ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 今日も港は綺麗です
- 日時： 2010/04/22 10:58
- 名前： 吉本寧 （ID: nWEjYf1F）
「今日も港は綺麗です」
◇作者について◇
ペンネームは吉本寧（よしもとねい）。
カキコ読者歴は二週間。
将来の夢は、そこそこ稼いで家族と幸せに暮らす事。
別に小説家を目指している訳では無い。
趣味は詩を書く事。
年齢・性別はトップシークレット。
◇前書き◇
初めまして。吉本寧です。
この小説をクリックしてくださった方々、本当に有難うございます。
この物語は、作者・吉本の創造と妄想で出来ておりますので、少々おかしな表現が御座いましても目をつむって流して頂けると幸いです。
それでは、「今日も港は綺麗です」後書きで、またお会いしましょう！
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- Re: 今日も港は綺麗です ( No.1 )
- 日時： 2010/06/07 16:56
- 名前： 吉本寧 （ID: nWEjYf1F）
¦プロローグ¦
雨降りの夜だった。それはそれはひどい豪雨だったから、港の者は誰一人いなかった。洪水になるといけないから、皆大切なものだけを持って、安全な場所に避難したのである。
しかし、たった一人、雨なんか目に入らないといった風貌で、楽しげにスキップをする少女がいた。
少女はデニムの半ズボンに白いワイシャツ、その上には水色のカーディガンを羽織り、桃色のサンダルを履いていた。頭の上にはちょこんと小麦色の麦藁帽子を被っていて、清潔感のある印象が与えられる。
だが、自然の力はそんな少女の服をびしょ濡れにしていく。足とサンダルの間には多量の水が流れ入り、麦藁帽子なんかは雨を吸ってぶよぶよになってしまっている。
「アハハハハハ！ 楽しいなぁ。もっともっと、たくさん降ってくれないかな」
少女は、あどけない笑みを浮かべているというのに、どことなく悪魔の様な印象が与えられた。まるで、この世の全てを見下しているかの様に。
雨はそんな少女を拒むかの様に、更に威力を増した。台風レベルの雨と風で、港にあった木々が複数折れ、倒れた。街灯さえも大きく前後に揺れている。
しかし少女は悠々と歩いている。
と、そこへ、大人びた茶色のワンピースを着た女性がやって来て言った。
「ゆ、雪さん！ それ以上ここにいると……か、風邪をひいてしまいます。は、早く家に戻りましょう！」
それを聞き、少女は仕様が無いと言った表情で、
「もっとここにいたかったなぁ。まぁでもいいや！ 雨なんかちゃちぃ物だって分かったのは、大切な事だよね！ これぞ学習って感じ」
と言い、茶色のワンピースの女性の所へトタトタと走って行った。
- Re: 今日も港は綺麗です ( No.2 )
- 日時： 2010/06/07 17:38
- 名前： 吉本寧 （ID: nWEjYf1F）
¦第一章 「終わりの始まり」¦
一.
あぁ、淳一！会いたかった、会いたかった、会いたかった！
全く、淳一ったら酷いわ。私のことを置いて逃げるなんて。
……でも、もうこれで離れることは無いわ。
私がずっと、淳一を掴んでおくから。
もう放したくない……いいえ、放さない！
絶対に、放さない！
放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さ放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない放さない
絶対に、放さない。
淳一は、私だけの物。
＊＊＊
太陽港町。一丁目から六丁目の直径は一キロメートル。主な著名出身者は、アイドルの紅白マヤ、ファッションモデルのＲＥＩＮＡ、映画監督の大鳥大吾など。
そんな普通な港町で、とある噂が広がっていた。
「なぁ、知ってるか？ 一丁目に住んでる畑中すもも！ あいつ、人殺したらしいぞ！」
茶髪、ピアス、刺青。正に不良といった格好で話を進めるのは、太陽中学二年生の島袋勇。
「はぁ!? マジで!?」
そして、心底驚いた拍子で目を丸くするのは、同じく太陽中学二年生の春田敦也。
「あぁ、何でもカッターナイフで殺ったとか。」
「怖ぇ……」
二人がそんな会話をする中。
「何の話してるの？ ウチも交ぜてよー」
「お！ ミズキ！」
「あ、ミズキ、おはよ」
ひょっこりと現れたのは、太陽中学一年生の対馬ミズキ。
勇、敦也、ミズキは幼馴染で、昔からとても仲が良い。
「えっとな、一丁目の畑中すももが、人殺ししたって話だよ！」
勇がそう言うと、ミズキは顔を青くした。
「あれ、もしかしてミズキって、その手の話ダメなん？」
敦也が問うと、ミズキは首を横に振って、静かに呟いた。
「……家のお隣さんなの、畑中さん……」
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