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*何でも屋* 建て直し
日時: 2010/03/12 17:58
名前: バイオレット (ID: 8YX.EuJG)

久しぶりに更新しようとしたら、小説が消えていたバイオレットです。

非常に残念なので、立て直します。

では、読んだ方はコメントお願いします。

△▲お客様▽▼

  0人

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Re: *何でも屋* 建て直し ( No.1 )
日時: 2010/03/12 17:59
名前: バイオレット (ID: 8YX.EuJG)

*プロローグ*

何でも屋。

名前の通り何でもする。

ただし怨み晴らし限定で。

依頼方法は簡単。

葉書に『手を貸して』と書いてポストに入れればいい。

そうすればあなたの目の前に何でも屋が来てくれるだろう。

解決料はあなたの『宝物』。

ただし依頼したら後戻りは出来ない。

そして最後に忠告しましょう。

遊びで呼び出してはいけない。

もし呼び出せばあなたは命を無くすでしょう。

Re: *何でも屋* 建て直し ( No.2 )
日時: 2010/03/12 18:04
名前: バイオレット (ID: 8YX.EuJG)

*第1話*

昨日母親が自殺した。
理由は父親が他に女を作ってどこかに逃げてしまったからだ。
哀れな母親。
そして僕は許さない。
母親を捨てた父親を。

・・
・・・
「・・・行かなきゃ。」
一人の少女が立ち上がる。
黒く綺麗な髪を揺らしながら。
そして真っ暗な空間を歩みだす。
一枚の葉書を握り締めながら。
今、依頼が届いたのだ。

*第2話*

「・・・母さん。」
一人の少年が部屋の中でアルバムを見ながら呟く。
家には少年以外誰もいない。
「・・・どうして・・・」
また呟く。
写真には男の人と女の人。
そして少年が写っている。
男の人は少年の父親だった人。
女の人は少年の母親だった人。
「・・・許さない。」
もう一度呟く。
すると今度は後ろから返事が帰ってきた。
「・・・誰を?」
「え?」
後ろを向くと全く知らない少女が立っていた。
「・・・君は誰?」
「・・・私は私。他の何者でもない。そしてあなたに呼ばれたからここにいる。」
「僕に・・・呼ばれて?・・・!じゃあ、君が!」
「・・・依頼は?」
「・・・依頼はこの男の人を・・・どうにかしてほしい。」
少年は写真の男を指で指し示す・
「・・・どうにかって、どうして欲しいの?」
「・・・え?」
「・・・傷つけて欲しいの?苦しめて欲しいの?それとも殺して欲しいの?」
「・・・それは・・・」
「・・・。」
「・・・殺して・・・」
「・・・。」
「・・・殺してください。」
「・・・分かった。」
「・・・。」
「・・・それじゃあ、依頼が終わったらまた来る。」
「え?」
少女はそう言うと、その場でくるりと回り、どこからか黒い羽根を撒き散らす。
そして羽根が落ち少年がゆっくりと目を開けると少女は目の前から姿を消していた。

*第3話*

ある男の人が駅で電車を待っている。
終電の為か辺りに人影は無い。
この男が少年の母親を自殺に追い込んだ男。
そしてこれから殺されるであろう男。
「・・・ねぇ、小父(おじ)さん。」
「え?」
さっきまで人影は無かったが、今、男の後ろに少女がいる。
少年から依頼された少女が。
「・・・ねぇ、小父さん。」
少女がもう一度話しかける。
「あぁ、私の事かい?お嬢さん。」
男は少し酔っ払っているみたいで笑っている。
だが少女は気にせず無表情で言う。
「・・・そう、あなたの事。」
「じゃあ、何の用かな?」
「・・・伝言がある。」
「私にかい?誰から?」
「・・・あなたの・・・子供から。」
「・・・私に子供はいない。」
男から笑顔が消える。
けど少女は気にしない。
「・・・いいえ。あなたの子供から。」
「黙れ!私に子供なんかいない!」
そう言って少女に掴みかかろうとすると、少女のじゃない声が聞こえる。
「・・・なんで・・・」
「え?」
男は止まってしまった。
そのあまりにも聞き覚えのある声のせいで。
「・・・なんで捨てたの?」
また聞こえる。
気づくと風景も駅じゃなくなり、真っ暗な空間になっている。
そして少女がいたはずの場所には少年の母親が立っている。
つまりこの男が捨てた女だ。
「なんで・・・なんで私達を捨てたの?」
「どうしてお前が?死んだはずじゃ・・・」
男はパニック状態だ。
だが女は気にせず男に近づき始める。
これにより男は後ずさり始める。
けどいくらか後退すると足が動かなくなってしまった。
「ど、どうした?!なんで動かないんだ?!」
男は必死に逃げようとするが動かない。
そしてその間も女は近づき続ける。
「なんで・・・どうして・・・」
「く、来るな!こっちへ来るな!!」
「なんで・・・私のどこがいけないの・・・」
そして女が男に抱きつく。
「うわあぁぁぁぁぁ!!!」
しかしその瞬間に空間は現実に戻る。
「・・・?」
男は安心した。
女に抱きつかれることがなかったのだから。
だが次の瞬間、男は自分が線路の上にいる事と後ろから電車が来る音が聞こえる事に気づいた。
そして逃げる事も出来ずに男は電車に轢かれた。
もちろん即死だ。
体の原型も残らないだろう。
少女はホームに立ちながら男だった物体に言う。
「・・・伝言は『許さない』。」
そして少女はそのまま駅から姿を消した。

*第4話*

少年は眠れないでいた。
噂に頼って葉書を送ったら本当に少女が現れてしまったためだ。
「・・・。」
時計は深夜0時を指そうとしている。
そして少年が時計を見ながらボーっとしていると、
「・・・依頼は済んだ。」
「え?」
また少女はいつの間にかに少年の後ろに立っている。
「・・・済んだ?」
「・・・あなたの父親だった人は死んだ。」
「・・・そう。ありがとう。」
「・・・あまり嬉しそうじゃないのね。」
「え?」
「・・・私はあなたの言った人を殺してきた。つまりあなたの願いは叶った。なのに嬉しそうじゃない。」
「・・・そんな・・・ことは・・・」
「・・・まぁ、私には関係ない。」
「・・・。」
「・・・それじゃぁ、解決料を貰う。」
「・・・何を渡せばいいの?お金?」
「・・・いいえ。解決料はあなたの『宝物』。」
「『宝物』?・・・なら何を渡せばいいの?」
「・・・それはあなたの・・・母親との記憶。」
「・・・え?」
「・・・母親との記憶。」
「母さんとの・・・記憶?」
少女は頷く。
「・・・い、嫌だ!母さんは渡さない!」
「・・・もう遅い。取り消しは出来ない。」
「な、何で!?何で記憶なの!?」
「・・・あなたは心の奥で母親との思い出を忘れないでしょう。だったらそれはあなたの『宝物』に値する。」
「・・・で、でも・・・」
「・・・寝ろ。」
少女はそう言うと指を弾く。
すると少年はすぐに寝てしまった。
そして少女は少年に近づき頭に手を置く。
数秒たって頭から手を離した少女の手には水晶が握られていた。
その水晶には少年の母親と少年が笑顔で映っている。
少女はその水晶を少し眺めていたが、
「・・・砕けろ。」
と言い、また指を弾く。
水晶にはヒビが入り、すぐに割れてしまった。
破片は透明になり水晶は跡形もなく消えた。
同時に少年の記憶も。
「・・・依頼は解決した。」
そう言うと少女はその場で回り、姿を消した。
その場に残ったのは、まだ眠っている少年と無数の黒い羽根だけ・・・。

*1部目完結*

Re: *何でも屋* 建て直し ( No.3 )
日時: 2010/03/12 18:07
名前: バイオレット (ID: 8YX.EuJG)

〜第2部〜 

*第1話*

私は事故に遭った。
相手は信号無視。
でも、相手はすぐに逃げてしまった。
そのせいで、私は右腕を無くした。
赦せない。
返して私の右腕を!

・・
・・・
「・・・。」
少女が再び暗闇で立ち上がる。
いつものように葉書を握り締めながら・・・。
「・・・人間は過ちが多い。」

*第2話*

「月が綺麗・・・。」
ある病室で少女が窓の外を見ながら呟く。
少女に右肩より先は無い。
「・・・悔しい・・・」
少女は呟く。
するとその返事が隣から返ってくる。
「・・・諦められないの?」
「え?」
気がつけば、隣に知らない少女がこちらを向いて座っている。
「え?誰?・・・どうしてここに?」
「・・・私は私。あなたが呼んだからここにいる。」
「!なら・・・あなたが・・・」
「・・・依頼は何?」
「・・・それは・・・私の腕を奪った人に仕返しをしたいの・・・」
「・・・諦められないの?」
「嫌!私は・・・赦せない・・・赦せないのよ!」
「・・・。」
「・・・ごめんなさい。」
「・・・仕返しの内容は?」
「・・・種類でもあるんですか?」
「・・・それはあなた次第。」
「・・・なら、その人に・・・私と同じ苦しみを。私と・・・同じように・・・右腕を・・・う、奪っ・・・」
そこまで言って少女は泣き出してしまった。
聞き終えた少女は立ち上がり言う。
「・・・依頼は受けた。解決したら再び来る。」
「・・・」
そして少女は前と同じように消え去って、後には泣き続ける少女と黒い羽根だけが残った。

*第3話*

ある男が人気の無い道路を車で飛ばす。
法定速度は明らかに超えている。
だが、男は気にしない。
ついこの間、信号無視で少女を傷つけてしまったのに男は気にしない。
しかし、男には刻々と罰が近づいていた・・・

男が機嫌良く鼻歌を歌いながら運転していると、突然後ろから声がかかる。
「・・・反省の意図は無いのね」
もちろん男は誰も乗せた覚えは無い。
だから突然の声に驚き、急ブレーキで止まった。
そして後ろを振り向いて叫ぶ。
「だ、誰だ!?」
「・・・」
男は振り向いて少女がいるのを見ると、また叫ぶ。
「誰だ!いつ入った!」
「・・・車から降りたら教えてあげる」
「クソ!」
男は前の席に座ったままで腕を伸ばして少女を捕まえようとするが、あと少しで届かない。
届きそうで絶対に届かない。
何故なら少女がそうしているから・・・。
「ちくしょう!」
男が遂に諦め、少女が言ったとおりに車から降りた瞬間、少女が指を鳴らす。
そしてこの瞬間から男と少女の世界は、少女の世界に変わる。
唯の暗闇で、少女の思い通りの世界に。
もちろん、車も消した。
男はまたも突然のことに驚く。
「な、何だ!どこだここ!」
「・・・。」
「お前か・・・お前が原因か!」
そして男が少女に詰め寄ろうとすると、少女が手を男の方に向け、鳴らしながら言う。
「・・・磔(はりつけ)」
すると地面から樹のような物が生え、男を縛る。
「な、どういうことだ!放せ!クソ!」
少女はそれを見て言う。
「・・・すぐに用は無くなる。」
「は?」
そう言う少女の手には大きな死神を連想するような鎌。
「・・・すぐに用は無くなる・・・あなたの右腕と一緒に。」
「お、おい。冗談が過ぎるぞ!早く放せ!今ならまだ・・・」
「・・・」
少女は無視して男に近づき、鎌を右肩に掛ける。
「おい、頼むから・・・俺が何をしたんだ?」
男は涙目で訴える。
だが、
グシャ
という音が鳴る時には、少女は迷い無く腕を切り取った。
切り取られた腕は地面に吸収された。
そして少女はもう一度指を鳴らし、元の世界に戻る。
男はショックで気絶しているが、右腕は綺麗に無くなった。
「・・・伝言は『私と同じ苦しみを』」
少女は車の中で気絶している男に言い、その場から姿を消した。
残るものは、黒い羽根と右腕が無い男だけ。

*第4話*
「はぁ・・・」
病室の少女がため息と共に右肩を撫でる。
少し前まではそこにちゃんと腕があったのに。
今は何もない。
そう思うと少女はまた泣きだしそうになる。
だが、その瞬間に声がかかる。
「・・・あなたの依頼は叶った。」
少女は泣き出しそうなのをこらえて、横の少女を見る。
そして小声で言う。
「あ、ありがとう」
「・・・お礼はいい。それより解決料を貰う。」
「何をあげればいいの?」
「・・・あなたの『宝物』。」
「何が私の『宝物』なんですか?」
「・・・それは」
「それは?」
「・・・残ったもう片方の腕。つまりは左腕。」
「・・・え?」
「・・・あなたからは左腕を解決料として貰う。」
「だ、駄目!駄目よ!左腕は渡さない!左腕まで無くしたら私は、私はどう生きていくのよ!」
少女は泣きながら訴える。
だが、少女からの返事は冷たかった。
「・・・そんな事私に関係ない。」
「え?」
「・・・私は言ったはず。『諦めれないの』と。その時に諦めていれば、こうはならなかった。つまりは、あなたが全て判断したこと。だから、私の知ったことではない。」
「で、でも」
少女が指を弾く。
「・・・磔。」
それと同時にさっき男がなった状態が少女に降りかかる。
病室の代わりに暗闇に。
ベットの代わりに樹に磔られている。
「いや、嫌よ!お願い!やめて!他ならいいから、だから」
少女がまた指を鳴らす。
「・・・寝ろ。」
すぐに少女は気を失う。
「・・・痛みは感じない。それに起きればさっきの風景。けど、あなたに腕は無い。永遠に。」
少女はさっきと同じように大きな鎌を左肩に掛け、一気に振り落とす。
男の時と違い音は無かった。
だが、左腕は切り落とされ、同じように地面に吸収された。
「・・・戻れ。」
少女が再び指を鳴らし、空間を元に戻す。
そして、未だ起きる気配の無い少女に向けて言う。
「・・・依頼は解決した。」
少女はいつもの様に消え、残るは黒い羽根と両腕の無い少女だけ。

〜第2部〜 END

Re: *何でも屋* 建て直し ( No.4 )
日時: 2010/03/12 18:18
名前: バイオレット (ID: 8YX.EuJG)

*プロローグ・2*

この度、何でも屋が少し変わります。

今までは、怨み晴らし限定でした。

しかし、これからは依頼者の願いを叶える事も出来るようになりました。

依頼方法は葉書に『夢を叶えて』と書いて、ポストに入れてください。

そうすれば、何でも屋が貴方の元に向かいます。

報酬は同じく、貴方の『宝物』。

しかし、その願いをかなえた後の事は一切責任を取りません。

そして、最後に。

絶対に遊びで呼び出してはいけません。

貴方の命に関わります。


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