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黒 Monochro 白 【#03up】
日時: 2010/04/10 09:22
名前: 獅堂 暮破 (ID: QYDGIf3B)

どうもっ!! 獅堂 暮破です。
お初の人も久しぶりの人も名前くらい覚えていってくだせぃ。

で、今回書かせていただくのは
テーマ「黒と白、表と裏の世界」の
 黒 Monochro 白 というモンです。
内容はテーマを見て分かる通り、日常に生きる少年が人間の“表と裏”に深く関わっていくお話。(分かりにく!!
まぁ、読んでいただければ分かるかなァ……なんて。

ココで!!
□■獅堂 暮破のルール■□
№01 荒らし・チェンメ等が目的の方はハイ!! Uターン。
№02 グロ表現ありの可能性。(苦手な方は注意)
№03 アドバイス等はありがたくいただきますが、文句や悪口などはお控え下せぃ。

後は基本自由です。
自由万歳、これ僕のモットー。(どーでも良い

ではでは、黒 Monochro 白 始まり始まり——

□■□黒 Monochro 白【目次】□■□
#01 「死」 >>01
#02 「序曲」 >>04
#03 「裏心」 >>07

■□■お客様■□■
遊太
□■□お知らせ□■□
4月08日 ネタ詰り;;
4月10日 #03更新完了

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Re: 黒 Monochro 白 ( No.1 )
日時: 2010/04/03 17:24
名前: 獅堂 暮破 (ID: QYDGIf3B)

#01 「死」

人間には裏がある。
どんなに優しい奴でも自分の身に危険が生じれば、簡単に裏切る。
どんなに自分を大切にしてくれていた奴だって同じだ。
俺は今、それを十分過ぎるほど実感している。

今から数十分前の事だった。
午前十時二十分、数学の授業が終わり、休み時間を友人達と騒がしく過ごしていた。
それはいつもと変わらない毎日の日課。
馬鹿な事で大爆笑したり、腕相撲なんかやったりして。
普通で日常でそして大切な時間だった。
幸せは長く続かない。山があれば谷があって川もある。
そろそろ授業も始まる、生徒達は徐々に席に着きだした。
その時だった。
ふと感じた小さな揺れ。
それは周りの奴らも感じてたみたいで教室がざわめき出す。
小さな揺れはだんだんと強さを増し、ついには立ち上がれないほどの揺れとなった。
悲鳴が飛び交う教室の中、教師の声が響く。
「早く!! 早く廊下へ!!」
壁に手を突きながら避難を始める生徒達。
俺も割れたガラスで怪我をした友人に肩を貸しながら進んでいた。

「空廼!!」
名前を呼ばれ、俺は脚の動きを止めた。
上に視線を向ければ崩れだす天井が目に入った。
「パスッ!!」
俺は友人を教師の元へ飛ばす。
それと同時に身体に多くの痛みが走った。
「ぐぁ……っ」
崩れてきた天井の瓦礫によって足や腕、銅も全く動かない。
鉄の濃い匂いが鼻を刺した。
クラスメートの悲鳴や俺を呼ぶ声が聞こえる。
「空廼!! 待ってろ。必ず助けにくるからな!!」
そう俺の耳元で言う担任。
担任は友人を支えながらその場から生徒達を連れて去っていく。
この時俺は、きっと、きっと助けに来てくれる。
そう信じていた。

 *

「でも人間なんて、簡単に裏切れる」
意識の朦朧とし始めた俺の口からそんな言葉が漏れる。
助けに来ると言っていた担任も。
泣きそうな顔で俺の名を呼んでいた友人も。
誰も、来ない。
まぁそりゃそうだよな。
普通こんな危険な場所に後戻り、なんてしねぇもんな。
「……っ。まだ、死にたくねぇよ」
それが本心だった。
まだ、生きていたい。
まだ、死にたくない。
そう心が叫んでる。
でも流れる血は確かなもので、意識がなくなるのも時間の問題だろう。

『助けて差し上げましょうか?』

声の聞こえたほうに首を曲げて目を向けた。
「お、前……は?」
その先に立っていたのは黒いコートに身を包んだ、一人の若い男だった。

Re: 黒 Monochro 白 【#01up】 ( No.2 )
日時: 2010/04/03 18:02
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

おもしろそうです!!
更新頑張ってください\(゜ロ\)(/ロ゜)/

Re: 黒 Monochro 白 【#01up】 ( No.3 )
日時: 2010/04/04 20:07
名前: 獅堂 暮破 (ID: QYDGIf3B)

遊太、ありがとう!!(呼び捨て大丈夫?
さぁて、今日も更新しますか^^

Re: 黒 Monochro 白 【#01up】 ( No.4 )
日時: 2010/04/04 20:32
名前: 獅堂 暮破 (ID: QYDGIf3B)

#02 「序曲」

目を向けた先にいたのは銀色の髪を後ろで一つの結い上げ、蒼の瞳で俺を見つめる男。
誰だと問いかければ、ソイツは小さく笑みを浮かべて答えた。
「私は裏心取締班、黒朱(コクシュ)と申します」
裏心、取締班?
聞いたことのない名前だった。
黒朱と名乗る男は瀕死状態の俺に近づきしゃがみこんだ。
「一つ、質問いたします。貴方は生きたいですか? それともこのまま死を待ちたいですか?」
その言葉に俺は黒朱と目を合わせた。
「私なら貴方をこの世界で生かすことが出来ます」
黒朱はにこやかな笑みを浮かべ、俺の答えを待っている。
「俺は……」
そこで一度言葉を飲み込んだ。
コイツ、どう見ても怪しい奴だ。
それは誰が見ても分かる事だった。
黒いコートに身を包んだ、何だか分からない班に所属する見ず知らずの男。
普通なら信じないし、怪しいと思って俺は逃げる。
でも、今はそんな状況じゃない。

「俺は、生き……たいっ」
今は“生きたい”それが俺の一番の願い。
何だかんだ考えている場合じゃあない。
生きていたい、まだこの世界で立っていたい。
俺の答えに黒朱は「分かりました」と一言返し立ち上がった。
もう俺の意識はぎりぎりの綱渡り状態だ。
目の前は霞むし、耳もよく聞こえない。
「貴方の力、私が解放して差し上げましょう」
黒朱の言葉と共に瓦礫だらけの教室内に突風が巻き起こる。

「契約」

黒朱の手が俺の額に触れ、触れられた部分が熱くなる。
そしてガラスの割れるような音が鳴り響いた。
「これで貴方の本来の力が解放された。さあ、目覚めなさい。裏を取締る者“裏人”」

目の前の景色がくっきりと見える。
耳も聞こえるし、身体も動く。
「な、んだ?」
不思議な状況だった。
さっきまで死に近かった俺の身体は回復し、立ち上がれるほどになっていた。
俺が何をしたのかと訊こうとすれば、唇に人差し指で触れ「後で説明しますよ」と宥められてしまった。

「そう言えば、貴方の名前聞いていませんでしたね」
そう言って俺に笑顔を向ける黒朱。
「俺は……神藤、空廼(シンドウ ソラノ)」
俺がそう名乗れば奴は嬉しそうに笑った。

これが黒朱と俺の始めての出会い。
疑問だらけの出会い。

そして歪んだ旋律の上で序曲が流れ出す。
この出会いが、俺の全てを変えてしまう第一歩だったのかもしれない——


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