ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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猫の手…お貸ししましょうか?
日時: 2010/05/17 15:49
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

クリックありがとうございます!!

かなりの飽き性の邪狼と申します。
とにかく飽きるのが早くて挫折をするのも早いです。
こんなバカ野郎ですが暖かい眼で見てくれるとありがたいですw
アドバイスや感想をくれると泣いて喜びますw

一言 僕は亀ですw更新が遅い&月とスッポンの亀です。
月は他の作者様。亀は僕…と言う感じですw

僕この頃英語というものにはまっております。
たまに英語を入れるかもしれませんので温かい眼で見守ってくださいw

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Re: 猫の手…お貸ししましょうか? ( No.1 )
日時: 2010/05/17 15:58
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

$ プロローグ $


いまの世の中腐ってるんだって。
へっ?って感じがするのは当たり前。
だって表では平和を装ってるんだから。
でも掘り返してみるとじゃんじゃん出てくる。
テレビのニュースに出てない事件なんかがたくさん出てくる。

そんな事件にお困りのそこのあなた。
困りすぎて猫の手も借りたいんじゃない?
それだったらこのお店に来なよ__

             『cat hand』にね__

Re: 猫の手…お貸ししましょうか? ( No.2 )
日時: 2010/05/17 17:05
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

   第一仕事 夜道の変な人にはご注意



第一話   お店…寄ってかない?



「……はぁ」

大きくため息をつく青年。
空はオレンジ色に染まり、子供達が家路に着くために隣を走って行く。
その中にいた一人の少女が青年へと駆け寄った。

「お兄さん、悩み事?」
「……?」

いきなり話しかけられ今まで下を向いていた青年が顔を上げる。
目の前にいるのは少女。
年は10歳くらいだろうか、猫耳の付いたフードをかぶっている。
肩には猫の形をしたショルダーバックをかけている。

「……まぁ、いろいろあってね」
「ふーん」

笑ってごまかそうとする。
が、少女は一向に帰る気を見せずに青年の目の前で嬉しそうな顔をするだけ。
しばらく睨めっこのようなものが続いたが少女がバックから一枚の紙を取り出した。

「お兄さんお困りだよね?」
「えっ? ……ま、まぁ」
「んじゃ、このお店がお勧めだよ」

にこっと笑いながら紙の中身を見せる。
中に書いてあるのは黒色の猫。
その上に『cat hand』と大きく書いてある。

「cat hand?」
「そっ、cat hand。
 いわゆる何でも屋みたいなお店。
 お兄さんが行きたいって言うならあたしが送ってってあげる」

にこっと笑いどうする?と青年に話しかける。
青年は少し悩んだ後、

「まぁ……俺じゃたぶん無理だしなぁ」

と呟き、少女にお願いと返事をする。
その言葉に少女の気持ちが一気に高ぶる。

「それじゃっ、行こっか! こっちだよ!!」
「えっ……待ってよ」

ダッと走り出す少女。
少し驚いたがすぐに少女の後を追いかける青年。
走り出した少女が誰にも聞こえない声でぼそっと呟いた。

「また一人闇に堕ちるね……。
  まぁ……当然の裁きだけど」



Re: 猫の手…お貸ししましょうか? ( No.3 )
日時: 2010/05/18 20:53
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

第二話  店主…置物ですけど。



「んでここだよ」

ババーンと効果音が聞こえてきそうなくらい楽しそうな声で少女が言う。
少女に連れられてきたのは路地の入り組んだ道の奥の奥。
家に帰れるかわかんないぐらい道を通ってきた。

「ここの店主宣伝されるのが嫌いでね。
 あたしがいいなって思った人しか入らせてくんないの」

歩いてくる途中で少女が言った。
たぶんここの子供か何かだろうと思った。

「どうぞどうぞ。中で店長待ってるから」

ぐいぐいと少女が背中を押してくる。
少女に押されまだ真新しい緑色のドアを開ける。

 チリーン……

ドアを開けたら鈴の音が聞こえた。
上を見るとドアの左上に銀色の鈴が付いている。

『ようこそおいでなさりました』

どこからか声が聞こえた。

「……あれ?」

聞こえたけど姿が見えない。
確かに聞こえたはずなのに。

「ちょっとお兄さん。どこ見てんの?」

くすくす笑いながら少女が聞いてくる。
奥のほうを指差しながらバカだなぁと嬉しそうに言う。
青年が後ろを向く。

「……? 置物?」

そこにあったのは黒猫の置物。
瞳は澄んでいて夕日の光を浴びてキラキラと光っている。

「そっ、それが店長」

少女がどこから持ち出したのか飴を片手にうんうん頷きながら言う。
だけど信じられない。
置物が店長?そんな事ありえるのだろうか。

『それでは不満でしょうか?』

またどこからか声がした。
少女の方を向いていた青年がばっと振り返る。
置物と目があった。
何度か標本の動物とかと目があったことはあったがこれは違う。
本当に生きてるみたい。

『……生きてませんよ? 置物ですから』
「店長読心術使えるんだよ」

……二人とも読心術使えてる。
青年がぼそっと頭の中で呟く。

『さて……紹介が遅れました。
 私、ここの店長。名は……クロとおよびください』
「あたしは美音子。気軽にネコちゃんと呼んでよ」

美音子があははと笑う。
店長の置き物はピクリとも動かない。(そりゃ置物だもの)

『さて本題に入りますが……』

店長の目がきらりと光る。

『あなたのお悩み……猫の手お貸ししましょう』

Re: 猫の手…お貸ししましょうか? ( No.4 )
日時: 2010/05/19 22:58
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

第三話  あー……世の中物騒だ。




「……この頃結構増えてきてるらしいんですよ」

青年が喋りだす。
青年が話しているのは悩みというか頼まれたこと。
この頃不審者が良く出没しているらしい。
しかも悪質な。怪我人も出てるという。

「警察も動いてるんですけど頼りがないとかで……」
「んで押し付けられたと。……意外に弱いんだねお兄さん」
『……失礼ですよ』

美音子があはっと笑うのを店主が冷たく言い放つ。
青年がぼそっという。

「快楽殺人って言うのかな。そういうのになりそな感じ。
 だんだん過激になってってるから」

殺人という言葉に美音子がピクリと反応する。
そして飴を舐めるのを止め、何かを真剣に考え始めた。
そんな美音子は気にせず店主が話す。

『なるほど。
 では、これから先は私達に任せてください』
「……ちゃんと裁き受けるように検討しとく」

考え事をしていた美音子が店主の次に喋る。
最初のようなにこやかな表情ではない。
なんといえばいいのだろう……獲物を見つけた獣のような鋭い目をしている。
化けの皮が剥がれたような……。

「……じゃぁ、俺帰ります。
 えと……今度また来るんで。よろしくお願いします」

青年が座っていた椅子から立ち上がり置物に向かって軽く礼をする。
美音子がじゃねーと手を振りながら見送る。

(「裁き」なんて難しい言葉使うな……。
 この頃の子供はそんなもんなのだろうか……)

青年はそんなことを考えながら夕日が沈み、真っ暗になった道を歩いていった。

Re: 猫の手…お貸ししましょうか? ( No.5 )
日時: 2010/05/22 12:16
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: .DwXlVdY)

第四話  駄目だね。




暗い夜。お化けが出るといわれる時間帯。
一人の男が息を切らして走っていた。
今日は月が出ていなく男の顔がはっきりと見えない。

「…………」

男がたどり着いたのは誰も通らないトンネル。
通るのといえば心霊スポットか何かでふざけ半分で来る若者など。

「……フッ」

男が少し笑う。自分の両手を眺めながら。
トンネルの光は弱くあまり見えないが男の手は赤色で染まっていた。

……ゴトッ……ゴトッ……。

「!?」

いきなり聞こえた音に男が後ろを振り返る。

「店長……その音何とかならないの?」
『なりません』

そこにいたのは一人の少女。
他には誰もいないのに一人で喋っている。
とっさに男は自分の手を後ろに隠す。

「…………」
「あっ……こんばんわ」

少女がこちらに気づき近づいてきた。
男の心臓がブルブルと震える。

いっそのことこいつも殺してしまおうか。

男がふとそう思う。

「……所詮そんなもんか」
『あなたがそういうこといえないと思います』

男が思ったことを察したように少女がため息をつく。
そしてどこからか聞こえてきた声に反応して足元のほうをチラッと見る。
男もそれに釣られて少女の足元に視線を送る。

いた。……置物が。
少女は置物と話していたのかと男の頭が混乱する。

『あっ……気づいたみたいですね』
「そーみたいだね」

吐き捨てるように機嫌の悪い少女。
置物がくるりとこちらを向く。

『どうも。 私店長です』
「あたしは店員ね」

保留


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