ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ホシクズハーツ − The StardustHearts
- 日時: 2010/03/11 18:45
- 名前: 空羅 ◆KWf8yRKMwY (ID: cRxReSbI)
なんか中二病で思いついたタイトルで小説を書きたいと思います。
描写とか説明とかはよくわかんないですけど、それなりにがんばりますのでお見知りおきを。
ではでは『長ったらしい文章だなぁ』とか思わずに目を通してください、っと。
登場人物
アサギ(朝木 双輔/あさぎ そうすけ) 男
アホ毛。臨機応変でとにかく眠いと思っている。
クラス:海賊 武器:銃と短刀
コナツ(火斑 狐夏/ほむら こなつ) 女
長髪。対人用にキャラを作っている。
クラス:ビショップ 武器:スタンガン
ススム(赤根井 晋/あかねい すすむ)男
善人。愛敬がありカリスマ性が高い。
クラス:魔術師 武器:携帯電話
ニーノ(新野 七芽/にいの ななめ) 女
無表情。双輔と腐れ縁でつるんでいる。
クラス:僧侶 武器:鉄骨
レイン(中津/なかつ) 男
眼鏡。彼のせいで【中津】がストーカーの代名詞にされた。
クラス:盗賊 武器:ナイフ
レオン(麻達弍 禿一/まだつに しょういち) 男
デブ。ロリコン。
クラス:戦士 武器:ハンマー
番外編キャラ
リュール(龍宮寺 玉/りゅうぐうじ ひかる) 女
ツインテール。何事も楽しむタイプ。
クラス:大剣士 武器:斬馬刀
あらすじ
「夢でさ、寝たら急にどっかのコンビニの前にいるの。それでな、変な化け物に襲われるんだ。で、そいつを倒すとレベルが上がりましたみたいな声が聞えて、それで——」
学校、ニュース、インターネット掲示板ではそんな噂が途方もなく流れていた。
脳の専門家がいうに何かの集団心理らしいが、それを決定付ける証拠もなく、ただ「そうなんだろう」と皆納得していた。
そんな中、ある日、ある時、ある場所で——
——子供達は満天の星空が輝く“夜の街”にいた。
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- Re: ホシクズハーツ − The StardustHearts ( No.1 )
- 日時: 2010/03/11 18:12
- 名前: 空羅 ◆KWf8yRKMwY (ID: cRxReSbI)
・クラス
“夜の街”で決められた戦闘スタイル。各々の性格によってスタイルは異なる。なお“武器”が指定されてないスタイルはオプションとして本人が一番使いやすいものに変化する。
陰険「悪意を隠しているやつ」
戦士 - 斧やハンマーを振り回すパワー重視のタイプ。
剣士 - 剣を使い多彩な技で戦うタイプ。
格闘家 - 己の肉体を武器とするタイプ。
盗賊 - ナイフで素早い動きから手数で攻めるタイプ。
冷淡「思いやりがないやつ」
狩人 - 弓で遠距離から一方的に攻撃できるタイプ。
魔術師 - 強力な魔法で攻撃するタイプ。
僧侶 - 回復・補助魔法で味方をサポートするタイプ。
魔法剣士 - 剣と魔法を使いこなすタイプ。
奇怪「常識外れなやつ」
ビショップ - 攻撃魔法と回復魔法をバランスよく習得するタイプ。
双剣士 - 両手に片手剣を装備し、手数の多さで攻めるタイプ。
大剣士 - 身の丈ほどの非常に大きな剣で戦うタイプ。
モンク - 格闘家としての能力を保ちながら、治癒功などの回復術も使用するタイプ。
海賊 - 短剣と銃の2つの武器を扱うタイプ。
- Re: ホシクズハーツ − The StardustHearts ( No.2 )
- 日時: 2010/03/11 20:05
- 名前: 空羅 ◆KWf8yRKMwY (ID: cRxReSbI)
プロローグ
その都会の夜は生温い。
二十四時間営業のコンビニで雑誌を立ち読みしながら、少年は安堵のため息をこぼした。
「はぁ、やっと撒けたぁ……」
少年、朝木双輔(あさぎそうすけ)は雑誌を元の位置に戻し、買い物をするべく狭い店内を回る。
数分悩んだ末、賞味期限が近くて安くなった菓子パン三つと数十円の小さい缶ジュースを買うことにした。不慣れな手付きでそれらを両手に持ち、レジへと運ぶその時、双輔の真横にとんでもない者が現れる。
「ッ!?」
眼鏡を付けた小柄の少年。
表情はえげつないそのもので、被害妄想癖がなくともそのいやらしい目付きを見れば即座に気味悪がることだろう。しかし、双輔はその少年に向けて殺意を籠めた視線を送った。殺してやる、そういわんばかりの殺気立った双輔は——レジに菓子パンとジュースを置いた。
「これください」
「はい。袋ぉいりますかぁ……?」
バイト慣れていないんだろうか、その女性の店員は年下の双輔におずおずと訊ねた。
「あ、いいです」
「そうですか。五百円で——」
「釣はいらねえっ!」
ばしんっ、とレジ台を叩き、五百円玉を置く。
そして直ぐ、双輔は頭を下げて謝った。
「……すいません、なんか言ってみたくて」
「別にいいですよ、ありがとうございましたぁ」
店員はニッコリと笑った。しかしその目には苦々しい意が籠もった視線を送った。
——早ク逃ゲタ方ガイイデスヨ、オ客サン——
即座に双輔は菓子パンとジュースを両手に抱え、風の如くコンビニを飛び出した。
その都会の夜は生温い。
誘拐、覚醒剤、ヤクザやその類のものが溢れる夜の街。明は絶えず、敗者は這い蹲り勝者は笑う夜の街。
——そして、その世界から乖離した無人の生温い夜の街。
——星屑輝く夜の街から、今日もまた、一つ一つ消えていく。
——死んだ人のお星様が一つ一つ。
- Re: ホシクズハーツ − The StardustHearts ( No.3 )
- 日時: 2010/03/11 21:43
- 名前: 空羅 ◆KWf8yRKMwY (ID: cRxReSbI)
番外編【原案①】
少女、龍宮寺玉(りゅうぐうじひかる)切り替えの早い人間である。
「ふわぁ……」
玉は両手をあげて関節をパキパキと鳴らす。
「さぁて、何をしましょうか、っと」
飛び跳ねるように椅子から立つ。
時刻は午後十一時、夜中といえば夜中といえるそんな時間帯である。
玉は考えた。
「宿題は終わったし〜、お風呂はもう入ったし〜、ゲームはもう厭きたし〜…………! そうだ!!」
真夜中の閃き。一瞬、頭の上に電球が現れたのではないかと錯覚するくらい玉にとってはすごい思いつきだった。
——夜だし、寝ればいいんだ!
……他人が聞けばバカバカしいの一言で済むようなことだが。
まあ、何はともあれ玉は寝た。ベッドに上に大の字になって、子供のような安らかな顔で——
——そして、それは起きた——
『プレイヤーネームを入力してください』
はぁ? ぷれいや〜ね〜む?
目を閉じてるので、自分がどんな表情をしているかわからないが、少なくとも笑ってはいないだろう。
適当に「リュール」と呟いた。即座にクラスメイトの物知りが現れて「サモンナイト4の竜の子を言いたいなら『リューム』だよ」と語りかけてきた。うるさい引っ込んでろ。
心を落ち着け、呼吸を整えた。
そして妙なことに気づく。横たわっているはずが背中に何かあるという感覚はなかった。気のせいか今自分は立っているような感覚である。
目が覚めると——否、目を開くとそこは眩い……、
「コンビニ?」
だった。
とりあえず頬をひっぱった。何も起きない。
辺りを見渡し、そこが見知らぬ場所だと理解する。ビルやマンションに囲まれた様子からして、自分は都会にいるんだと玉は察した。
夜の寒気が徐々に身体を冷やしていったが、そこで玉は自分が見覚えのない服に身を包んでいることに気づいた。
ローブ、というやつなんだろうか。ワンピース仕立てになった裾の長いゆるやかなものを着ていた。手を伸ばすと背中には丸いヒップバッグが固定されていて、そのバッグの中には虫の死骸がびっしりと詰められていた。
「なんじゃこりゃああああぁッ!!?」
叫び声を上げた。どういうわけか響かなかったかそんなことはどうでもいい。彼女が気になっているのはこれは夢か現実なのかということだ。
寒い。わずかだが痛みもさっき感じた。立ってる間隔もある、自らの重量を感じているということだ。
つまり、玉は明らかに現実を目の当たりにしている。
「…………ぁぁああああぁぁ…………!!」
刹那、玉の真横を風と悲鳴が通り過ぎていった——
「ひっひっひっひ……」
次に聞こえてきたのは下劣な笑い声。
「……?」
誰に向けてかわからないが、ここから逃げた方がいいのは間違いない。
玉は回れ右して全力ダッシュ。足裏が地面を蹴る速度がいつも以上に速い気がする。
振り返ると、眼鏡でエロい顔つきのそれが追ってきた。
「ぎゃあああああッ!? ストーカーッ!?」
叫び、よくわからないこの状況に混乱しそうになる。
——何、何で、どうして、誰か説明して、わけわかんない、何、何なの、何で!?
頭の中でさまざまなものが混ざり合い——“それ”にぶつかった。
「でぅほっ」
壁、である。見えない越えられない壁。つまりはそれであった。
「ぎゃあああああッ!?」
振り返ると眼鏡が襲い掛かって来る、その刹那——
——玉はいつの間にか握っていた重いものを振り下ろした。
鮮血が飛び散り、辺り一面真っ赤に——なるわけでもなく、その眼鏡と重いものは消滅した。
「何……なの?」
『リュールはレベル2になった。ゲーム終了です。退場してください』
頭に響くようなその声、アナウンスの如くこちらの状況を直接見ていないような、そんな声だった。
「何、これ!? なんなの!?」
暗がりの星空に向けて、玉は叫ぶ。
答えは返ってこなかった。
「はぁ……」
気がつくと、ベッドの上でため息を吐いていた。不思議と眠気はなく、清々しい寝覚めが心地いい。
玉はベッドから飛び起きて、肩を回しながら洋服箪笥を開けた。
「さぁて、何をしましょうか、っと」
少女、龍宮寺玉は切り替えの早い人間である。
それは多分、何にも興味がなく、それが沸くようなものを探すこと事態に興味があるのだと玉は自覚している。
目的を探す、見つかる、すぐに厭きる。その繰り返し。
玉の知り合いは皆こう語る。
「ある意味、あいつは世界で一番人間らしい人間なんだよ、たぶんな」
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