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毒りんごと青りんごを片手に
日時: 2010/03/12 20:20
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

(。・ε・`。) ぷ。


下手レ小説ですけど、米(コメント)下さると嬉しいですっ!
アドバイスなんかもしてくれれば幸いです*


ぷろろ>>01

01>>02 02>>03 03>>04 04>>05

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Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.1 )
日時: 2010/03/12 18:47
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

毒りんごを片手に語る。


それはそれは、遠い昔のお話。



青りんごを片手に呟く。


それはそれは、哀れなお話。




それはそれは、果てしない苦しみ。

Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.2 )
日時: 2010/03/12 18:48
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

それはそれは、とても遠い昔の話。



まだ、貴方が生まれていないずっと前。

それはそれは、とても遠い未来の話。



もう、貴方がとっくに死んでいるずっと後。



「毒りんごを片手に昔を語らせてもらいます。」

「青りんごを片手に未来を語らせてもらう。」


このお話は、二人だけが知っている特別なお話。



毒りんごを見つめながら、悲しげな表情で、一人の少女は呟いた。



「何故、私は生きているのだろう?」

すると、青りんごを片手に持った少年が少女に対して言った。

「それは、もうとっくに死んでいるからだよ」

少年はそう言いのこすと、少女を置いて一人、
ほこりだらけの分厚い本を一冊、手に取った。

「これは、僕だけが知っている話だ。」

何やら不吉な笑みを浮かべながら、
少年はその分厚い本に息を吹きかけた。

Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.3 )
日時: 2010/03/12 18:50
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

少年の息と共に、ほこりが暗い部屋中に飛び散った。


そして、ゆっくりとその本を開いて、
誰かに語りかけるように、少年は呟き始めた。

「僕しか知らない、未来の話。」

その言葉で、暗い部屋中の窓がバッと、強い風で開いた。

少年の目つきは変わり、先ほどの可愛らしい
顔ではなくなっていた。


すると、どこからか少女の泣き声が聞こえてきた。

さっきの、毒りんごを持った少女の声だ。


少年は、少女に分厚い本を投げつけた。

「ぎゃあ!」

少女の悲鳴と共に、ドサっと言う鈍い音が鳴る。




「この話は、貴方の苦しみがメインなんです。
…この少女の名は、クリスティーナといたしましょう。」

少年がどこか遠くを見つめながら言う。

少女はまだ泣いている。
その暗い部屋の中には、少年と少女と…。




「貴方、だけです。」

Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.4 )
日時: 2010/03/12 20:04
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

「クリスティーナの親は、本当に金持ちですよね。
それはそれは、相当贅沢な暮らしをしたのでは?」


ここから、少年の話は始まる。




——クリスティーナ・インルス。

お前の親は、罪を犯した、人殺しだ。
罪人だ、皆殺しだ、死んでも済まない罪だ。

だから、お前も死ねばいい。

僕のこの手で、お前を殺してしまおう。



僕は、誰も居ない静かな公園で考えていた。

青りんごを片手に——。



「…最低だっ!」

何度叫んでも物足りない。
小さい頃から、大好きだった君の親に、僕の大切なものを奪われてしまった。

そのショックは大きかったんだよ。



いつも笑顔で、ずっと傍で笑ってくれてた。

そんな君が大好きだった。

いつからだろう、この気持ちは。

でも、その想いとは裏腹に、君の親に対しての憎しみが溢れ出てきてしまう。

大切なものをすべて、奪われたんだ。




全部。全部だよ…?

だからね、仕方ないよ。

こうでもしなきゃ、この僕の気持ちはおさまらないんだ。

殺さなきゃ…殺さなきゃ…。
その言葉が、ただただ頭の中で回っている。



僕は、青りんごをカバンの中に閉まって、精一杯走り出した。

Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.5 )
日時: 2010/03/12 20:17
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

僕はどうすればいいのだろうか…?

殺したくはない。君の親を殺したいんだ。

でも、君の親はもう死んでるんだ。
もう、血の海に溺れているころだろうね。




僕の頬についた血を、僕は手で拭き取って、
また走り出す。

その時は、僕は何を思って走っていたんだろうね。

多分、それは、君の笑顔を思い浮かべながら
走っていたんだよ。ずっと。

多分、この現実を君に、言ってしまったら…。
君はきっと、僕を憎むだろう。


でも、僕だって、十分に君の親を憎んでいる。

だから、僕の心に従って、君の親を、


————殺しただけだよ。


ずっとずっと、僕は泣きながら走っていたのかもしれない。

ずっとずっと、脅えながら走っていたのかもしれなよ。



それとも、一刻も早く、君の笑顔を見たくて走っていたのかもね。



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