロボットが現れてみろ。俺らは蟻と同じ、小さい命だ」
「出たよ、SF理論。実際あり得る訳ないよ」
自信ありげに答えた龍亮に思わず吹き出してしまった少女がいた。龍亮は眉を顰め、少女を指さす。
「根本、普通笑うか?」
「だってさぁ……本当にSFが好きなんだなぁって」
指を指されたポニーテイルの黒髪少女——根本菜奈(ネモト ナナ)は再び笑いながら答えた。さらに不快感を覚える龍亮。クスクスと笑う楓と菜奈に苛立ちを感じ始めた龍亮の矛先はさっきからただ教室の窓から外の景色を眺めている少年に向けられた。
「おいっ! 進藤! お前はどう思うんだ?」
「特に……どちらでもいいんじゃない?」
黒縁眼鏡を掛けている少年——進藤英智(シンドウ ヒデトモ)は素っ気ない答えを返す。怒りの矛があっさり折れた龍亮はあきれたようにため息を漏らすと、その場に座り込んだ。
「そう言えば、神原。お前、小論文に何書いた? テーマは『自分の将来』だったよな?」
龍亮の質問に光と空の喧嘩は終演を迎える。光は床に無造作にばらまかれている原稿用紙を拾いながら答える。
「何ってそりゃ、『ドラゴンを作る』でしょ? 皆もそう書いたんじゃないの?」
6人しかいない教室は沈黙の空気を作り出す。動きは完全に止まり、顔には動揺の色がみられる。
- Re: 架空を現実にしていいのか? ( No.2 )
- 日時: 2010/02/25 20:47
- 名前: 飛翔 ◆RUgqZaaYKI (ID: dsQCTK9g)
第1章<1>を更新しました^^
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