ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 熱血教師と死神様。
- 日時: 2010/05/17 14:51
- 名前: 海鼠 (ID: HiDlQ61b)
こんにちは、海鼠デス(´`*)
この小説と全く同じようなものがあったんですが
なぜか消えてしまったので書き直しです。
いつか湧いて出てくるのを願いながら、
小説書いていくんで宜しくお願いします。
※ネタばれ防止のため、前の作品とは少し違います。
††登場人物††
**北条 紫堂(14)♀**
死神の血を持つ中学二年生。
ある事件がきっかけで心を閉ざしてしまった。
**高橋 秀彦(25)♂**
新米教師。
何事にも本気でやり遂げる熱血教師。
**福田 春(14)♂**
大阪弁丸出しで紫堂が好きな中学二年生。
雷神の血を持つ。陽気で綺麗好き。
**後藤 純(14)♂**
春の親友。一見クールだが抜けたところもある。
風神の血を持つ、中学二年生。
**五十嵐・F・輝馬(15)♂**
女の子に見えるが本性は鬼のように怖い執事。
**etc...**
——読者様——————…
—————(以上 名)—…
コメントくれるとありがたいですw
Page:1 2
- Re: 熱血教師と死神様。 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/17 15:03
- 名前: 海鼠 (ID: HiDlQ61b)
Prologue
—『その日』の事を、私は一生忘れない。
『その日』、私は彼女にサヨナラした。
彼女との距離が遠のくたびに身体が軽くなる。
暗闇の中は暗くて冷たい。
でも先生の手の中はあったかくて。
父さんみたいだ、って思った。
あったかくて懐かしくて、大切な存在。
だからこそどこかに消えそうで、怖い。
いなくなるのは、怖い。
死んでしまうのは…。
なんだか胸の奥が痛い。
ぎゅうっと何かに押されているようで。
そのせいで、眼から涙があふれ出る。
ぼやけて前が見えにくくなったから、
先生の手を強く握る。
…私たちはどうして消えてしまうのだろう。
きっとこの謎が解けるまで、
この『痛み』は消えることはない。
だからこの『痛み』は
決して癒える事はないんだろう。
でももう怖くない。
この痛みは私と皆を繋ぐ鎖のようなもの。
そう教えてくれたのは、—…
琶砂神中学校3年担任高橋秀彦。
- Re: 熱血教師と死神様。 ( No.2 )
- 日時: 2010/05/17 15:20
- 名前: 海鼠 (ID: HiDlQ61b)
第壱話 サヨナラ
ド田舎の真ん中にある坂出駅、午前6時ちょっと。
俺『高橋秀彦』は、煙草を咥えながら電車を待つ。
思い出してみる。坂出中学校での出来事。
初めての授業で緊張してた、あの日。
生徒とサッカーをした、あの日。
あと…一番心に詰まっている、あの日。
『事件』ともいえる、あの日。
…身体が急に重くなる。
ぎゅうっと、胸が押しつぶされそうになる。
——誰かが俺を呼ぶ。「先生」、確かに聞こえた。
振り返っても、教え子らしき人はいない。
一体なんだったのだろう…、疲れのせい?
「どうしたの?」
やたら静かなこの駅に、彼女の声が響く。
「なんでもない」、俺はそっけなく答えると
彼女の眉がヒクっと動く。
「なにそれぇ。美由紀に隠し事しないでよ、ね?」
怒っているようで、笑顔で言う美由紀。
もうすぐ美由紀とも「サヨナラ」だ。
「なぁ、美由紀。ホントに一人で平気か?」
「当たり前よ。馬鹿にしないでよね!」
俺は別の学校に移動する。
そこはここから電車で半日ぐらいかかる所にある。
そんな所に毎日出勤するわけにはいかないから、
異動先の学校の寮に泊まる事にした。
だから、美由紀としばらく「サヨナラ」。
「…来た。」
やっと電車がやってきた。
電車のドアが開くと、彼女の顔が暗くなる。
「じゃあ、…いってくるな。」
「…応援してるからね!
お土産っ、よろしくっ!」
美由紀が俺の背中を押す。少し痛い。
本当はちょっと怒っているんだろうな。
発車を知らせるベルが鳴る。
二人を遮るように、ドアが閉まる。
美由紀は小さく手を振った。
だから俺も降り返す。「サヨナラ」と呟いて。
…電車は動き出した。
○
午前6時半。
私は竹林の中を走る。
足はそんなに早くないし、体育は好きじゃないけど
走る事は大好きだ。気持ちがスカッとする。
靴ひもがほどけているのに気付いて、足を止めた。
それでも気にせず私は、空を見上げた。
竹と竹の間から差し込む太陽の光は幻想的。
そんな風景が見られる、私だけの空間。…
小さい時の事を思い出す。
誰もいない、ここみたいな竹林の中で
2人の兄ちゃんと父さんと、よく遊んでた。
…1度だけ迷子になって、誰か助けてくれたっけ。
手を繋いで、家まで送ってくれたよね、父さん。
空に向かって呟いた。天国にいる父さんに
聞こえるかなって、そんな期待を持って。
光を浴びていると、誰かが私の空間に足を入れる。
「どこにいる、『アヤメ』。
でてこい。お前はどうせ逃げきれないのだから。」
空を優雅にわたる雲が、太陽を遮る。
私は耳をふさいで、夢中で駆けだした。
『奴ら』からの解放を求めて。…自由を求めて。
何度か靴ひものせいでこけそうになったけど、
なんとか学校の校門が見える場所まで出来た。
さっきの声も聞こえない。
後はこの竹林を抜けるだけ。
絶好のチャンス、ざまあみろ。
何者か分からない声の主に向かって笑ってやった。
足取り軽やかに校門へ駆ける。
…−そう油断していた時だった。
「……北条?」
私の目の前にいたのは
「サヨナラ」したはずの、アイツだった。
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