ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

そして貴方と×××。
日時: 2010/02/28 14:03
名前: はちくろ ◆HkEwims/QQ (ID: w1PAg8ZW)
参照: 皆生っきろー!








    「うるせーばか生きろ」






***

社会問題系からお引越ししてきました。
はちくろですこんつぁ。初めましての方がいっぱいですよねw
うん、久しぶりに来ましたwまたよろしくお願いしますー(・ω・`)


※この物語はフィクションです。わたすの妄想です。実際の団体とかその他もろもろとは一切関係ありません。皆生きればいいのに。

Page:1



Re: そして貴方と×××。 ( No.1 )
日時: 2010/02/28 14:35
名前: はちくろ ◆HkEwims/QQ (ID: w1PAg8ZW)
参照: 皆生っきろー!





親友が死にました。
ある日突然死にました。
あっさりさっぱり死にました。
首を吊って死にました。
私は精神的に死にました。

けれどあの子みたいに死ぬ勇気はないので、
仕方なく生きなければいけませんでした。
精神だけどこかへ家出したまま、何の意味もない私の体は動きます。

「うは、死ぬのって怖すぎ。無理むりやーめた」

そう言って私は首に向けていたいたカッターの先を下にずらし、そのまま床に投げ捨てました。
あの子を追いたいけれど痛いの怖いので、やっぱり私は今日も死ねずに終わります。
もう何度も同じ動作を繰り返し、そして最後は『やっぱ無理』の言葉で締めくくる。
意味のないことだと分かっていながらまたやるんだから、私もつくづく学習能力のないやつです。

「おなかすいた。おかあさーんおにぎり作ってよー」

自分の部屋から顔だけ出して階下に居る母へと言葉を投げると

「梅ー?しゃけー?のりたまー?」

昨日から風邪気味の母のかすれた声が返ってくるので、

「えびてんがいいなー」

私は弾んだ声でそう言って立ち上がり、さっき投げ捨てたナイフを踏まないように足元に注意しながら部屋を出て、大好きな母のおにぎりを食べに行くのでした。
ふと、『餓死』という言葉が頭に浮かび、それなら痛くないし数日お腹をならしておけば死ねるんじゃないか?そう思ったけれど、階下でおにぎりの準備を始める母の姿を想像するとそんなひらめきは一気にどこかへ消え去るのでした。


ごめんね親友。
私はやっぱり自分で死ねないようなので、死ぬまでがっつり生きることにします。






、  ああ、お腹すいた。 

Re: そして貴方と×××。 ( No.2 )
日時: 2010/02/28 15:03
名前: はちくろ ◆HkEwims/QQ (ID: w1PAg8ZW)
参照: 皆生っきろー!





古屋亜美が親友に先立たれたのは、もう半年も前のことになる。当時中学3年生だった亜美はこの春めでたく地元の高校に進学し、さらに1ヶ月が過ぎようとしていた。
クラスメイトの顔と名前が完全に一致するようになってきた頃、亜美にも『友達』と呼べる学校生活において行動を共にする存在ができていた。

「おはよー亜美ちゃん。寝癖ついてるよ?」

朝。もうすぐホームルームが始まろうかとしているこの時間。
教室で自分の席についていた亜美の肩に、ぽんっと手を置いたのは山崎初音だった。にこにこと笑いながらもう片方の手で寝癖の部分を軽くひっぱっている。
赤の伊達眼鏡(本人の視力はA)にこげ茶色の肩で切りそろえた髪。目はぱっちりとしていて少しタレ目な所が可愛らしく、なかなか愛嬌のある女子だった。

「あ、はつねだ。おはろー・・・夜ゲームやって朝寝坊してばたばたしてた」

はは、とおどけたように亜美は笑い、初音もつられて笑顔を返す。

「何のゲームやってたの?私もやってみたいな。あ、でもうちはゲーム機ないからなぁ」

小首をかしげ、人差し指を口元に当てる仕草が可愛らしい。そんな初音を見て、亜美は少しの間考えたあとに提案する。

「今日私んち来る?マリオくらいしかないけど、あれ2人で対戦できるからさ」

「えっほんと?行く行く!あ、ていうか亜美ちゃんの家行くのはじめてかなぁ?」

「かもねぇ。きったない部屋でよければどーぞ」

亜美がそう返すと、初音はにこにこを崩さずにコクコクと何度もうなずいた。
同時に担任が教室に入ってきて、初音は「また後で」と言い残し小走りで自分の席へと戻って行った。


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。