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- 機械騎士—knight
- 日時: 2010/03/26 08:30
- 名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://noberu.dee.cc/novel/bbs/black/read.cgi?no=486
ハイ。どうも、right(ライト)です。
『刃』は長期休載とさせていただきます。ご了承ください。
題名の通り、機械です!ロボットです!
全部自分で考えたので、ちょいと変かもしれませんが、読んでやってくださいm(_ _)m
>>1設定・ストーリー
>>2登場人物
>>3用語集(未完成)
>>8台詞集(未完成)
>>4搭乗機
—第一章—
>>5プロローグ
>>6第一話[平和だった]前半
>>7第一話[平和だった]後編
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- Re: 機械騎士—knight— ( No.6 )
- 日時: 2010/03/15 10:58
- 名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://noberu.dee.cc/noberu/gazoutoukou/src/file192.jpg
第一話[平和だった]前半
—日本太平洋沿岸部・ヘブン軍所有港、神奈川港—
軍艦がいくつも停められている軍所有港。だいぶ昔に在った、東京ドームというドーム約二百個分は軽々収まるだろう広さ。広くても、此処には軍艦数隻と小さな建物ぐらいしかない、ほとんど何もない場所。周りは森で囲まれてている。模擬戦闘には打って付けだ。
彼ら二人のナイトが夕日によって照らされ、港には大きな二つの影が写る。まるで人が二人、互いを見据えているよう。
『どうします? 雨崎少尉?』
今俺は、第一前衛部隊隊長兼作戦考案副長の杉村ルーファ中佐と模擬戦闘を行っていた。一戦目は彼の圧勝だった。そして今はリベンジの二戦目。杉村中佐に勝てばいいのだ。勝つだけで。
コックピットの右上にあるモニターには彼の、凛とした姿が映っていた。釣り上がっている口角、怪しげに俺を見つめる海の底のような暗い青い瞳、それほどがっちりとはしていないが、それなりに細い体。その体はその瞳とは正反対の空のような明るい青と草原の草のような明るい緑に雲のような白色のカラーで染められているパイロットスーツを身にまとっている。ヘルメットでよくわからないが、金色の髪が汗のせいだろうか、とりあえず少しだけ濡れていた。こちらも同じく汗を掻いている。あまり動かないものの、熱いのだ。
神経を研ぎ澄ませ、ゆっくり深呼吸をする。……さっきの言葉、俺を挑発しているようにも聞こえた。できるだけ、無視をしておこう。
彼の言葉には模擬戦闘中、耳をあまり貸さないことにしている。杉村中佐は相手を言葉で惑わすことが得意だからだ。彼は、戦闘向きではなく、心理戦と作戦考案、指示向き。しかしそれでも強い。
友幸の戦闘用人型ナイト、ドラゴンナイトの血の色に近い赤色の頭部が、夕日によって黄金に輝く。どちらとも動こうとはしない。
彼のナイトの装備は、昔の西洋の騎士ようなオリハリコン制の剣と盾、オリハルコンソードとSガード。Sガードの内側には小型のコンバットナイフが装備されており、ナイトの腰の部分には高性能ビームガンを完備。まるでハンドガンのようなビームガンだ。装甲は主に血のような赤色とレモンのように明るい黄色、赤を少し混ぜたオレンジ、白で塗装されている。
対峙するは杉村中佐の同じく人型ナイト、すべてのナイトの原点。一番最初に作られた、ナイトフルバージョン。装甲の塗装は、白が八割、金が二割といったところだ。
装備はオリハルコンとプラチナをあわせて作られた剣、エクスカリバー。同じく、オリハルコンとプラチナで作られた盾、ESシールド。高性能ビームガンよりも銃弾が多く装備できるESガン。基本は同じだ。それぞれ、体長は二十メートル程度で、昔の西洋の騎士の見た目をしており、コックピットは人間で言う、みぞおちの辺りだ。
『……黙っていては拉致が明かないので……こちらから行かせてもらいます』
彼のナイトが動き出した。こちらとの距離は約二百メートル。ナイトフルバージョンはブースター全開で、その手にエクスカリバーを持ち、向かってくる。速い。時速二百は軽々超えるほどのスピード。友幸は操縦レバーを握り、ドラゴンナイトはビームガンを腰から抜き、ナイトフルバージョンに向けて撃つ。青色の一筋の閃光がビームガンから放たれる。それも、後から何発も。
『遅い!』
コックピット内に杉村中佐の声が響く。
ナイトフルバージョンは、そのビームを左右に、瞬間移動するようにすべて避ける。美しいと、つい思ってしまうほどのしなやかな避け方。距離が五十メートルほどになる。友幸はドラゴンナイトのビームガンを素早く腰に戻し、構えに入る前にオリハリコンソードを抜いた。そして、その剣を右手に持たせ、構える。
エクスカリバーが、ドラゴンナイトに振り翳される。それを何とかソードで受け止める。コックピット内が揺れると同時に、金属同士がこすれ合う音が大きく、港に響いた。
『受身になっていてはだめです。自分から攻めていかないと。ほら、僕を押し返すように……!』
「くっ……」
友幸は、ブースターレバーを限界まで上に上げる。
両者、ブースターを全開にし押したり押し返したりを繰り返す。
何とかしないと、負ける。勝たないと。負けたら、負けてしまったら……!
一週間、トイレ掃除。
神奈川基地のトイレ広いし、何か臭いし嫌なんだよ!
「……っ!!」
右手操縦レバーを限界まで押し返す。すると。
『なッ…?!』
ナイトフルバージョンのエクスカリバーが上に大きく弾かれ、海に突き刺さる。そして、ドラゴンナイトはコックピットに向けて、ソードを突き刺そうとするが、寸前で止める。
『……フ、負けました』
モニターの中でお手上げというように、両手をあげた。
その頃には、夕日はもう海に沈みかけていた。
続く
※長くなってしまったので、前半後半と分けます。
- Re: 機械騎士—knight— ( No.7 )
- 日時: 2010/03/15 17:06
- 名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://noberu.dee.cc/noberu/gazoutoukou/src/file192.jpg
第一話[平和だった]後半
—ヘブン軍神奈川基地・ナイト格納庫—
格納庫は、たくさんのナイトがずらりと俺の左右にびっしりと並んでいる。まるで、彼らに見下ろされている。あまり、良い気分じゃないな。
彼ら、もといナイトたちは整備用の機具で固定され調整、整備されている。金属を削るような音に、天井にある通気孔から聞こえる風の音、飛び交う整備士たちの大きな声。ここはうるさくてあまり好きではないが、なぜか居心地が良い。
基地は先ほどの港から数十キロ離れた山間部に位置している。といってもそんな山の中で、でかでかと真ん中に目立つように設置されているわけでもない。上から見れば、ただの森にしか見えないように基地が上から木々によって隠されている。敵から見えないように。
ヘブン軍の基地は一部を除き、ほとんど地下制で、二階三階などはない。ここ神奈川基地は地上一階から地下十二階まである。ヘブン軍専用基地にしては大きいほどだが、東京の本部ほどではない。あそこは地上四階から地下二十八階まであるらしい。どんだけ広いんだって話だ。
——なぜ、俺たち日本の軍が『ヘブン軍』っていう名前なのかは、確か学習院にいた頃聞かされた事がある。学習院というのは、ヘブン軍付属学習院のことだ。十歳から六年間、入学が義務付けられているいわば軍の学校のようなものだ。そこを俺は飛び級をして三年で卒業した。その卒業間近の頃だ。ヘブン軍は二十八年前(西暦二千二百七年)までは『日本国家自衛隊』だった。その軍の名前が『ヘブン軍』となった理由は……。
「よっ! レッドドラゴン!!」
突然の大声に肩をびくつかさせる。何だと振り向くと、後ろからまだ若い、汚れた深緑色の作業つなぎを着た、黒髪で短髪の男が急ぐ足音と共に近づいてくる。次は、背中を思いっ切り叩かれるな。
ちなみにレッドドラゴンというのは、俺の別称だ。これは、杉村中佐が面白半分で考えたそうだ。理由は簡単。俺が『ドラゴンに乗っている赤い髪の戦士』だから。そこから赤の『レッド』、龍を意味する『ドラゴン』を取って付けられたコードネームのようなもの。いつの間にかそれが、この基地の皆に知られていて、そう呼ばれるようになってしまった。と考えているうちに、背中に予想通りの衝撃と音と痛みが走る。まるで、地面に思い切り背中を叩きつけられたかのようで、風船が割れたような音が背中からした。それにこの薄いパイロットスーツだと尚更痛い。
「……ぅおっ!?」
足に力を入れていたはずなのに、前につんのめっていしまい転びそうになるが、なんとかバランスを取り戻し、体勢を立て直した。
「……何、すんだよ」
背中を思い切り叩いてきた彼の方を向き、睨みつける。彼は、自分の目を見てか「ゴメン、ゴメン」と笑いながら謝ってくる。右手に握っているこのヘルメットで殴ってやろうか、と思いつつ口を開く。
「……で……何の用だよ。何か、あったのかよ……」
そう聞くと、『その言葉を待ってました』と言わんばかりに、彼の目が輝く。ちなみに彼はナイト整備士の青井颯太、俺の二つ歳上の友人と呼べる人間の一人だ。
「来るらしいんだよ」
「……何が」
お前には具体的な説明をするという知識がないのか。そう思いながらも口に出さないという優しさぐらい、俺にはある。俺はそんなにひどい野郎でもない、と思いたい。
「他のところは少ないけどいるだろ? 女パイロット」
確かに、女性のパイロットは少ない。男との技量、体力の差だろう。男に勝る力を持つ女は早々いない。
だからそれが何だというのか。
「それが来るらしいぜ。神奈川基地初めての女パイロット! しかも子供ときた!」
このはしゃぎ様は餓鬼かお前は。五歳児か。ここは適当にあしらっておこう。この疲れた体で、颯太の長話に付き合ってられるほど、体力が残ってないんだよ。
「……あっそ」
あきれたように言い放つと、彼は足早に格納庫の出口に向かう。それを止めようと、後ろから颯太の声。さらにその後ろからの整備長の低く、大きな声が颯太を叱る。
しかし、何かが引っ掛る。
颯太は言った。
『それが来るらしいぜ。神奈川基地初めての女パイロット! しかも子供ときた!』
つまりは女の子。
子供……?
いや、調子が悪いんだろう、自分は。だから些細なことに疑問を持つ。子供は、極稀にいる。変なことじゃない。さっさと部屋に戻って休もう。俺は格納庫の出て、目の前に現れた、パイロットたちの部屋に繋がっている廊下を気だるそうに歩いていった。
後ろからの怒涛の声を聞きながら。
続く
- Re: 機械騎士—knight— ( No.9 )
- 日時: 2010/03/18 14:49
- 名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://noberu.dee.cc/noberu/gazoutoukou/src/file192.jpg
上げ
- Re: 機械騎士—knight— ( No.10 )
- 日時: 2010/03/17 12:22
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
上げw
これはタイトル入力すると消せるよ^^
- Re: 機械騎士—knight— ( No.12 )
- 日時: 2010/03/18 14:50
- 名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://noberu.dee.cc/noberu/gazoutoukou/src/file192.jpg
第二話[少女と猫]
通路を五十メートルぐらい歩くと、奥から二番目のドアだろうか、その前に黒い物体が丸まって置かれていた。よくよく考えると自分の部屋の前だ。ちなみに自分の部屋は格納庫に近く、すぐ自分の目の前にはパイロット待機室があり、『もしも』の時にはかなり便利だ。といっても、あまりというかまったく『もしも』の時が来た事がない。訓練ぐらいしかないな。
その自分の部屋のドアの前に黒い物体があるのだ。
しかし、視界がぼやけて見にくい。一体、何なんだろうか。友幸はあまり視力が良くなく常にコンタクトを付けているが、先程の杉村中佐との戦闘中落としてしまったのか、遠くにあるものがぼやけて見える。黒い物体は目を細めて見ると毛むくじゃらで、触ったら柔らかそうだ。
恐る恐る近づく。
—中断—
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