ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Esoteric girls
日時: 2010/04/25 20:26
名前: きりお ◆xLICyobjE6 (ID: O9GTNW/u)

はじめまして、きりおです。
小説を書くのは初めてで、右も左もよく分かっていない状態ですが宜しくお願いします。

【頼み事】
・アドバイスや、おかしい点などがあったらじゃんじゃんコメントして下さい。
・堅苦しくなくて結構です。仲良くしましょう!
・更新が亀みたいに遅いです。ご了承下さい。

小説の内容は、簡単に言えば『ファンタジー』です。剣と魔法です。
もしかしたら、グロテスクな表現が入るかもしれません。
苦手な方は注意して下さい。

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Re: 序章 ( No.1 )
日時: 2010/04/25 21:58
名前: きりお ◆xLICyobjE6 (ID: O9GTNW/u)

遠い未来、多分この世界とは別の世界での話。

国々は古来より、「エソテリック」と呼ばれる力によって自由に発展してきた。
「エソテリック」とは、神の気まぐれによって選ばれた者にのみ与えられる力であり、その効力は様々である。そして「エソテリック」の力は、一人では発動することができない。「ミーディアム」と呼ばれるこれまた神の気まぐれによって選ばれた者の力が必要とされる。「エソテリック」の持ち主は「ミーディアム」の持ち主と契約し、その力を媒体とし、初めて「エソテリック」の力を具現化することが出来た。

人類は「エソテリック」の持ち主を「所有者」、「ミーディアム」の持ち主を「媒体」と呼んだ。

しかし、そんな力を手に入れれば必ず争いが起こる。
国々の代表者は所有者と媒体を使い、自らを世界の頂点に立たせようと戦争に明け暮れた。
意味の無い殺戮、限度を超えた科学技術による環境破壊。人類は着実に、自らの手で自らの首を絞めていった。

そんな世界から何百年も後の世界。
大規模な戦争を生き延びた、数少ない人類は、僅かに残された汚染を免れた土地で細々と生活していた。
国と呼ばれるものは存在するが、もはや国の役目を果たしていない。荒れくれ者の横暴、麻薬の密売、殺人、窃盗、何でもありの無法地帯だった。

人類はそんな生活を強いられる事となった元凶、所有者を忌み、嫌い、恐れた。

Re: Esoteric girls ( No.2 )
日時: 2010/04/26 21:16
名前: きりお ◆xLICyobjE6 (ID: O9GTNW/u)

第一話 【始まり】

「所有者だああああああ!!」
劈くような男の悲鳴が空に響いた。悲鳴をあげた男の目の前には、こげ茶色のショートヘアーに透き通るような碧眼を持つ十七歳程の少女と、くすんだブロンドの髪の背の高い二十代前半程の男が立っており、さらにその周りを屈強な男五人が囲っている。ただ立っているだけなら何の変哲もない状態なのだが、明らかに異常な点があった。少女の手から火が噴き出ている。種も仕掛けも無い。少女の手、そのものから噴き出ているのだ。そう、この少女は「劫火」のエソテリックの使い手、所有者なのだ。
「畜生!覚えていろよ糞餓鬼!!」
「一旦、引くぞ!!」
いかにも悪党な雰囲気の男達は少女の手の火を見るなり、血相を抱えて驚くほどの速さで逃げ去ってしまった。少女はそんな男達を若干憎しみと後悔の混ざった顔で見送った。
「エル」
ブロンドの髪の背の高い男が口を開く。
「…もうこの町には居られないわね、フラン」
エルと呼ばれた所有者の少女は呟いた。


「もう行ってしまうのかい?」
もう少しゆっくりしていけばいいのにと、裏路地の古ぼけた宿屋の女主人がエルとフランに声をかける。
「所有者を泊めていると知れ渡れば、女将さんにも迷惑をかけてしまいますから…」
エルが申し訳なさそうに答えた。所有者は忌み嫌われてきた存在。そんな存在の手助けをしているなどと知れ渡れば、この宿屋や女将に対する世間の目は冷たくなるだろう。
「そんな事…貴女は何も悪くないのに……」
「いいんですよ、女将さん。エルの決めたルールなんで」
フランはこの場にそぐわない、陽気な態度で言った。
「所有者だとばれたら、嫌な思いをする前に町を出ると」
フランは大きな鞄を肩に担ぎ上げた。
「それじゃあ、もう行きます」
フランが鞄を持ち上げたのを見計らって、エルも自分の鞄を手に取った。
「ありがとう、女将さん」
「どうもね、女将さん」
エルとフランは宿屋を出て、町の外へと向かった。途中で振り返ってみると、女将さんがいつまでも手を振っているのが見え、エルは発作的に悲しくなった。


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