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- 人ナラザル者
- 日時: 2010/03/22 15:58
- 名前: 狐龍 (ID: .iyGyIWa)
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この世には
人ナラザル者が居る。
伝説では、なく
童話でも、なく
存在する
ほら、
貴方の
後ろにも
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- Re: 人ナラザル者 ( No.1 )
- 日時: 2010/04/06 14:50
- 名前: 狐龍 (ID: .iyGyIWa)
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「———————————腹ヘッタなぁ」
街中を真紅色の髪を揺らしながら怠そうに歩いていきながらぽつりと呟く。行き交う人は、一度は彼を見て驚いた顔をしながら振り返ってゆく。そう、何しろ髪の毛の色が違う。紅なのだ、深い紅。
「でもなぁ…………」
ココで満たすわけにはいかないなぁ、みんな化粧濃い女の子ばっかりだし。
このセリフだけ小さく言い、腹の虫が鳴る自らの腹を押さえながら溜息をつく。
「よっ! 玖、元気か!?」
「…………なんだ、紀威かぁ。」
「相変わらず、腹ぺこかぁ?」
「…………月が嫌いなくせに、五月蠅い」
真紅の髪の青年は、彩野 玖。
後から喋りかけてきたのは、銀髪の青年、夜風 紀威。もともと仲が良いと言うならば仲は良いだろう。彼らは人間とは違う人種。人間の寿命とは比べものにならないほどコノ世に生き続けている。
「つーか、邪魔すんな!!」
「おーおー、怖ぇなぁ」
「………………………………お! 上玉発見!」
「いってらー」
玖は鬱陶しそうに紀威を押しのけ{上玉}に走っていった。{上玉}は近づいてくる玖に顔を赤らめた。実はと言うか、この二人は美形……イケメンなのだ。玖は早速{上玉}をどこかに連れて行った。これから、彼のお腹は満たされるのだ。{上玉}自身によって。そう、玖は吸血鬼……ヴァンパイアなのだ。
- Re: 人ナラザル者 ( No.2 )
- 日時: 2010/04/06 18:44
- 名前: 狐龍 (ID: .iyGyIWa)
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「ったく、腹減りすぎだっつーの」
「貴方は、月を怖がりすぎですよ」
「………………うわっ!?」
紀威は玖の行った先を見つめ、髪を掻き上げながら溜息とともに言った。その紀威に近づく影が一つ。金髪にピアスにロン毛にそれを思わせないような丁寧な口調、森 丈翔(モリ タケル)。
「はぁぁ、丈翔かよぉ………」
「かよ、とは何です。我じゃいけませんか?」
「そんなことねえケドよ………うわぁーー、敬語相変わらずきもちわりぃ…………」
「そうですか。じゃあ、どういう言い方をすればよろしいのですかね?…………返答が悪ければ妖術を掛けて差し上げましょう、紀威の見る視界全部月にして差し上げましょう」
結構ノンブレスで喋りきった丈翔に紀威は真っ青な顔をしながら首を横に振り続けた。もう、わかるように紀威は狼男で月がキライ。丈翔は妖術、妖術呟きながら手で印を組もうとしてしている。丈翔は妖狐なのだ。
「そんな紀威にプレゼントです」
「はぁ!?」
真っ青な紀威を嘲笑いながら、丈翔は札を一枚手渡し少し呪文を唱える。丈翔の妖術に興味津々の紀威は見つめ、少し待つ。そして現れたのは
満月
立体で、しかも触れる形の。それを見てしまった紀威は苛ついて振り返ると丈翔は居なくなっており、通行人が紀威をみて話していた。それを見て顔を赤くしながら走って街から出て行った。
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