ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 人類滅亡への道筋1942-2xxx
- 日時: 2010/05/17 20:31
- 名前: Archr (ID: lcvAscrA)
零章
1945年7月30日 アメリカ西海岸
その日は豪雨が降り空には厚い雲が広がっていた
その中を一機の飛行機が飛んでいたことなど、戦争は遠い場所での事だと思っている米本土の人々が気付くはずもなくその一機は次第に本土の中心部へととびさっていった。
晴嵐に搭乗していた三島技術大尉にはこの小さな50キロ爆弾ひとつの中身が60年過ぎた後に世界を滅ぼすなど想像もつかなかった。
彼は国の為に尽くせることができる上に、米本土空襲などという大任を担えたのだからそれ以外に頭を働かせる余裕はなかった…
真珠湾の奇襲を成功させたところから始まった大東亜戦争の戦局は、ミッドウェーで赤城、加賀、飛竜、蒼竜を失った辺りからアメリカに巻き返されている。
最早、制海権や制空権など無いに等しい大日本帝国海軍は、伊号潜水艦を単艦特務扱いで燃油や食料を満載し7月7日に秘密裏に出航させたのだった。
普段の乗員と更に航空機の為だけに整備士が4人と軍医と思わしき者が三人乗艦していた。
今回の任務に伴い艦の改修が行われ、士官室が無くなり様々な装置が搬入されたが乗員にも一部を除いて知るものはいない。
彼等7人は、乗員と接することもなく作戦決行までは謎の装置を使って実験を繰り返していた…
そして決行日となった、敵の目を防ぐのにこれ程の天候はない。
潜望鏡で周囲を確認して浮上した伊号潜水艦は、甲板上で晴嵐の最終整備に取り組んでいた。
02:00
新型爆弾を装備した晴嵐は荒れ狂う豪雨の中を飛び去った。
燃料の続く限り三島技術大尉は東に飛び続けた。
そしてれた荒れ地の上に爆弾を投下した、が…爆発しない。
不発だったのだ。
仕方なく作戦失敗時の手順を実行した
自らの痕跡を消すために着陸して爆弾を埋め、晴嵐を分解して隠して潜伏。
途中で全て無げだし死にたくもなったが全て指示通りに動いた
間もなく帝国は敗戦した。
この爆弾は大尉以外の誰にも存在がわからぬものとなった。
しかし全てはここから始まったのだった…
Page:1
- Re: 人類滅亡への道筋1942-2xxx ( No.1 )
- 日時: 2010/05/17 20:34
- 名前: Archr (ID: lcvAscrA)
2005年07月30日
あの日から60年が過ぎようとしていた…
帝国は戦争に敗れ、日本として生まれ変わり、国際平和がどうたら言っているが、未だに世界でも五本の指に入るほどの軍事力を保持している。
あの後アメリカの核兵器により幕を閉じた大東亜戦争は、両国に大きな犠牲をもたらした。
その後もアメリカは経済の悪化とともに戦争を起こしている。
皮肉な事に核兵器の被害を被ったのは日本だけなのだ。
戦後は世界的に核兵器廃絶を目指した運動が展開され他国に核兵器が降ったという情報は聞いたことなどなかった…
自分は、この地で密かに死を待つくらいしかすることはない
しかし自分には夢があった。
当時25才の時からずっと抱き続けたたった一つの夢を…
そう祖国の復興だ…
人生も残りわずかなのだから最後に帝国の為に散ろう、という気持ちしか残っていない。
あの爆弾にどのような性能があるのかわからないが、当時の帝国の優秀な科学者が作ったのだから核兵器にも引けをとらないはずである。
やるしかない…
もうやり残したことなどないのだから…
作戦決行日は明日31日だ…
遂にこの地に戻ってきた。
あの時、晴嵐の鋲を道に打ち込んでいたため位置の特定は難しいことではなかった。
さぁ60年ぶりの再開だ
年老いた体に喝を入れ土を掘り起こす。
やがて鈍い光沢を持つ黒色の物体が出てきた。
周りの土を丁寧に掘り起こして、中身をひきあげた。
もってきたニューナンブを構える。
しばし自分の人生に別れを告げ、静かにトリガーを引いた
爆弾に穴があいた…
天皇陛下万歳
そう叫び一瞬後の死をまった。
何秒たっただろうか…
爆発しない。
出るのは白い煙だけだ…
やはり俺のする事…な、何だ急に意識が薄れていく。
な、なぜだこんなはずでは・・・
こんな死に方は嫌だ…
誰か助けてくれ…
助けてく…
死…た……い
助……
暖………が…しい
……かい肉…
肉…の肉が食………人…肉…………
やがて三島は意識を失った…
その後、二度と三島が人として動くことはなかった。
この異変に気づいたものはまだいなかった・・・
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。