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戦場には死しか残されず…
日時: 2010/03/01 17:38
名前: 牙 ◆CJat/Z2hH6 (ID: NWU2GU14)

こんにちわ<(_ _)>

題名は、仮決定の状態です…。

どういう感じになるかはっきりしたものは決まってませんが、宜しくお願いします…<(_ _)>

良かったら、アドバイスしていただけると嬉しいです…。




プロローグ   >>1 >>2

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Re: 戦場には死しか残されず… ( No.1 )
日時: 2010/03/02 20:17
名前: 牙 ◆CJat/Z2hH6 (ID: NWU2GU14)

      〜プロローグ〜



当時、どういう状況だったのか俺ははっきり覚えていない…。
ただ、怖くて、悲しくて…。


「カロン、レオン、ユウリを連れて、早く逃げろ…!
 母さんと俺のことは構うな、良いな?
 分かったら、早く行くんだ…!」

「父さん!?何言ってるんだよ?!」

俺は父さんに怒鳴った。
泣きながら母さんは、ユウリを抱き上げた。

「もうこれが最後…。
 私はもう二度とお前たちを…。
 レオン、ユウリをお願いね…?」

「意味分かんねぇよ!
 皆で逃げるんだろ?
 姉ちゃんを追う人たちからさ…そうなんだろ!?」

俺は皆を見ながら言うのに、ユウリ以外は顔を伏せたまま泣いていた。ユウリは理解ができる年じゃないから、ただ笑っていた。

「母さん、父さん、ごめんね…。
 私なんかが存在しなければこんな事なんかに…。
 …とにかく、私はこの子たちを安全な場所へ…。
 最後まで親孝行ができなかった…。
 償いはいつかするから…」

姉ちゃんが言う。
俺には意味が全く分からない。
当時、俺は八歳だったのだから…。
今なら分かる気がする…

「じゃあ…」

姉さんが父さんと母さんを交互に見る。
泣いていて、何も言えない母さんの背中をさすりながら、父さんは頷いた。

「よろしく頼むよ…。
 ユウリ、レオン、そしてカロン…元気でな…」

姉さん達のやり取りに口を挟まなかった俺は、やっと、父さんと母さんに会うのはこれが最後なのだと悟り、この二人はこの世の人ではなくなってしまうのだ…と思った。

Re: 戦場には死しか残されず… ( No.2 )
日時: 2010/03/01 17:37
名前: 牙 ◆CJat/Z2hH6 (ID: NWU2GU14)

家を出て、すぐに俺たちは走った…。

家のほうから、怒鳴り声が聞こえても、悲鳴が聞こえても、銃声が聞こえてもただひたすら走った。

「ここまでくればもう良いよね…。
 レオン、これからどうしたい?」

姉ちゃんが笑顔で俺に聞いた。不安を必死に抑えて作っている笑顔だったいうのがすぐに分かった。

俺はその時思った。
あの銃声で、父さん達が死んだ。
あの銃声は、姉ちゃんを追う人たちが銃を撃ったから。
姉ちゃんさえ居なかったら、父さん達は死んでいなかったんだと。

今にしてみれば俺は最低な事をしてしまったと思える。
でも当時の俺は、そうとしか考えることができなかった。

「…くれ。」

「レオン、何?何言ってるのか聞き取れないよ?」

「俺とユウリのから離れてくれ。」

「えっ!?…」

「ユウリと俺の前に二度と現れんなっ!!
 お前のせいで父さん達は死んだ。
 ユウリにそんな目に会わせたくない!」

「…。
 分かった…。
 レオンに言われちゃったかぁ…。
 そのつもりだったんだけどね…。
 ユウリのこと頼むよ?
 レオンはしっかりしてるから心配しなくても良いよね?」

姉ちゃんは泣きながら言った。
そして闇の中へ消えていった。

俺は寝ているユウリを背中に背負って歩いた。
俺は歩きながら泣いた。
俺は馬鹿だ…そう思った。

歩いて何時間経ったのか分からないが、町が見えた。初めて来た町だった。 

町の入り口で突っ立っている俺の方に誰かが手をおいた。
俺は後ろを振り返る。

「君達、親は?」

後ろにいた男が言った。

これが、ルノ様との出会いだった。


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