ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 今もあなたが大好きです
- 日時: 2010/05/01 16:26
- 名前: 白苺 (ID: tVUhmmv0)
高校で知り合ったイリアとイズキ。
何故か二人は惹かれあい、出会ってから半年で恋人関係。
その関係が20歳まで続き、ついに結婚。
けれど、二人が惹かれあったのには、悲しい理由があった……。
という内容です。
どうぞ、ご賞味あれ。(オイ)
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- Re: 今もあなたが大好きです ( No.1 )
- 日時: 2010/05/01 16:35
- 名前: 白苺 (ID: tVUhmmv0)
「好きです」
イズキはイリアにやっと思いを伝える事が出来た。
波打ち際で、夕日をバックになんてロマンチストって思うかもしれないけど。
イリアは夕日と海が好きだから…。それにオレも夕日と海が好きだから。
イリアに影響されてとかじゃ無くて、本当に偶然。
だから告白の際には、絶対にこのシチュエーションにすると決めていた。
「…はい。私も、あなたが大好きです」
嬉しそうにそう言うイリアは、壮絶に綺麗で…………。
イズキは、イリアがまた好きになってしまった。
- Re: 今もあなたが大好きです ( No.2 )
- 日時: 2010/05/01 16:43
- 名前: 白苺 (ID: tVUhmmv0)
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
シャラーゼ家の玄関からそんな会話が聞こえてきた。
シャラーゼ家と言えば、近所でも仲が良い夫婦と有名だ。
イズキがカバンを引っつかんで玄関を出る。今日は初出勤なのにこれでは遅刻してしまう。
ドアを閉めると、そこにはまだ朝早くなのに青白い顔をした一組の夫婦が居た。ここらでは見かけない顔である。
一応、と思いおはようございます、声をかけるけれど
「おはようございます………」
と細い声が返ってくるだけ。何だか変だと思ったけれど、これ以上ここにいては会社に本当に遅刻してしまう。
イズキは急いで車に乗り込んだ。
- Re: 今もあなたが大好きです ( No.3 )
- 日時: 2010/05/03 19:25
- 名前: 白苺 (ID: tVUhmmv0)
「リアーヌ、間違い無い。…今のは、イリアとイズキだ……」
「そうね…。信じられないわ…」
先程の青白い顔をした夫婦、リアーヌとラズア。
二人は今も尚、同じ場所に佇んでいた。
「リアーヌさん、ラズアさん…お前さん達の知っているイリアとイズキだったかい?」
これは近所のフィマクである。
フィマクには、一通り話しをした。
実はイリアとイズキの情報が入って来たのは一週間前。ここに来たのは五日前。来た日から、フィマクにはお世話になっている。
そして長い沈黙の後、リアーヌはふり絞った声で言った。
「えぇ…間違い無いわ」
「今のは…イリアとイズキだった……」
ラズアのその声を聞くと、リアーヌは泣き崩れてしまった……。
考えてみれば、すでにこの時、悲劇の歯車はガッチリと噛みあってしまっていたのだ……。
- Re: 今もあなたが大好きです ( No.4 )
- 日時: 2010/05/03 19:27
- 名前: 白苺 (ID: tVUhmmv0)
「でも、あの子達近所でも仲が良い夫婦だと有名なんだそうじゃありませんか…」
「それは分かっているが…まさかあの子達をこのままにする訳にもいかない…」
「えぇ、そうね…。何て言ったって、あの子達は なんですから…」
フィマクに借りた一室で、悩みに悩む老夫婦。電気も付けず何を相談しているのか。
それは誰にも分からなかった……。
肝心な言葉は薄闇に紛れてしまい…。
けれどそんな中、リアーヌは言った。
「仕方ありませんね。裁判へ持ち込みましょう…。最早私達の解決出来る問題ではありません」
と…。
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