ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ある探偵の思考回路考察(仮題名
- 日時: 2010/04/18 19:13
- 名前: 白月 ◆5IxW6Su6n2 (ID: KcroCul6)
_〆ご挨拶!
どうもおはこんばちは初めまして。白月と言うモノです。
多分ミステリーとか推理モノとかその辺のジャンルに分類される小説かと思われます。………何はともあれシリアスです。でもストーリーのノリは少年漫画です多分。
そんな訳で、完結するまでどうぞよろしくお願いします!
_〆目次
一話 >>1(製作途中)
Page:1
- 一話 前編 ( No.1 )
- 日時: 2010/04/28 18:13
- 名前: 白月 ◆5IxW6Su6n2 (ID: O9GTNW/u)
- 参照: http://元ライトなのかもしれないよ。
「……壊し屋探偵黒猫恭助。さんじょー」
夜の闇に浮かんだ影から響いた声。それはまだ声変わりも済んでいない少年のやや高い声だった。
やがてぼんやりと差してきた光。それに浮かび上がった姿は、背格好は10歳程度のごく普通の少年だが、彼を世間一般で言われる「普通」から離れさせている決定的なモノがあった。
一つは、大きな目に整った眉。……例えるなら精巧な人形を思わせる容姿。
そしてもう一つは。
———本来なら左目がある筈の場所に巻かれた、薄汚れた包帯。
それが、彼を大衆の言う「普通」から離れさせ、「異端」とさせている大きな原因だった。
話は戻る。
そこはかつて何かの工場であっただろう場所。……要するに廃工場。そこに恭助はいた。
——さて、ここで話は数日前にさかのぼる。
路地裏の奥に入った所の更に奥。そこにある事務所という名目で借りた……実際は恭助の住居が半分以上を占めている……ビルの一室で彼は「いつも通り」に大きな椅子にもたれかかって寝ていた。誰かがこの光景を見たら不真面目だとか仕事をしろとか言われるのだろうが、彼はそんなこと欠片も気にしていないようだった。寧ろ彼の本質を知る者から見れば当たり前の光景なのだ。
………が。
そんな恭助の安眠は、一つのベルの音によって一瞬で崩れた。……元々、あまり深い眠りではなかったのだ。
本来なら彼は寝起きが最高に悪いのだが、何も知らない客に八つ当たりしてせっかく来てくれたのを逃がしては困る。これでも商売なのだ。
精一杯不機嫌な顔にならないようにして扉を開ける。
………だが、そこにいたのは。
「……何だ、君か」
顔馴染みの「自称」探偵助手の女子高生、真田 翠だった。
流れるような腰まである黒髪に茶色の大きな目。何も言わなければそれなりに美少女なのだろうが、恭助にはどうしても彼女を綺麗、と賞賛する気になれなかった。
「何だって何ですか先生!せっかく私が面白そうな事件持ってきたのに!」
……ほら、そういうところだ。
この少女は、いつも「面白そう」という名目で恭助を厄介な事件に巻き込んでは、悪びれもせずまた厄介事を持ち込む。
それを繰り返している恭助は、今度こそはその手には乗るものかと心に決めていた。
……まあ、それでも。
「話だけは聞こうか?君がどんな厄介事を持って来たのかは」
「酷いなあ先生は!えーとですね……」
翠が持って来た話は、こんなものだった。
何でも、彼女の友達は、近所で幽霊が出ると有名な廃工場に肝試しに行ったのだという。そして、何とそこで、本物の幽霊を見た……らしい。
「お願いしますよ先生!その子は例の廃工場の近くに住んでて、このままじゃ夜も眠れないらしいんです!」
……要するに、僕にその幽霊とやらを退治してほしいと、そういうことか。
「断る」
「ええ!何でですかあ!」
机から身を乗り出して言う彼女を尻目に、探偵は椅子をくるくる回して言う。
「あのね、君は僕を霊媒師じゃないんだよ。探偵だ。それに、その幽霊とやらがもしも本物だとする。そうしたらどうやって退治するんだい?一番ありえる話としては誰かがその工場にいたのを幽霊と見間違えたとか」
「じゃあ、何の目的でその人はそこにいたんです?」
「さあね、何か忘れ物でもあったんじゃないの?あそこ、廃工場になったの割と最近だって聞くし」
一気にたたみかけて、彼女の反論に尚も食い下がると、流石の強引な探偵助手(自称)も流石に諦めたようで、急に静かになった。
「分かりました。先生がそこまで言うなら私一人で行きます。その場合、報酬の「クークドレール」のケーキは全部私のものですけどね」
「行く」
独り占めさせてたまるか。
その瞬間、彼女がにやりと笑う。
また彼女の罠にかかったと気付いた時には、もう僕の唇は動いていた。
……ああ、くそ。またこの意地の悪い女子高生に嵌められてしまった。
後悔先に立たず。この時ほどこの言葉が恨めしく思えた事は無かった(言葉は何も悪くないけれど)。
………こうして、話は冒頭に至る。
不本意ながら(ここ重要)幽霊退治の依頼を受けてしまった恭助は、傍から見ても分かるほど不機嫌な顔をしていた。現在の時刻は真夜中の0時丁度。本来ならとっくに寝ている筈の時間だった。……前述の通り、彼は寝起きの機嫌が悪いだけでなく、自分のペース(ここでは「午後9時には寝る」という彼の絶対的なポリシー)を邪魔された時の方がよっぽど機嫌が悪くなる。それはもう、夜の空に響くほどの大きな音を立ててかなり硬い筈の廃工場の扉が盛大に凹んで蹴っ飛ばされる程に。
——兎に角、夜の工場に来た彼は頗る不機嫌な顔で工場の中へ入って行くと、辺りを見渡した。
「……何だ。何も無いじゃないか」
「そりゃあ、あんだけ大きい音立てたら誰かいても逃げますって」
「……居たの君」
恐らく彼の探偵はずっと隣にいたらしい「自称」探偵助手の事を認識していなかったらしい。それを彼の一言から瞬時に理解した彼女は一瞬怒り顔になったが、この探偵には何を言っても無駄だと思ったらしく、すぐに表情を戻した。
カラン……
そんなやり取りの後、微かに聞こえた、何かが転がるような音。
恭助はそれにすばやく反応し、そちらに鋭い視線を向けたが、どうやら隣にいた翠はそれに気づかなかったらしく、頭に?を浮かべて恭助の見ている方向をあやふやに見た。
「……出て来い。そこの奴」
恭助が有無を言わせぬ声で一点から視線を外さないまま呟く。
ガシャン。
また、音がした。今度は翠にも聞こえる大きさで。
見ている方向があやふやだった彼女も、流石にそれには気付いたらしくそちらへ視線を向ける。少し怯えたような色をその瞳に含ませて。
そして、少し大きな影がゆっくり姿を表した____________
〜〜〜〜〜
長くなったので前編終わり。
まさかの一話が前後編ってどーよ。
(保留)
- Re: ある探偵の思考回路考察(仮題名 ( No.2 )
- 日時: 2010/04/28 18:13
- 名前: 白月 ◆5IxW6Su6n2 (ID: O9GTNW/u)
- 参照: http://偶にID違います。
上げ。
更新せねば……
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