ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Ravinalog γブラック・ラビットγ
- 日時: 2010/07/10 06:33
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
クリックありがとうございますw
どうも、ヨシュアさんと申します。
一つコメディ・ライトで、『世にも微妙な物語』を書いていますが、こっちでも書こうと思い、スレを立ち上げました。コメディ・ライトのほうをメインで上げてくつもりなので、こっちはチマチマ上げてく感じになります。
つたない文章で申し訳ありませんが、頑張ります。
ルールは人に迷惑をかけなければ基本的におkです。
後、読んだ人は出来るだけコメントよろしくお願いします!!
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>>1 プロローグ —クロウサギ—
>>2 第一話 —刃音 黒兎—
>>4 第二話 —リィハ・スカイリトゥーネ—
>>5 第三話 —日向 日和— 〜前編〜
>>6 第三話 —日向 日和— 〜後編〜
>>7-8第四話 —一緒に帰るのはまたねを言うために—
>>9 第五話 —白雪 月姫—
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黒い兎だからこそ、俺は——“逃げ道から逃げ続ける!”
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- Re: ソウ・ライド ( No.1 )
- 日時: 2010/07/13 14:03
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
プロローグ —クロウサギ—
これはゲームだ——。
敵を滅ぼすゲーム——。
veilを滅ぼすゲーム——。
クロウサギは今日も来る——。白い月が無い黒い天の下のもとに——。
クロウサギは今日も跳ねる——。双大鎌を携え、獅子をも目で射殺してしまうほどの殺気を携えて——。
そして、黒い兎は無風の荒野を——駆ける。
目の前に迫るのは四匹の狼。
クロウサギは飛び上がり狼たちの真上まで到達。その瞬間に二匹の狼が襲いかかろうと上へ飛び上がってくる。一匹は噛み付こうと鋭い犬歯を覗かせ、もう一匹は鋭利な爪で引っ掻こうとしている。クロウサギは一匹の狼の上顎を踏み台にし、捉まらないよう、もう一つ高く飛び上がる。踏み台にされた一匹は地面へと突き落とされ、もう一匹は爪が届かずに、自由落下していく。クロウサギは宙を舞った。黒雲に隠れていた白月が出現する。月に照らされるその姿は黒い兎……。空中で二つの大鎌を構え、そして……クロウサギも自由落下していく。下で兎を見上げる四匹の狼はこのときを待っていたかのように、同時に襲い掛かってくる。クロウサギは迷わない。一匹目はのど笛から引き裂き、首を切り落とす。二匹目は口から体を裂いていき、真っ二つにする。三匹目は脳天を割り、四匹目は背中から、一気に致命傷を引き裂く。そして、クロウサギは大地に降り立った。遅れて落ちてきた血と肉塊は地面を染め、何も無い大地に彩りを与えた。
クロウサギはその赤い眼で白い月を見上げる。ただ一人のことを想い、そしてその人に会いたいと願って——。
白い月光は孤独の兎を照らした——。
黒い兎が闇に紛れぬよう、闇に隠れぬように、孤独なことを思い出させるように——。
白月は照らし続けた——。
- Re: ブラック・ラビット ( No.2 )
- 日時: 2010/06/13 14:51
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
第一話 —刃音 黒兎—
瞼が鉛のように重い。持ち上げようとするが、視界に飛び込む強烈な光に再び下ろしてしまう。
ゆっくりと光に慣らせて持ち上げた瞼。視界が急速に広がっていく——。
まず、目の前に見えたのは痛いほどの光を放つ偽の太陽だった。ただ明るいだけの嘘の日光を防ぐため付けた質素で白いカーテンは蝶の羽のように風で揺らされている。どうも、窓を開けてたために、カーテンは存在意義を無くしていたらしい。
カーテンが再び、緩やかな風に撫でられる。
それから一息遅れて、同じ風が俺の額を人の指が撫でるように吹き抜ける。
心地よいとは思う……。だが、好きにはなれない。
あいつが居なくなった次の日も、こんな朝だったから。
俺はおもむろに上半身だけを起こす。
「朝、か……」
左手で頭を掻き毟って、部屋を見渡す。
服や、ゴミが定期的に配置……いや、散乱した部屋は相変わらず汚かった。壁や天井は軽くすす汚れて、模様のようにも見える。あの右隅の少し濃いすす汚れなんて、黒猫にも見えてしまう。唯一ホコリが被っていないのは毎日使うPCのみ。画面では何の文字かわからない本をぺらぺらとめくるスクリーンセーバーが展開している。どうも、電源を切り忘れていたらしい。
今度は視線を部屋から窓の方にやる。
相変わらず、目潰しにも思える暁光が俺の部屋に降り注いでいる。開いてる窓から、顔を出して下を覗く。
下も相変わらず、蚤か米粒のような人がうじゃうじゃ歩いている。「やっぱり、変わらないな」と俺は呟くとすぐに顔を引っ込めた。高所恐怖症ではないが、さすがに落ちたときのことを考えると少し怖い。
枕元の目覚まし時計は目覚ましのベルが鳴る時間を当に過ぎているのに、冬眠した熊のように沈黙している。
本当に冬眠してるんじゃないか……?
いや、現実逃避はやめよう。ただ壊れてるだけだ。
その目覚まし機能が壊れた時計は長針は十二を、短針は八を指していた。しかもご丁寧に秒針まで、正しく、刻々と時間を刻んでいた。
何故、壊れたのがベルだけなのかはあまり、考えないようにする。
予定時間を大幅にオーバー……。今日の夜に取り戻すしかないか……。さて、それよりもどうするか? もう眠れそうにもない。だからといって何かする気も起こらない。
俺は力を抜いて、倒れるように体をベッドに沈めた。
眼を瞑る。視界は閉じていき、光に変わって、視界は闇に支配されていく。一面闇——。
この闇が晴れれば、どれだけ気持ちが和らぐのだろう。
太陽のような無理やり影をかき消す辛い光じゃ、だめだ。真夜中に浮かぶ白月の白い月光のような和らぐ、優しい光。
そうじゃないと闇は晴れても、俺の気分は晴れないだろう。
何分が経っただろう……。
俺は時計を確認しようと、眼を開けた。その時——。
ドアから、軽く野球ボールをぶつけたような音が何回かして、一人の女のような声が聞こえる。
「やーいーばーねーくぅーーーん!居ますかぁぁーーーーー!!」
普通に喋れば、か細く幼げな小鳥のような女の子の声なのかもしれない……が、この大声は小鳥というより、怪鳥だ。
俺は無視を決め込んだ。
「やーいーばーねーくぅーーーーーーーーん!!」
が、どうも立ち去る気配は無い……。
仕方なく俺はこの楽園から立ち上がり、小さく軋むドアを開けた。
- Re: ブラック・ラビット ( No.3 )
- 日時: 2010/06/21 19:06
- 名前: 柚木 ◆weHXHV.lMc (ID: eBTioZop)
- 参照: こんにちは、小説鑑定屋です
こんにちは、小説鑑定屋です。話の構成がとてもわかりやすいとおもいます(ただ小学生にはむずかしいかな?)
少し読みにくいかなーとおもう漢字には()と読み仮名をかいたほうがいいですよ。漢字も読めずにこの小説を読んでても意味ないですよね?
で・・・あということがないという・・この感じなんですけども、、
比喩的表現
例「まるでライオンに食べられたような顔をしながら彼は走ってきた」
これはあくまでもたとえです
で、私が気に入ったなーとおもう比喩をまとめますね(あなたのですよw)
冬眠した熊のように沈黙している。
冬眠はしない時計がまるで冬眠したかのような沈黙さ、これは情景描写と比喩的表現がはいってますよね
んでまだプロローグと1話しかみてないので抽象的な鑑定になってしまったのですが・・・また貴方が話をすすめたら鑑定をしてもいいですか??貴方の小説は短所が少ない分、長所を更に磨けばもっと限りない小説ができますよ。文章作法はできているので難漢字についての工夫点はがんばれば大丈夫です!!
>>本当に冬眠してるんじゃないか……?
このフレーズが面白いですねww冬眠してそうでしてなさそうな物静かな時計・・・嗚呼、そんな情景が頭にうかびますよ。
あ、鑑定士なのにここで雑談してる場合ではありませんでしたね!!では以上鑑定屋でした!
- Re: Ravinalog γブラック・ラビットγ ( No.4 )
- 日時: 2010/06/23 06:02
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
第二話 —リィハ・スカイリトゥーネ—
ドアを開けた向こう——そこに居たのは二人の少女だった。
一人は淡い青髪のポニーテールに粟色の大きな瞳が特徴的な、明るそうで、どこか幼げな雰囲気がある少女。
もう一人は少し伸ばした白いショートに、誰かを魅了するためにあるような綺麗なスカイブルーの瞳。立っている姿勢に何となく優雅さや気品さを感じる。少し不思議な雰囲気を纏った少女。
どっちも黒兎との歳の差は無さそうで、白いショートの方が一つ上に見える。騒がしそうな少女と物静かそうな少女。そんな対照的な二人が同じ学校の制服を着て、刃音 黒兎の部屋の前に並んで立っていた。
「あんたら、誰?」
俺の短い言葉に
青髪の少女が握った拳を天に打ち上げて、元気良く答えた。
「あたしたち、生徒指導委員会なんだよ! 今日は、はつしごとぉーー!」
無駄に元気で明るい高らかな発言の後に、一息置いて横に居た白髪の少女が口を開いた。
「私はリィハ・スカイリトゥーネといいます」と自己紹介しながら、少女は軽い会釈をした。これにも少し上品さが感じられる。
その後に「彼女は日向 日和さん」と言いながら、隣りの少女も紹介される。
右の奴……無駄に元気だな……。俺が苦手なタイプだ。
「で、その生徒指導委員が何のよう?」
無駄に元気を持て余してる方、五月蝿い方の日和が口を開けかけたが、リィハと名乗った少女がそれを手で制した。
「当然、あなたを学校に登校させるためです。そのために私達が来ました」
登校……? 学校にか?
俺はそう憎々しく、心の中で呟いた。
「馬鹿言うな。誰が行くか」
俺は吐き捨てるように言った。
「まぁ、そんなことを言わずに……」
リィハはそう言うと、俺の許可も得ずに、俺の部屋へと勝手に入ってきた。
「お、おい……!?」
彼女、リィハはダーツが的に当たるように部屋のど真ん中で止まると、俺の小汚い部屋を一瞥し、こう言った。
「それはそうと、黒兎さんは……『Ravinalog』をやってるんですよね?」
『Ravinalog』——。
世界最高峰のオンラインネットゲーム——。
俺が俺でいられる世界——。
「あ、ああ……そうだが?」
誰もがやってるゲームだ……。聞く必要が無いぐらいに……。
なのに何故、こいつは聞いてきた?
「だったら、間違いないようですね」
リィハは目を瞑ると、意味深に一つ頷き、言った。
何が……。
「…………?」
一緒に来ていた日和という奴はわけがわからないという感じで、純粋無垢な子犬のように首を横に傾げていた。
「お会いできて光栄です——クロウサギさん——」
俺は動揺を隠せなかった。隠せるはずが無かった。
「またの名を“ブラック・ラビット”」
「な!? ……何で、俺が……クロウサギだってことを知っている!?」
リィハは窓まで近づくと、当に朝日とは呼べそうにない日差しを細めで見つめていた——。
その光景は神へと召される天使のようだった——。
俺は口が無くなったように、ただ静かにその光景を見つめる——。
静かになった部屋。後ろの日和という奴も同じなのだろう。さっきとは違い息づかいさえ聞こえない。
天使はゆっくりと綺麗な唇を動かし、口を開いた。
「それを知りたければ——」
- Re: Ravinalog γブラック・ラビットγ ( No.5 )
- 日時: 2010/06/23 05:58
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
第三話 —日向 日和— 〜前編〜
俺は道を歩いていた。古く、端に少しひび割れがあるアスファルトで舗装された道路。
天候管理システムに管理されている太陽光はアスファルトに熱を吸収させるほどでもなく、ちょうど良い日差しで今日も俺の世界を照らしていた。狭い世界を。
そして、俺の左隣と右隣には少女が居た。二人の少女だ。
右隣に居る方はさっきから、五月蝿く。何かと俺に質問してくるが、俺はそれどころでは無かった。
左隣に居る真っ白な、天井に映し出されている偽者の雲よりも、もっと白い雪のような髪と不思議な雰囲気を持つ少女——。その少女はお世辞じゃなくとも、綺麗と言える横顔に優しい笑みを浮かべて、隣を歩いていた。
リィハ・スカイリトゥーネ——。
こいつが言った言葉——。
“何故、私があなたのことを知ってるのか……。それを知りたいなら、学校へ登校してください”
何故……何故、俺のことを——。
「ねぇ! 聞いてる!? 刃音くん!」
「うるっせーな、少しぐらい静かに考え事をさせてくれ」
俺は脳の作業を止めて、視界いっぱいに、叫ぶ人間の方を見た。
右隣の少女——無駄に五月蝿くて、騒がしい俺の苦手なタイプの少女——日向 日和の青いポニーテイルが揺れていた。
「だから! 『Ravinalog』って何なのぉ!?」
「お、お前、知らないのか?」
俺は少し驚き、頬を引きつらせながら言った。
それを聞いた彼女はキョトンとした小動物のような顔で「うん、知らない」と答える。
本当にこいつ、此処に住んでるのか……?
俺は驚きのあまり声が出なかった。
『Ravinalog』——。
ここに住む人間なら、
「誰でも知っている世界最高峰のオンラインネットゲーム——」
俺の言葉の続きを声に出して言ったのはリィハだった。
目を閉じ、何かを朗読するかのように口を動かす。
「『Ravinalog』は此処に住むためのIDと同時に、ゲームに参加するためのアカウントIDを取得することが出来るの」
「うん」
日和は続きを促しているのか、一つ大きく頷いた。
リィハはそれをちらりと見て、また続きを話し始める。
俺は黙って、その様子を二人に挟まれて、眺めることにした。
「『Ravinalog』の目的は『velinas』と呼ばれる機械で『veil』と呼ばれる敵を倒すこと」
日和は丸い目をさらに丸くして聞いた。
「目的はそれだけなの?」
「いいえ、もう一つあるわ。それは楽園を守ること」
楽園……。
「楽園——?」
「そう、楽園——。世界に一つしかない楽園を守り通すこと。『velinas』は楽園に近づかせないために『veil』を倒す兵器なの。それに私たちが乗る。乗って戦う」
戦い……。守る……。
「乗るってことはロボットなの? 昔のアニメみたいな」
「まぁ……そんなところかな」
とそれを聞くと日和は探偵のように顎を手で押さえ、考え事を始めた。
「どういう奴なんだこいつ。つーか何で知らないんだよ。目にしないことなんて、ほとんど無いだろ」
日和は未だに探偵のようなポーズを取り、顔を動かさず、目だけがじろりと蛇のように睨んできた。
「一応あたしも目にはしたことあるけどぉ……全然そんなの知らなかったし。それよりも、刃音くんはその『Ravinalog』をやってて、何で“クロウサギ”って呼ばれてるの?」
クロウサギ……ブラック・ラビット——。
「それを聞いてどうする?」
日和はディスプレイに映る虚空を見上げながら、下唇に人差し指を当てて悩んでる様子だった。その様子はまるで、今にでも空へ翼をのばしたい小鳥の雛の様でもあった。
「別にどうするってわけじゃないけど……でも、すごく気になるんだもん!」
たったそれだけか……。こいつは本当に馬鹿らしい。
左隣のリィハのように疑う必要は無かったようだ。
とは言っても、俺はこの質問に答える気は毛頭無かった。
「誰が教えるかよ……」
俺がそう言うと、日和はわかりやすく頬を膨らませて怒る。
「教えてくれてもいいでしょ。ケチーー!」
その続けざまに右隣から、やれ馬鹿など、やれケチなどという罵声が飛んできたが、俺は無視をした。
しばらく無視をし続けると、またさっきのようにリィハが口を開いた。
「私もよくは知らないんだけど……クロウサギっていうのはその見た目から付けられたらしいの」
「見た目? じゃあ、黒い兎さんみたいなの?」
日和は罵声を止め、今度はまたさっきのように、リィハへ質問をした。
「そう、黒い兎。全身は闇を塗ったように黒く、目は血のように赤い……」
日和は好奇心が推したのか、続けざまに質問する。
「耳は長いの? 草とか人参も食べたりとかする?」
おいおい……。
「そうね……確かあった気がするわ。二つの垂れた長く黒い耳が。でも、さすがに草や人参は食べないわよ」
機械ですもの。とリィハは笑顔で言った。
だがその後に顔を少し下に向けると「でも……」と一度句切る。
「でも……何?」
日和は変わらず、無邪気な子供がお話の続きを聞きたがるように次の言葉を待っていた。
「…………」
俺はただ黙って、リィハの顔を見る。
「人の心を、喰らうかもしれない」
「ひとの……心?」
リィハは顔を上げた。さっきと変わらず、その顔は不思議な微笑みを浮かべている。
「人の心だと?」
俺は眉の間に皺を寄せて言う。
「ええ、そう、人の心」
「どういう意味だ?」
俺がそう聞くと、リィハはその微笑みを俺に向けてきた。
「だって……クロウサギは今や、『Ravinalog』をやってる人間じゃなく、誰だって知ってる存在。知らないのはそこに居る日和さんぐらい。大多数の人に知れ渡るなんて、そう出来たものじゃない。それは人を虜にしてるということ。つまりそれは人の心を喰らってるって言ってもいいんじゃないかしら……」
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