ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 物事の効率的な進め方
- 日時: 2010/05/13 22:04
- 名前: ここあぱうだー ◆varcH0kYbw (ID: nWEjYf1F)
物事の効率的な進め方@ここあぱうだー
記念すべき、ここあぱうだーの第一作目!
お時間あれば読んでいただけると嬉しいです。
>>1 プロローグの序章
>>2 登場人物
>>3 プロローグ「連絡網」
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- Re: 物事の効率的な進め方 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/11 21:56
- 名前: ここあぱうだー ◆varcH0kYbw (ID: nWEjYf1F)
<プロローグの序章>
「今から少し難しい話するけど、笑顔で聞いてね。じゃないとテンション下がるだろ? 俺も笑顔で話すから、君も……ね?」
少年は、目の前にいる中年の男に、優しく話しかけた。
「世の中の全ての物は、大抵二つに分類される。いる物と、いらない物にね。いやさ、この前まで俺は自分の事「いらない物」に分類されるって考えてたんだよ。だって、そうだろ? こんな大きな宇宙にある小さな地球の、こーんな小さな日本に住んでいるんだ。俺の親とかから見たら「いる物」かもしれないけど、客観的に見たらそんな事はない、ってね」
少し間を置いて、少年は続ける。
「でもさ、やっぱり俺って「いる物」に分類されるんだな、って、今確信したよ。だって、今俺がこの世にいなかったら」
「君の足が使い物にならなくなるなんて無かったんだから」
少年は、本当に最初から最後まで、ほんの少しも笑顔を絶やさなかった。
「バイバイ。今日初めて会ったから、名前も知らないけど。元気でね。あとさ。悪いんだけど、もし君が死んでも、俺はお葬式に出てあげられない。俺が葬式なんかに出たら、一発で警察飛んでくるもんなー。……ま、そういうわけだから! とりあえず、救急車だけは呼んでおいてあげてるから。じゃあねー」
そして少年は、何事も無かった様に、夜の街に姿を消した。
「お、俺の……足、足がぁーっ!」
そしてその後、中年の男は救急車で病院に搬送され、意識不明の重体になる事になる。
- Re: 物事の効率的な進め方 ( No.2 )
- 日時: 2010/05/13 20:57
- 名前: ここあぱうだー ◆varcH0kYbw (ID: nWEjYf1F)
西米良這 HauNishimera
「在りえない? そんな訳あるかよ。自分の胸によぉ〜く聞いてみ? 真実を知っているのは、君と俺と、アイツだけなんだから」
普賢岳呱々 FugendakeKoko
「人間ってのはさ……難しい物なのよ。私達が理解する事なんて到底不可能。ま、アイツなら出来るかもしれないけどね」
九重遷都 SentoKuzyu
「俺のせいじゃない! 俺のせいじゃ、俺のせいじゃ……!」
馬宮連子RenziMamiya
「まぁ、君がそう思ってるなら俺は良いけどね。 寧ろ好都合だし。とりあえず、疲れただろうしお茶でもどう?」
- Re: 物事の効率的な進め方 ( No.3 )
- 日時: 2010/05/13 21:37
- 名前: ここあぱうだー ◆varcH0kYbw (ID: nWEjYf1F)
<プロローグ「連絡網」>
五月十四日 早朝五時。
『もしもし這(はう)ちゃん? こんな朝早くに御免ね、連絡網が回って来ちゃってさ』
「別にいいよ、どうせ今起きたし……。でも、どうしたの? 緊急の用事?」
『あ、そうそう。えっと、今日の学校はお休みだって!』
「え、本当? やったー! え、でもどうして急に?」
『ほら、今話題になってるじゃん、包丁を持った男。あれの被害者が、ウチの学校の生徒に五人でたらしくて』
「五人って!? あ、だから家の外に出るなって事か……」
『せっかく休み貰っても、外に出ちゃいけないなんてねぇ』
「だよねぇ」
『……あ、ゴメン這ちゃん! お母さんが長電話止めろっていうから切るね! じゃあ、また月曜日ね!』
「バイバイ!」
這は、そこで受話器を置いた。
「這ー? どうしたの? こんな朝早くから電話だなんて。誰?」
這の母親、遺(ゆい)は、台所でリンゴの皮を剥きながら言った。
「呱々(ここ)だよ。学校の連絡網。今日の学校は休みだって。包丁男がウチの生徒を五人斬ったから」
「まぁ! 物騒ねぇ。学校に行く時は、防犯ブザー持って行かなくっちゃね」
「……防犯ブザーじゃあまり意味が無いと思うけどな」
冷たい突っ込みをする這。だが、天然な母は気づかない。
「うふふ、すっかり這も大人になっちゃって」
「……もういいや」
這は、諦めた様にソファに寝転がり、本を読み始めた。
結果的に言うと、この日、這が家の外に出る事は無かった。
が、しかし。這以外の生徒が、家の外に出ている事など、這は知るよしも無かった。
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