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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- かわりの平和
- 日時: 2010/05/07 22:55
- 名前: きゅう (ID: 84ALaHox)
十五歳は義務教育を終える年齢だ。そして卒業すると同時に、ほとんどの者は旅に出る。それがこの世界の暗黙のルールだった。
ただし、旅に出られない落ちこぼれは「バグ」と呼ばれ、肩身の狭い中、留年して卒業しなければならない。
都市部の戦火など遠く及ばない田舎町フォレストに住むエリナも、そのひとりだった。
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- 一章 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/07 23:16
- 名前: きゅう (ID: 84ALaHox)
エリナの持った水筒はとっくに空になっていた。水は一滴もでてこない。前のほうで心配そうにエリナを見ていたロッテの水筒を奪ってみたが、やはり水の出る気配はなかった。ロッテが小さな声で「エリナが飲んじゃったじゃないか」とつぶやいているのに、反論すらできない。
「あづいよー……あとどれくらーい」
すっかり脱力した様子でエリナがたずねた。脇にいた豚のミンチもすっかりつかれきった様子でブヒと鳴く。
ロッテはミンチを抱き上げると、エリナに極力明るい声で言った。
「あと十歩も進めば、見えてくるよ」
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