ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Cross wing...
日時: 2010/06/05 17:05
名前: スペード ◆yjvIWhDK7Q (ID: YAjKlDB6)

どうも、クリックありがとうございます^^


*

改めまして、こんばんはw
お久しぶりな方も、初めましての方もいらっしゃいますねw
スペードと申します。

受験生というのもあり、あまり来れなかったのですが
時間ができたのでやってまいりました。
前のスレは流されてorz…おりますが、改めて小説の方書かせていただきます。
未熟者ですが、どうぞよろしくお願い致します。


≪注意≫

・更新不定期。テスト前はおそらく更新できません…orz
・以前の内容とかなり異なります。キャラも無論変わります
・誤字脱字多し(黙
 もし見つけた場合は駄目スレ主(私)に言ってやってください((←
・長文ダラ02続く…かと思われましたが書き方変えます((テメ

以上です、本当スイマセン;


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Re: Cross wing  立て直し ( No.1 )
日時: 2010/06/02 21:34
名前: スペード ◆yjvIWhDK7Q (ID: YAjKlDB6)

*辞書* 



悪魔【アクマ】“永遠の闇”という別世界から生まれた異形。
      人の住む世界に直接的に干渉できず、モンスターや   
      人と契約、利用し、人の住む世界に干渉する。
      モンスターまた人の魂を狩り、それを己の力とする。

悪魔の力【アクマノチカラ】悪魔が持っている力。力の源となるものは魂とされている。

魂【タマシイ】人やモンスターの魂。

モンスター【−】人の住む世界で生きている、人以外の生き物。
          世界のどこかには未知のモンスターもいるらしい。

永遠の闇【永遠の闇】悪魔が生まれる世界であり、魂が帰る場所でもある。
          “フォルサノス”が創造した一つの世界。
          ここの堕ちた人は闇に侵され、
          悪魔になるといわれている(咎堕ち)。

咎堕ち【トガオチ】永遠の闇に侵され、容姿以外悪魔になった人。
        自我はなく、まさに狂った獣のようになってしまう。
        悪魔の力を宿しているとされる。

契約【ケイヤク】悪魔が人の住む世界に干渉する際に使う人、またモンスター
      の体を奪うこと。精神が弱っていたり、体力が低下した体に
      悪魔が一方的に契約を結んでしまう。

契約者【ケイヤクシャ】悪魔に契約された人。体も意思もすべて悪魔に奪われ、
        自我のない悪魔の操り人形となり果てる。
        解放されることは‘ほぼ’ないとされている。
        契約者等が悪魔から解放されたケースがいくつか報告されている。

咎人【トガビト】自らの意思で悪魔と契約を交わした者。体を悪魔に提供するのと
       引き換えに、自らの意思で悪魔の力を使えるようになるといわれている。
       “咎の契約者”や“違法契約者”とも言われている。
        
魔物【マモノ】悪魔に契約されたモンスター。

魔症化【マショウカ】契約者や咎人に見られる症状。悪魔が魂を狩る際に、
        契約者等の皮膚を硬化させたり、体の部位を鋭利な刃物に
        変化させたり、身体能力の異常な向上などがある。
        これは魔物にも見られる症状。

悪魔化【アクマカ】モンスター本来の姿がないほどに魔症化すること。
        モンスターのみに見られる症状で、名の通り悪魔のような姿になり果てる。
        こうなれば、モンスターを完全に殺さなければならない。解放は絶対不可能。   

政府【セイフ】悪魔殲滅を目的とする組織をまとめる、国の最高機関。悪魔の殲滅に力をいれている。
      国民や市民に、かなり支持されているが、同時に黒い噂もたえない。
      兵器という兵器は、政府が管理している。

白銀の騎士団【ハクギンノキシダン】ナイトを中心とした悪魔の破壊及び殲滅のために政府直属に組織された存在。

魔導師【マドウシ】魔法を使う人。強い魔導師の中には、政府下の悪魔の破壊および殲滅のため
        結成されている組織に入職するように政府から呼ばれる者もいる。

魔法【マホウ】己の魔力を大幅に使い、自分の持っている未知の力を引き出して使う力。
      魔導師のみが使う。ある者は炎や水を操り、ある者はモンスターを召喚し、
      ある者は瞬間移動したりもするらしい。
          
魔力【マリョク】その人物の精神と体力。

剣士【ケンシ】剣系統の武器を使う者。政府に所属している場合が多い。
      剣術(剣を扱う技術)が最上級の者はナイトにもなれる。

ナイト【−】政府直属の護衛。剣術が最上級の剣士が、政府に認められる事により任命される。
       今では数えるほどしかおらず、かなりの少人数らしい…。

銃撃手【ジュウゲキシュ】銃系統の武器を扱う者。

錬金術師【レンキンジュツシ】錬金術を使う者。

錬金術【レンキンジュツ】物質を瞬間的に混ぜたり、分解したり、新しいものにつくりかえたりする技。
          魔法に類似していて、錬金する際に魔力を必要とする。

情報屋【ジョウホウヤ】情報を集めて売る者。裏社会に身を隠すものが多い。

殺し屋【コロシヤ】人を殺す事を仕事としている者。




*

今はこれくらいだと思います、後に増えます(!?)

Re: Cross wing... ( No.2 )
日時: 2010/06/05 17:09
名前: スペード ◆yjvIWhDK7Q (ID: YAjKlDB6)

序章




その夜は、雲ひとつないというのに、星が全く見えなかった。


星だけではなく、月も。空を覆うものは闇だけ。

そんな漆黒に包まれた空の下、一人の青年が走っていた。

その青年の髪は空と同様、黒。

瞳は、紅という禍々しい色をしていた。


「————いたぞ、奴だ!」

その時、不意に青年の耳に入った大勢の人間の声と足音。

それを聞いた瞬間、青年は苦しそうに表情を歪ませた。

———もう追手が来たのか…!

青年は足を止め、声の聞こえた方位を確かめる。

前…、と後ろ、それに左右もか…。

完全に囲まれていることを把握すると、

青年は腰に下げてあった剣を抜いた。

しかし、その剣には刃は無かった。

「悪いけど…捕まるわけにはいかないんだ」

青年は刃の無い剣を構えそう呟くと、迷いなく前へと走る。

もちろん、その行為は前方の追手に自ら近づく事を示している。

しかし、青年は決して捕まろうと前進したわけではない。

無論突破するためなのだが、一人と、数十人の追手とでは、

圧倒的に青年が不利になる。

「“咎堕ち”…、やっと観念したか!?」

「お前は我々の手によって、ここで捕まるべきなんだよ!」

追手は、刃の無い剣と、青年のあまりにも無謀すぎる行動に余裕を見せていた。

そして皆、勝利を確信して剣を構え青年に向ける。


——しかし、青年が前方に向かって剣を左から右へ薙ぎ払った瞬間、

何かが前方の追手を、何かが弾き飛ばすようにして切り裂いた。


「…!?」

しかし、‘刃’で斬られた感覚はしなかった。

大きな力の塊…みたいなものが、追手を切り裂いた…?

…とにかくその日の夜は暗く、

何がどう彼等を切り裂いたのかは詳しく分からなかった。


が、彼等はそれで確信する。

「やはり“力”を宿していたか…、あの方に報告を」

「“永遠の闇”に堕ちた者、なにゆえ我等から逃げる?

 ———お前は元々こちら側の人間だろう?」

それをくらった者も、見ていた者も、口々にそう青年に言う。

だが、青年はその問いに答えなかった。

そして突破口を開いた青年は最後に、

振り返って、胸の前で両手を叩いた。


———…ビュオォッ…!


その瞬間、青年を中心に突風が吹いた。

いや、ただの風ではなく、まるで“黒い風”。

それは、黒い霧状の何かだった。

よける間もなく、追手たちはその黒い風に飲み込まれ、

そして、飲まれた彼等は力が抜けたかのように崩れ去った。

「な…んだ?!」

「力が抜ける…?」

力が抜け、地面に突っ伏した追手たちは、青年を睨み上げた。

そんな様子を見て、青年はふう、と溜息をつきながら

「動く力は今ので無くなったはずだよ、動きたくても30分は動けない筈だ」

剣を鞘に戻しながら淡々とそう言う。

そして最後に、青年はくるりと追手に背を向けると、


「…僕は咎堕ちした人間だ。君たちから見れば、僕は殺すべき相手、だろ?

 だから僕は君たちの仲間にはならない。


 ——利用させるだけ利用されて殺されることくらい目についてるよ…」


青年は、悲しそうな瞳でそう言い放つと、その場を去って行った。






その青年が追手から追われ始めたのは、約1週間前。

青年が、“あの場所”から帰ってきてからだった。

———青年は堕ちたのだ。そして、生還した。


…あの、忌々しい“永遠の闇”から。



運命の歯車は狂いだした。

運命が青年を翻弄し、嘲笑う。


そして、その定めに抗うことも、止めることもできぬまま、

青年はただ、運命に弄ばれる事しかできないのだ。





気がつけば

空にはまた星が、月が浮かんでいた。

星はまるで青年を拒んでいたかのように、

今まで姿を現わさなかったというのに。

しかし、今は皮肉にも美しく瞬いていたのだった。

Re: Cross wing... ( No.3 )
日時: 2010/06/26 17:18
名前: スペード ◆yjvIWhDK7Q (ID: 8I/v6BBu)



“ユウベラ”…国を支配する『政府』直属の街の名前。

城のような立派な造りになっている政府のその建物は、

まるで平和を強調するかのように、悠々とそびえ建っている。

そして、その建物を取り囲むかのようにたくさんの街が隣接していて、

3年ほど前にそれらの街は1つの大きな街として合併したばかりだった。


そんなユウベラから数十キロ離れた荒野の先————

荒れ果てた何もないその場所に一人、黒髪の青年がひたすら真っ直ぐに歩いていた。

全身を包み込むほどの大きな黒いローブに、ほんのわずかな手荷物。

そして、ローブで見え隠れする紅い瞳は、夜明け前の空に不釣合いな禍々しい色だった。

「…夜明け、か…」

青年が不意に見上げた先にあるのは、夜明けの空。

荒野の夜明け———、それは清々しくそして神秘的である。

しかし、この光景を目の当たりにできる人物は極々限られたものであるのが事実。

というのも、此処はモンスターの生息地であり一般人が踏み入る場ではないからだ。

モンスターはこの地上に住む人間以外の生物で、普通は人を襲ったりしない。

が、ここ数十年…ある事がきっかけでモンスターが凶暴化、人を襲うようになった。

それは割合的には少ないのだが、どのモンスターが何時人を襲うか分らない状況下にある。

それに、凶暴化したモンスターが人を襲う割合が年々上昇しているという報告もある。

…そして、気づけば“モンスターは人に害をなす”という事が人の意識に定着していったのであった。



「……?」

何だろう、この違和感は…

ふと我に返った青年は、その場で足をとめた。いや…違和感というより———殺気。

それは、青年が何度か味わったことのある感覚だった。

そう、二日前の感覚。大勢の人間に追われた時の感覚に似ていた。



Re: Cross wing... ( No.4 )
日時: 2010/06/26 17:19
名前: スペード ◆yjvIWhDK7Q (ID: 8I/v6BBu)




——トンッ

青年は、後退するように後ろへ飛んだ。そしてその瞬間、

さっきまで青年のいた場所に、巨大な何かが急落下してきた。

——バサッ

不意の羽音、それに砂ぼこりから見え隠れする大きな翼。

「あれは…」

あの大きなこげ茶色の翼に、所々に交じる白い羽…。

『レヴシード』だ。広範囲に生息する鳥類型モンスターで知られている。

小さいモンスターを捕食する事でも有名なモンスターだ。

…どうやら自分を獲物と間違えたらしい。

「戦うつもりはないんだけどな…」

青年はポツリと呟くと、レヴシードと自分との距離を離した。

そして、目を凝らして砂ぼこりの中を凝視する。

「…ん?」

様子がおかしい。

「グググォ…ッ!!」

…まさか。

青年はその光景を目の当たりになると、腰の剣を抜き去ってとっさに構える。



————そのレヴシードを覆うように黒煙のような黒いモヤが漂っていたのだ。



…これが

モンスター凶暴化の原因。

モンスターが凶暴化することを、一般的に“魔症化”と呼ぶ。

凶暴化するのは、その靄の正体である、“悪魔”が、

モンスターの体を乗っ取って操っているからだ。


…悪魔とは、『永遠の闇』…いわゆる別の世界から生まれた異形。

‘この世界’では、存在自体する事が出来ないのだが、

このように、モンスターや人の体を乗っ取って、この世界に干渉するのだ。

ちなみに、悪魔という名前は仮称で、神話に出てくるようなものではない。

実際には靄のような、実体がない謎の生き物だ。


———モンスターの暴走化を初めて聞いたときは、信じれるはずもなかった。

当時は、モンスターは平和の象徴と呼ばれるほど温厚だったし、

モンスターと人は当たり前のようにお互いを助け合いながら共存していたくらいだった。

…だが、悪魔に体を乗っ取られた、悪魔に‘契約’されたモンスターが目の前に立ちふさがっている。

これを見て、その事実を否定する者はいないだろう。


——————それに僕の場合…その事実を認めなければ、自分の存在を否定することになってしまうんだ。


「悪いけど…斬らせてもらうよ」

僕は、レヴシードに向かって言った。

だが、この剣には刃がない。普通、斬る事は不可能だ。

「ビキィィィッ!!!」

レヴシードは、大きな翼を広げて向かってきた。

ギラッと光る爪を向け、僕の体を勢いよく掴み、そのまま空へ上昇…するはずだった。


——ブシュッ!

その時、レヴシードの足から勢いよく血が噴き出した。

「…!」

刃の無いはずの僕の剣が、その足を引き裂いたのだ。

声にならない悲鳴なようなものを上げ、レヴシードは地面に転げるようにして地上に着く。

だが僕は容赦なく追撃し、一閃。

今度は翼を叩き斬った。



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