ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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創造新世紀
日時: 2010/02/27 15:10
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

はじめまして、滝沢です。
いい小説が書けるように頑張るので、よろしくお願いします。
(更新は少し遅めになると思います)

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Re: 創造新世紀 №0 ( No.1 )
日時: 2010/02/27 15:28
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

夜、ふと考えることがある。
僕たちは何のために生きているのか・・・。

そんなこと考えたって、無意味なことくらい知ってる。だからみんなしてこんな、夢も希望もない世界で生きてゆけるんだ。


でも、本当はみんな夢を見たがっているよね。
先の見えないワクワクを、感じたがっているんだ。





僕だって、その中の一人。




だから、変えることができるなら、変えてやろうって思ったんだ。
僕にできることがあるのなら、何だってしてやろうって、決意したんだよ。

きっとやればできることなんだ。
仲間はすぐに集うだろう・・・。








さあ、やってみようか。
僕らが望む「新世紀」創りを。


Re: 創造新世紀  ( No.2 )
日時: 2010/02/27 16:16
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

星野カイ15歳、高1。

僕は、目立たない優等生だ。
目立とうと思えばいつでもだけど、面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。

今日も普通に学校を終え、塾を終え、スマートにすべてを終わらせた。


やっとだ、やっと本当に生きれる時間がやってきた・・。


僕は家族が寝静まった夜、行動を始める。
おもむろに携帯をとった。

ピルルルル ピルルルル  


「もしもし。」
「もしもし、星野君ですか?」
「うん、そっちは渡辺くんだね。」

この面倒くさいやり取りが肝心なんだ。
そのうち僕らが注目されるだろうからね。

「星野君、この前いってたことについてなんだけど。」
「どうだった?」
「やっぱり日本政府は情報をすべて管理しているよ。
メディアもそれの言いなり、特に自民の党がね・・。」
「やっぱりか・・・じゃあ日本国民はいいように操られてるわけだ。」
「その通りだね。しかも驚くのは日本はそういう情報を統制する機密機関をもっていること!!」
「マジか!」
「うん、ハッキングしてみようかと思ったけど、かなりすごいところだよ・・・僕がはじき出された。」
「いや、今は無理しなくていい。それより渡辺君が捕まるほうがイタイ。」

「はは、ありがとう。」
「いいや、でもこれではっきりしたね。」
「うん。きっとメディアや政府が言っていることなんて8割は都合のいい嘘。」



「うん、きっと世界中そうだよ。僕らみたいな一小民には何も知らされない、無知。そうやって知っている奴らが勝手に自分を偉いと思いこんでいくんだ・・・。」


「・・・そうだね・・・。何とかしないと・・・。」

「・・・うん・・・。まあ、でも当面の目標は決まったね。①日本機密情報統制機関をつぶすここと。②仲間集め。」



「うん、そうだね!じゃあ僕はこれくらいで。【パトス】に幸運あれ!」

「うん、幸運を!」



僕はそう言って電話を切った。



きっとやれる、この世界を変えられる。
まだいいようのない恍惚を感じながら、深呼吸で自分を落ち着かせる。






すっと窓に目を向ければ、今にも消えそうだけど、小さく光る星があった。
それとは対照的な、全ての光を消す、ネオンの輝き・・・。



ーでも、それでも月の光には及ばないー。



時計を見れば午前3時


少しずつ加速して進んでゆく現実に引きもどされた僕は、あわててベッドへもぐりこんだ。



Re: 創造新世紀 ( No.3 )
日時: 2010/02/27 16:37
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

窓からするりと差し込む光ー。
これは天使のざわめきか、それとも悪魔のささやきか・・・。



そんなことを思ってゆっくりとベッドから起き上がる。
いくらなんでも、二重生活はつらい・・・。



本当はぶつぶつ愚痴りたいけど、それをぐっと飲みこみ、いつも通り優等生を演じる。




学校は地獄だ。
優等生の仮面をかぶっている以上、授業中寝るなんて許されない・・・。



「じゃあ星野!この問題解いてみろ!」

「え、あ、はい。」


ああ、眠い、眠すぎる。


ココロでいろいろな愚痴をこぼしながら、クソ問題を完璧に解いて見せた。


「さっすが、星野君だよね〜!」
「うん、すごいよね!」


黄色い声はごめんだ、まどろみが怒りに変わっていく。





そんな僕を見て、クスッと笑うやつがいた。




ー渡辺だー。





渡辺は薄く笑いながら、右斜め前の机をさす。
そこにいるのは、普段まったく話さない、けれども頭のいい木戸圭介がいた。




ー通称【陰気メガネ】ー。




奴は、机に戻ってきた僕をサッと見て、口を動かした。







ー「ぼ く も な か ま に い れ て」−





内心驚いたが、すぐにいろいろな未来の映像にかきけされた。



僕も、声を出さずいった。




ー「ハ ッ キ ン グ で き る な ら ね」−



奴は笑って言った。






ー「あ た り ま え」−

Re: 創造新世紀 ( No.4 )
日時: 2010/02/27 17:06
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

ー日曜の3時ー。
唯一何もない時間の中で、僕と渡辺と木戸は会合を開いていた。


「図書館か、なんかいいね」

渡辺の一言になぜか笑いがこぼれる。

「僕、仲間になったんですよね・・・?」

陰気メガネ、いや木戸は尋ねるようにそう言った。

「そうだよ、だってハッキングできるんだろ?なら大歓迎だよ!」

僕は明るさを装って、内心奴を試すつもりでそういった。
この組織、【パトス】は子供のお遊びじゃあないんだ・・・。
本当に世界を変えるために自分を犠牲にする、そんな奴が構成していくべき組織なんだ!!
そんなことを、子供みたいに本気で思いながら。


渡辺も僕の心の中を察しているのだろう。
目配せした瞳は、黒く信念にもえていた。


僕はかばんの中からPCをだす。
渡辺と開発した、そこそこのスーパーコンピュータだ。

それを木戸の前におき、サッと言った。


「これで、日本の情報統制機関にアクセスしてみてくれないかな?」

「・・・え・・・そ、それは、なななんですか?」
「日本の国民を嘲笑っている、サイテーな機関さ!!」

渡辺は憎々しげにそういった。


「・・・ようは、僕を仲間に加える価値があるかどうか・・・試すんですね。」

僕たちは一瞬ドキッとしたが、これくらい分かるようじゃないと試す価値もないと思っていった。

「ああ。」



「・・・わかりました・・・やってみます。」



「・・・・・・。」


奴はPCに向き合い、深呼吸をしてこういった。





「僕だって、この世界にうんざりしているんです。」





ー僕と渡辺は、それを聞いて、こいつならきっとやってくれる、そんなとりとめのない確信を抱いたー。






Re: 創造新世紀 ( No.5 )
日時: 2010/02/27 17:53
名前: 滝沢 (ID: .7qV.whT)

ー僕と渡辺は目を疑ったー。





『・・・すごい・・・すごいやつだ・・・』





僕と渡辺はハッカーだから分かるが、奴のハッキングはすごくスピーディーかつ的確だった。
こ、こんなに技術があったなんて・・・。

はっきり言って渡辺や僕より、格上だった。



僕は渡辺に言った。

「・・・すごく、うまいね。バグさせんのも早いし・・・ハックの仕方も的確だ。」
「う、うん、たしかに。でも、僕がやってみた時も途中までの侵入は容易だったけど・・・最終階層がマジやばかったから・・・。」


少し的外れなことをいう渡辺。
きっと、渡辺は悔しいんだ。
この陰気メガネに自分ができなかったことが成せるような気がして・・・。










「・・・もうすこしです・・・。」









奴は高速で動く指をまったく止めず、平然とそう言い放った。




カタカタカタカタカタカタカタ!!!










「これは・・・改ざんスピードが遅いですね・・・。」

陰気メガネは憤慨したように言った。



「何だと!?このPCは僕たちが作ったスーパーコンピュータなんだぞ!?それを・・・!」
「やめろ、渡辺!木戸の集中を欠くな!」
「・・・っ・・・!」




「まずいです・・・このスピードだと相手側に負けます!・・・僕のカバンからソフトを出してください!!」
「分かった!!」



僕はもう試すという気持ちを捨て、はんば隊長の補佐をするような気持で、ソフトを出した。



「これか!」
「あ、それです!差し込んでください!」
「分かった!」



急いでソフトを差し込んだ。
何となく暗い視線を感じたが、僕は何も見なかった。







渡辺と僕は、息をのんで見守っていた。













ーーーーカタッーーーーー













木戸はPCから手を離し、椅子にぐったりと倒れこみ、だらんと手をおろした。



ソフトを抜き、それを悪戯っぽく笑いながら僕らに見せ言った。








「アクセス、データコピー・・・完了しました。」










僕たちはただ感嘆の沈黙を続けるしかなかった。






そしてこの日からパトスは、いつか何かをするであろう、強力なメンバーを手に入れることになる。


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