ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 学校の物語
- 日時: 2010/05/11 18:15
- 名前: チーフ (ID: T0RV2cqY)
どうも〜 初めての方ははじめまして
久しぶりの方は久しぶりです
今までK・R小説を書いていたのですが、話に詰まったので思い切って新しいのに挑戦してみます
では、拙い文ですが読んで、コメントをしてもらえれば幸いです
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- Re: 学校の物語 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/11 18:37
- 名前: チーフ (ID: T0RV2cqY)
零章 第一話「語部(かたりべ)様」
「語部様?何それ?」
私は手に持った箒を休め質問する。
「語部様は語部様よ。本当に聞いた事無いの?」
「全く全然。」
「ハアー、アンタ遅れてるわよ。」
「ウルサイ。で、その語部様が何なのよ?」
「だから、私達で語部様に会いに行こうって言ってるのよ。」
「どこにいるのよ?その語部様は。」
「旧校舎の屋上。」
「はぁ?旧校舎の屋上?嘘でしょ。私見た事無いわよ。」
「でも、実際に見た人がいるんだって聞いたよ。」
「誰から?」
「友達から。」
「その友達は誰から聞いたの?」
「友達の友達から。」
私は心の中でため息をついた。
どう考えたってそんなの嘘に決まってんじゃん。
けど、この子も意見を曲げない。
だから、仕方なく私は折れてその語部様とやらに放課後一緒に会いに行く事にした。
てか、私まだ語部様が何なのか聞いてないんですけど。
- Re: 学校の物語 ( No.2 )
- 日時: 2010/05/11 19:00
- 名前: チーフ (ID: T0RV2cqY)
第二話 「語部様に会う為には」
私と友達は今、旧校舎の屋上に出る扉の目の前に立っている。
この扉を超えれば本当に語部様に会えるのだろうか?
「じゃ、じゃぁ、行くよ。」
「何で誘ったアンタが私よりびびってんのよ。」
「う、うるさい。」
友達が、震える手で屋上への扉に触れると、
ピリリリリ
「キャッ!ご、ご、ごめんなさい!すぐに帰ります!」
「落ち着いて。これアンタの携帯の音よ。」
「え?……本当だ。メールが来たんだ。」
「ハァー。それで、何て書いてあんの?」
「えぇと、『すぐに帰って来て下さい。 母より』だって。」
本当に何なんだろうこの子は。
「ハハハ、……どうしようね?」
「帰るに決まってるでしょ。」
「えぇ!じゃぁ、語部様どうすんの?」
「別に今日じゃなくてもいいんじゃない?」
「あ、そっか。じゃぁ、また明日にしよう!」
「はいはい。」
私は呆れながら来た道を戻ろうとすると、ある事を思いつく。
「ん?どうしたの?」
先に歩き出した友達が、私が動かない事に気付き尋ねる。
「……ねぇ?屋上に行っただけで語部様に会えるの?」
「え?えぇと、確か屋上の真ん中で目を瞑って『語部様。私に物語を語って下さい。』って言うと会えるって聞いたよ。」
「そう。……アンタ先に帰っててよ。」
「え?何で?」
「私……今から語部様に会ってみるから。」
- Re: 学校の物語 ( No.3 )
- 日時: 2010/05/12 17:51
- 名前: チーフ (ID: klLmhm9D)
第三話 「登場」
「え?!何で一人で会うの?」
「また明日ここまでくるの面倒だからよ。だから今から私が確認して、アンタはその結果だけ分かれば満足でしょ?」
いないに決まってるけど。
「う〜〜ん、まぁ、それも……そうだけど……」
「な・ら!とっとと帰る。お母さんに叱られるよ。」
「じゃ、じゃあ、明日絶対に教えてよ!」
「はいはい。」
そして、私は友達を帰らせて、一人になる。
「語部様か……」
私は呟きながら、扉を開け屋上に出る。
空はオレンジ色と深い青色が混ざっている。
当然、語部様何ていない。
「『真ん中に立つ』って真ん中ってどこよ?」
私は一人で呟きながら、適当に真ん中を決めて立つ。
そして、ゆっくり目を閉じて、
「語部様。……私に物語を語って下さい。」
ゆっくり言った。
だが私はまだ目を開けない。
十秒…二十秒…三十秒……一分。
私は心で数え、今度はゆっくり目を開けた。
そして、目の前には、
「……」
誰もいない。
注意深く周りを見てもやっぱり誰もいない。
「…ほら。…やっぱり語部様何て嘘に決まってたでしょ。」
私は、当然の結果に安心と少しの失望を感じながら、家に帰ろうとすると、
「俺は嘘の存在なんかでは無い。」
突然、後ろから声がかかる。
私は驚いて振り返る。
すると、さっきまではいなかったはずの生徒が私と扉の間に、私を見ながら立っている。
そして、その生徒は長く真っ黒な髪を風に揺らしながら言う。
「俺を呼んだのはお前か?」
- Re: 学校の物語 ( No.4 )
- 日時: 2010/05/14 18:59
- 名前: チーフ (ID: TqOsU1rC)
第四話 「語部様って何?」
「え?誰?さっきまでいなかったよね?」
私は突然の登場に動揺が隠せない。
だって障害物の無い屋上で突如現れるなんてありえないでしょ。
「誰も何もお前が俺を呼んだんだろ。」
「え?じゃあ、あんた……貴方が語部様?」
「あぁ。俺が語部だ。」
少年は堂々と頷く。
「な、なら、一つ聞きたい事があるんですけど…」
「何だ?」
私はここでずっと抱いている疑問を尋ねる事にした。
「語部様って何ですか?」
「……お前。」
「はい?」
「……知らずに呼んだのか?」
「……はい。」
「はぁ〜。最近の生徒は好奇心だけで動くからいけない。」
少年はため息をつき、呟いている。
と思ったら、
「おい、お前。」
「は、はい?!」
いきなり、私に話しかける。
「明日の放課後、またここに来い。ただし、条件が二つある。」
「じょ、条件?」
「あぁ。まず一つ。一人で来る事。そして二つ目。明日の新聞も一緒に持って来ること。そしたら、俺が何なのかを教えてやる。」
「新聞ですか?」
「あぁ。それも明日のだぞ。覚えたか?」
「……まぁ、はい。」
「なら、今日は帰れ。」
「え?」
「もう一度言う。今日は帰れ。」
少年が有無を言わせない声で言うので、私は従うしかなかった。
「…じゃぁ、…さようなら。」
「あぁ。」
私は屋上から校舎に戻った。
今更だけど、本当にアイツ語部様なのかな?
私は疑問で頭が潰れそうだ。
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