ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【彗星使い】コメット★ユーザー
- 日時: 2010/08/12 13:54
- 名前: イール ◆2PrHYfpz5k (ID: cRxReSbI)
「飲んだ牛乳が目から出る——」
「それが彗星使い、コメット・ユーザーの宿命よッ!!」
……随分イヤな宿命だなオイ、
ということで、小説カキコではお初になります!
イール(直訳するとウナギ)でっす!
さて、このお話は魔法少女が血みどろでフフフ……な話にしようと思ってたんですけど……
まあ、シリアスだけどくどいギャグでヘンテコな話になります
Page:1
- Re: 【彗星使い】コメット★ユーザー ( No.1 )
- 日時: 2010/08/12 15:12
- 名前: イール ◆2PrHYfpz5k (ID: cRxReSbI)
【キャスト】
野々上 遊生【ののかみ ゆき】
野々上 雛多【ののかみ ひなた】
【Q、コメット・ユーザーって何?】
ボクは見た。
金色に輝くセミロングの髪、手には大きな宝石がついた杖。
黄土色のローブを纏い、半眼で嬉しそうに笑う姉の姿を。
◆
姉ちゃんがグレた。そうとしか考えようがない。
金髪(……というか、黄色?)に染め上げられた髪、父さんや母さんには無駄に反抗的で、オマケに部屋に戻るや白い棒に火をつけて、煙を吐くのだ。その内に薬物でも乱用しかねない勢いで気が動転している。
何があったのだろうか。ボクとしては全っ然、全く、これっぽっちもどうでもいい話だが、家族としては別だ。変にお金を横流しされると自分が損した気分になる(父さんと母さんが頑張って稼いでくれているお金なんだし)。
ねえ、なんかあるなら相談しなよ、姉ちゃん。——ボク以外に。
「……あれ?」
「ん? どしたのユキ?」
「いや、姉ちゃん髪が……」
——黒かった。
ムカつくくらいに艶があり、かつ小作りな童顔でもう高校生だというのに小学校にランドセルを背負って行っても「学校間違えちゃった、TEHE!」ですみそうな化け物顔。身内だからということはないが、まあまあ可愛い分類に入るのではないだろうか。——いや、美少女だとかはやし立てる気はさらさらないんだけど。
一方、ボクの方はというと、普通。自分の容姿をどうのこうの言う気はさらさらないし、そもそも何を基準にして普通なのかとか、そういうのはめんどくさいから無視してほしい。
「え? 私の髪、なんか変?」
「……いや、金髪だったじゃ——」
「——そそそ、そそ、そんなことあーりませぇぇん! 私は普通、ノーマル! あいあむふ・つ・う!」
……どっちだ?
この胡散臭いリアクションはバカにしてるのか? それとも焦ってるのか? はたまた、いま思いついた一発芸なのか?
「あー、でもー、遊生(ゆき)ならいいかなー?」
やばい、姉ちゃんがすっごい胡散臭い。——ちなみに、この遊生というのはボクの名前だ。フルネームは野々上遊生(ののかみゆき)という。
さて、死刑宣告でもしそうな怪しげかつ嫌らしい笑みを浮べて、姉ちゃんはボクに言った。
「ねえねえ遊生、魔法使いになりたくない?」
「実はね、お姉ちゃんはその魔法使いなんだよぉ」
◇
「えと、うん。ビックリ」
我が姉、野々上雛多(ののかみひなた)は〝自称〟魔法使い——否、コメット・ユーザーだった(らしい)。
はて、コメット・ユーザー。直訳すると「彗星使い」。果してそれは一体全体なんなのか。——生憎、ボクはその正体を知っている。
——中二病だ、この人。中二病だよぉ!
え、ちょ、どうしようマジ。姉ちゃんがここまで壊れていただなんて。
……と、そう心配しながらオドオドしていると、姉ちゃんが不機嫌そうにこう言った。
「いま、失礼なこと考えてるでしょ?」
眉間にしわを寄せ、頬を膨らませる幼げな姉の怒り顔……コメントするならばロリコンに捕まるぞマジで。
「姉ちゃん落ち着いて。いま姉ちゃんはとっても疲れているんだ。変な妄想は——」
ボクの妄想という言葉に、姉ちゃんはピクリと眉毛を動かす。
「——これでも、妄想だって言うの?」
突然、姉が発光した。
感想は「アンタどうしたマジでッ!?」。
眩い光の中、ボクの中では理性と冗談が戦争をしていた。
マジなのか?
いやいや、冗談だって。
でもでも、光ったぞ? マジモンで光ったぞッ!?
いや、きっと冗談だって。
——冗談で人は光んないよぉッ!?
パッ——
どういうわけかタンポポ(?)のエフェクト出現。やばい、何かいろいろとやばい。
——そして、ボクは見た。
金色に輝くセミロングの髪、手には大きな宝石がついた杖。
黄土色のローブを纏い、半眼で嬉しそうに笑む姉の姿を。
「どう? これでも妄想って言いきれ——」
「姉ちゃんの妄想が現実を捻じ曲げたぁあああああッ!?」
- Re: 【彗星使い】コメット★ユーザー ( No.2 )
- 日時: 2010/08/12 13:53
- 名前: イール ◆2PrHYfpz5k (ID: cRxReSbI)
【A、発光する人】
「——ざっけんな、どこのマジシャンだてめぇ!! どこ? スタッフどこ? おーい、ドッキリ失敗したよぉー、おーいッ!!」
落ち着け、落ち着けボク。
ボクは今日疲れているんだ。そうに違いない。きっとそうだ。その証拠に、ボクはいまものすごく息苦しいぞ。
「はぁ……はぁ……。ね、姉ちゃん、ボクもう疲れたから寝るわ」
「ちょっと待って! ねえ変身したんだからちょっとくらい話聞いてよぉ」
「はぁ……。じゃ、じゃあ、なんで変身なんかしたわけ?」
え? とそんな表情をする姉ちゃん。
どしたぁ? 特に理由がないとかそんなん?
「……それは、ねえ」
「わかんない」
◆
「わかんない」
あ、そうっすか。んじゃ、ボク寝たいんで……。
と、終らなかった。
コメット・ユーザーが何たるか、どうやったらなれるのか、なんでいるのか、何と戦っているのか、最終目的などその他様々を延々と話された。
「そもそも彗星使い——ううん、コメット・ユーザーってゆうのは悪の組織をやっつけるために組まれた集団の通称なの。正式名称はめんどくさいからみんなコメット・ユーザーって呼んでるんだって」
悪の組織ときましたか。
というか〝みんな〟ってことは姉ちゃん以外にも中二病感染者がいるってこと? おっそろしい。
「でね、コメット・ユーザーって言うのは誰にでもなれるようなものじゃないの」
そりゃ、みんな学校とか仕事とかで忙しいからね。中二病の行事を気にかける人なんてそうそういないでしょ。
「あのね、コメット・ユーザーって純粋(ピュア)な人じゃないとなれないの。——でも、何も純真無垢じゃなくてもなれるんだって。心のどこかに純粋な気持ちがあれば、案外簡単になれるらしいの。で、その心の色が変身後の髪の毛の色だったりコスチュームの色だったりするわけ」
へー、ビックリ。だから姉ちゃんが変身したら服装が黄ばんだ色に変わるんだね。
「ほんでもって存在意義! それ即ち廃れたやつだのなんだの言われたくないためよ!」
だったらなんでもいいから頑張れよ。
「とまあ、そんなもんよ」
はいはい、おやすみなさい……。
ZZzz……。
- Re: 【彗星使い】コメット★ユーザー ( No.3 )
- 日時: 2010/08/12 15:01
- 名前: 九蛍 ◆WpSnIpcg.c (ID: cRxReSbI)
随分とイヤな魔法少女の話ですねwww
シュールな感じがイイですっ
これからも頑張ってください!
- Re: 【彗星使い】コメット★ユーザー ( No.4 )
- 日時: 2010/08/12 14:55
- 名前: 雨葉 (ID: O0NjrVt8)
「飲んだ牛乳が目から出る——それが彗星使い、コメット・ユーザーの宿命よッ!!」
に爆笑しましたw
更新楽しみにしてますので、頑張って下さい*
- Re: 【彗星使い】コメット★ユーザー ( No.5 )
- 日時: 2010/08/12 14:58
- 名前: イール ◆2PrHYfpz5k (ID: cRxReSbI)
うぉおおおおおお
す、スイマセン、あまりの嬉しさに動揺しておりますです、ハイ
えと、ハイ、頑張ります、ありがとうございますっ
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。