ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 魔術使用者の不平和的日常
- 日時: 2010/03/23 18:39
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)
クリックthank you!!
はじめましての方もそうでない方も猫菓です!
題名通りのファンタジーなので、嫌いという方や荒らし・中傷目的の方はブラウザの戻るでお戻り下さい。
しかも思いつきなので、途中で挫折する可能性大です……それでもおkという方だけ、本編をお楽しみくださいませ!
◆本編◆
◇お客様◇
◆お知らせ◆
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- Re: 魔術使用者の不平和的日常 ( No.6 )
- 日時: 2010/03/23 21:56
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)
◆序章◆
守ろうとする存在。
守るべき存在。
世界にはそういった人が存在する。
——人は守り守られ生きていく。
それが、私達の合言葉だ。
- Re: 魔術使用者の不平和的日常 ( No.7 )
- 日時: 2010/03/23 22:23
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)
◆一章◆
そう、俺の人生はいつだって普通で平凡——
「十輝、おはよー!」
なわけが無い。
背が小さくてリボンごと編み込んだ茶髪が印象的なこいつは、同じクラスであり幼馴染(腐れ縁?)の斎宮昇だ。
「今日は暑いねぇ。ボク、登校するだけでも一苦労だよ」
女のくせにボクとか言ってる見た目通りの元気っ子は藤芽羽。男と同じくらい髪が短い。
「でも、この時間に行かないと風紀委員に会っちゃう」
「だからって、俺の背中にひっつくな」
俺の背中に隠れているのが高橋愛子。
完全なるオタクで私服は自作のゴスロリドレスばかりという恐るべきやつだ。
制服までゴスロリ風味に改造しているため、風紀委員に目を付けられているそうだ。
……まあ、当たり前だがな。
「愛子も学校ではその格好、自重した方が良いと思うわ」
お姉さんの様な優しい口調で言うのは舞原凜。
見た感じはほわほわしたお嬢様だが、ここだけの話、怒るとかなり怖い。
「…………」
俺の隣で黒縁の眼鏡を掛けて本を読んでいるのが、笹川巡。
無口で前髪でほとんど顔が隠れているから、何を考えているのか全く分からない。前髪を上げたら確実に美人だ。
で、どうして俺がこんな女子たちに囲まれているかと言うと彼女達のある〝秘密〟を知ってしまったせいなのだ。
此処にいる女子。それは皆『特殊な能力』を持っているのだ。
特殊な能力というよりは、俗に言う〝魔法〟というやつ。
何故彼女達がそんな二次元的な、というより三次元では有り得ない力を持っているのか。俺がそれが知りたくてただただ傍に居させてもらっているだけ。
昇なんて、昔は俺と同じで〝普通〟だったんだけどなぁ。
いつから魔法なんていう変な力を持つようになったのやら……。
- Re: 魔術使用者の不平和的日常 ( No.8 )
- 日時: 2010/03/24 16:39
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)
◆二章◆
放課後になると、俺と今朝のメンバーは空き教室に集まる。
此処は鍵も掛かるから、外から見られなくてとても好都合な場所だ。
「召喚魔術発動! 我が契約者昇の元に出でよ、鬼動騎士!」
お、始まった。これは昇の〝魔法〟だ。
昇の周りに幾何学的な魔方陣が現れる。
俺も自分なりに少しばかり魔術やらについて調べたりした。今、昇が自分で口にしたように昇の魔法は召喚魔術。
召喚魔術は、その名の通り『何か』を召喚する魔法。
今昇が召喚したのは『鬼動騎士』。鬼と同等の力を持つ騎士だ。
ややこしいな、うん……。
「遅いよお、昇ちゃん? 背後を取られちゃ終わりだよー」
いつの間にか芽羽も魔法を発動していたらしい。
芽羽の魔法は体術と移動術。
そのためかなり素早い。
芽羽は魔術を使いこなすが上手いから、体術を応用して天井にぶら下がっているのだ。
しかも、昇の真後ろ。
昇が気配に気付かないなんて、珍しいなぁ……。
ちなみにこれは何をやっているかと言うと、実力が鈍っていないか試すためのテストの様なもの。
幾ら魔法といえど、しばらく使わないと威力が弱まるらしい。
これは冗談の激しい愛子に聞いたから本当かどうか知らんが……。
- Re: 魔術使用者の不平和的日常 ( No.9 )
- 日時: 2010/03/24 16:38
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)
「……負け。私の負け」
背後を取られて昇が悔しそうに言う。
芽羽はぴょんと天井から床に着地する。
身軽だな、こいつ。
「いえーい、ボクの勝ちー。昇に久々に勝ったぁ」
「七月五日、昇対芽羽……芽羽の勝ちっと」
因みに記録を書くのは俺の仕事。
俺は戦えないし、見させてもらってるんだからこれ位はな。
「おーい。次は愛子と巡だぞー」
「……はあ」
「めんどー」
巡と愛子はそれぞれの位置につく。
「よーい、スタァト!」
昇の間抜な掛け声で巡と愛子が魔術を発動させる。
「…………」
「…………」
とは言っても巡の魔術と愛子の魔術は打撃的な攻撃じゃない。
巡の使用する妖術は〝意図していなくても危害を与える力〟。
その為、皆の様にいちいち口に出して魔術を発動させなくても良いのだ。
一方愛子の魔術は幻術。
視覚や聴覚、触覚に嗅覚等によって幻を見せる術。
こちらも口に出さなくても、思い浮かべるだけで魔術の発動が可能なため両者共々黙っている。
「愛子はもう術を掛けてるわね。巡は完全にかかってるわ」
凜が隣で言う。
確かに、表情は読み取れないけどさっきから動かない……。
金縛り的な幻術か。
「まあ、金縛りなら私も出来るんだけど」
凜の顔は微かに笑みが見える。
うーん、何が面白いんだろう?
「……っ」
「うん、やっと幻術が効いてきたみたい。どう? 縛期魔の気分は」
愛子が満足げに言う。
あちゃー巡、大丈夫なのかな……。
「縛期魔って、中国語の繋体字で〝期限の悪魔を縛ります〟って意味だよね。巡ちゃんが悪魔かぁ」
テスト(戦い)が終わった芽羽は空き教室にある机に腰掛けている。
芽羽、中国語なんてよく知ってるなぁ。
- Re: 魔術使用者の不平和的日常 ( No.10 )
- 日時: 2010/03/26 17:00
- 名前: 猫菓 ◆GniOoWrG2M (ID: kfmvS1ow)
「——!?」
ガクンッと音でもする様に愛顧が驚愕の表情を見せる。
「……っく、流石は巡、ってとこ……?」
「……私の魔術は妖術。私が動けなくても自然的に発術する」
どうやら愛子も動けなくなったらしい。
巡の妖術は油断ならねぇな……。
「もうこれ終わりにした方が良いと思うわ。どっちも動けないんだから、勝負の付けようが無い」
「そんなことは無いっすよ」
「十輝、ソレどーいう事?」
凛の言葉に俺が否定をかけると、昇がそう尋ねてきた。
「巡の妖術は無意識に発動する。つまり動けない状態でも妖術が使用できるってこと。愛子の幻術だって、愛子のことだから、眼力だけで相手に幻術をかけるくらい出来るだろうよ」
「あ、十輝クンもボクと同じ考え方したんだね〜。凛姉さん、今日は熱あるの?」
芽羽は満面の笑顔でそう語る。
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