ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

遺す物
日時: 2010/03/26 15:46
名前: しの (ID: tBS4CIHc)

しのです♪

久々のシリアスダーク。

頑張ります。

Page:1



Re: 遺す物 ( No.1 )
日時: 2010/03/26 16:00
名前: しの (ID: tBS4CIHc)

=プロローグ=

イギリス郊外。閑静な住宅地に壮年の男が歩いていた。

軍服を着た彼はいかにも厳格そうな足取りで早朝の住宅地を歩いていた。

ひとつの家の前で立ち止まった。

綺麗に刈り取られている芝生は昨日の雨のためか少しぬれていた。

……4時か。

腕時計を見ながら彼は思った。

日曜日の早朝。全く時間感覚がない客だ。

その家の窓はほんの少しだけ開いていた。

白壁の温かみのある家に風が通った。

しばらくして窓が閉められた。

起きている! 彼はそう確信した。

足音を立てぬよう静かに静かに玄関に向かった。

そのままノックする。

その小さな音が彼らの耳に届かぬならば、帰ってしまおう、そう重いながら。

足音が近づく。突然の客に驚くように。

静かにドアが開いた。

そこには老婆がいた。

しばらくふたりは見つめあっていた。

ふいに彼女が笑んだ。

それを見て、彼は深々と一礼した。


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。