ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 泣き虫道化師たちの笑い声
- 日時: 2010/06/23 20:10
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
■ご挨拶、
※ 物語の途中まではシリアスではありません。
初めましての方は初めまして。知ってる方はどうも。
『泣き虫道化師たちの笑い声』の作者、真飛と申します。
この小説では、イギリスを舞台にした、悲しい出来事と不思議な能力、などのファンタジー要素を入れた社会問題なども少しずつ入れたいです。
基本ダークファンタジーと言うことで楽しく見ていただければ幸いです。
■注意事項、
少しばかりですが注意事項には目を通していただきたいです。
・荒らし、チェンメ、等の行為は控えてくださると。
・荒らし、チェンメに反応する方も荒らしとみなしていますのでご了承を。
・スレ潰し目的の方は理由を言って頂くと大人しくロック致します。
・挨拶は礼儀ですので心掛けましょう。
・偽者防止にトリップは付けた方がいいです。
■目次、
第一章 きらきら、光るの?
1 >>1 2 >>5 3 >>6 4 >>7 5 >>8
■お客様、
煌謎さま
- Re: 泣き虫道化師たちの笑い声 ( No.3 )
- 日時: 2010/06/13 17:16
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
煌謎さま、
こんなところにまで来てくださって本当にありがたいです!
いいですよね。殺し屋も結構好きですよ。
女の子の殺し屋大好きですただの趣味ですよねすいません。
サーカスはもうパッと思いついてしまって(
はい、続き頑張りますね^^
- Re: 泣き虫道化師たちの笑い声 ( No.4 )
- 日時: 2010/06/13 17:20
- 名前: 煌謎 ◆vBOFA0jTOg (ID: eHFPH3xo)
>>03
殺し屋って良いですよねvv
一応女の子の殺し屋の話を書いてるんですけど、良い趣味だと思いますよ^^
待ってますvv
- 2 自分の世界がいちばん ( No.5 )
- 日時: 2010/06/14 20:58
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
色々な世界がある、本って素敵だと思う。
そう思ったのは五才の頃。
あの時は絵本ばっかり、と言うか絵本だけしか見てなかったと思う。
雪のように白いうさぎ、太陽のように明るいひよこ、草原で遊ぶ動物が沢山の絵本が、あの時は大好きだった。
七歳の頃に、本、と言うものを読んだ。
パピーが日本から帰って来た時、『かな文字』で書かれている本を読んだ。実に興味深かった。読みにくいし、ボロボロの紙だったけれど、全部読みきった。
本当に面白かった。
それから半年くらいだろうか、小説と言う本に面白さを感じたのは。
絵もないし、分からない言葉が出たりすると、パピーやマミーに訊いて教えてもらっては、紙にメモして覚える。
学校に行く度に読み終わった本を持っていった。学校から帰る度に、まだ読んでない本を持ち帰った。
十三歳を超える頃には、学校にある全ての本を読んだ。
積み上げたら自分の背の何倍になるであろう本を、全て、全部。
そして、今に至る。今となっては引き篭り。それくらい本は私に影響を及ぼした。
ずっと本を読んでいたい。それだけ、たったそれだけ。
茶色に焼けた暖かい色のレンガで作られた本屋には、色々な本がある。
二日後に来るサーカス団に備えようってか? サーカスに関わる本が何十冊も置いてある。くだらない。
楽しむために、本なんか要らない。覚えたての知識振り回して楽しむより見て凄いって思う方がいいんじゃないのか、と思う。
まあ、別にそんなことどうでもいいのだけれど。
私は、いつものダークファンタジー小説が置いてあるコーナーに行くと、白の表紙の至ってシンプルな本があった。
私がその本を取ろうとした——その時。
「あー、道化師とか興味あるー? 俺も道化師なんだよね、ホラ、二日後に来るあの!」
道化師……ってピエロとか、クラウンとかと同じだし、二日後って……
「あのサーカス団?」
「そ。だけど今は静かにね。バレちゃいけないの」
紫とピンクがごっちゃ混ぜになった男性と思われるその人物は、人差し指を立てて私に言う。
「バレちゃいけないんだったらなんでこんな所に隠れてるんですか。純粋に本を買いに来た私の心がドス黒くなってきたんですが」
「うおっ!? お願い! こんな町あまり来た事無いんだよ! それにさ……ほら、明日のサーカスのチケット。夜からやるんだ」
その男性は、私が怒りそうになるのを抑えながら、言う。そして、ポケットを探ったかと思えば、紙。サーカスのテントの中に入れると言う、紙。言い方を変えるとチケット。
「要りません」
「えっ?」
私が怒りながら言うと、驚いた顔をしてから男性は言う。何か腹が立ったのだ。「これやるから許してよ」とでも言われたようだった。言い訳の代わりに物で釣るような。上から目線をされたようで、苛立った。
「要りませんったら! 人ごみとか、騒がしいのとか、嫌いなんです!」
大声で、私が叫ぶと、その男性は驚いていた。更に、サーカスの本の周りに集まっていた人も、私の声に驚き、野次馬として来た。その野次馬の中から私は出ると、すぐにレジに向かう。
これだから、サーカス団とか、貴族とか、特別な所に居るような奴らは嫌いなのに。
レジからあの男性が居る所を見ると、その男性は頭を掻いて「何かおかしかったかなあ?」と言う顔をしている。あれだから、ムカつく。
でも私もなんで怒ったんだろう。違う、怒るべき所が違うのか。ああ、言いたい時に言えない私が嫌い。
本屋を出て、自分の家もとい、それより遠いサデュラさんの家に向かった。
お母さんから借りた二ポンドを早く返せるように。
- 3 自分さがすよ、みつからないよ ( No.6 )
- 日時: 2010/06/14 20:59
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
走る、走る。さっきの出来事を忘れたくて、思いっきり走る。息切れしても、ずっとずっと。
ここまで来れば、きっと居ないだろう、と思ってたのに。この男は……。
「さっきはごめん。別に、無理に来いとは言わないけど、これ、貰っておいて」
思いっきり頭を下げたかと思いきや、私の手をとって包んだら、思いっきり握りしめる。少し痛いが、反省はしているようだ。これで許さなければ私はなんなのだろう。
許す気になったけど、許そうと思えない。許せないんじゃない。許せるけど、自分の奥で何かがつっかかっている。
私は無言で男の顔から顔を逸らす。「ありがとう」さえも言えない。よく、分からない。自分なのに、自分のことが。
「サデュラさーん、居る?」
「あれ、メイちゃん? 今日もお手伝いかい? たまには休んでもいいのに」
私の声に気付いたように、サデュラさんは自分の白い家の窓から顔を出して言う。
「あー、二日後には休むんで今日やらないと」
「二日後って……サーカスかい?」
サデュラさんは、勘が良い。
いや、二日後って言ったらサーカスって言うことは町民の誰もが知っていることだ。
けど、確か八歳の頃に私がホットケーキ作りを手伝っていたら、「浮かない顔して。どうしたの?」と訊かれた。その時私は確かに虐められていたが、愛想笑いくらいはしてたはずだ。お客様に心配させるなど、と言うマミーの商売のおかげで。
別にいっか、と思った私は全てをサデュラさんに話すと、「一人で胸を張って、一人で笑いなさい」と言われた。初めて人に相談した。
マミーよりも頼りになる、そんなサデュラさん。
「ま、チケット貰っちゃったし。で、何か手伝うことは……」
「そうね……丁度裏庭掃除とかどうかしら」
サデュラさんは、少し考えてから言う。私は一応「はい」と返事をした後にサデュラさん家の玄関に向かう。
そして、しばらくするとサデュラさんが玄関を開けてお出迎えをしてくれる。
私はサデュラさんに案内されて、裏庭に出た。
「時間、かかると思うけれどよろしくね」
と、サデュラさんは笑顔で言う。これは凄い。綺麗とか汚いとかそんなものじゃない。物凄い。ここは魔物かなんか住むのだろうかってほどに凄い。
——だって、極端に汚いんだもん。
- 4 ホットケーキと紅茶と愛情 ( No.7 )
- 日時: 2010/06/23 16:54
- 名前: 真飛 ◆v9jt8.IUtE (ID: SG7XrUxP)
——ここ、魔物の出ない魔界?
庭はなぜか真っ黒、遊び用具は泥で汚れている。花壇はあるのに、花の姿が見えない。そして、六時前くらいなもんだからオレンジ色の空なのだ。それが、なんとなく怖い。
サデュラさんって、こんなところもあるのか。
「近々、一週間後くらいからかしら? ここが子供たちと遊ぶ場所になったのよ」
本の読み聞かせや、体を動かして遊ぶゲーム、自分たちでお菓子、紅茶を作ってお茶会。に合う場所。それがサデュラさんの家。いや、確かに庭は広いんだけど、さ。
この人はいつになったら危機感を覚えるのだろう。一週間までにこの汚れを落とすと言うのに。
とりあえず、私は肩までの栗色の髪を、いつも持っている髪留めで髪を纏める。
そして、バンダナとエプロンを借りて掃除開始。
まずは、雑草抜きからだろうな。
私は、真っ黒の庭からヒョコンと顔を出している雑草を根っこから取る。
サデュラさんの方を見ると、のん気に鼻歌をしてお菓子を作っている。
……そんな暇あるなら、庭、掃除しようよ。サデュラさん。
まあ、何かあるんだと思うけれど。
私は相変わらず、雑草抜きと言う地味な作業を続けている。かれこれ三十分。こんなに長い時間雑草抜きをしたことはない。
んで、最後の一本を思い切り抜いた時、
「メイちゃん、そろそろ疲れたんじゃないかしら、休憩、していいわよ」
にっこりと嘘の無い笑顔。この人のいい所はそれだ。
私は返事をして、庭から靴を脱いでサデュラさんの居る家の中に入る。
すると、紅茶の良い匂いと出来立てのホットケーキの良い匂いが混ざる。やはり良い匂い。
白いテーブルに、二人分のホットケーキと綺麗な宝石のような赤い紅茶が乗っている。
そして、そんな美味そうなホットケーキの上にはバターが乗っている。ごめん、私、メープルシロップ派だよ? サデュラさん。
だが、やはりサデュラさんのホットケーキはシロップだろうがバターだろうが美味しいので口の中に何回も放る。その内にホットケーキが全て無くなってしまった。ので紅茶を飲む。
そんな私を見て、サデュラさんはにこにこと笑っている。相変わらず、何を考えてるか分からない顔だ。こう見えて大人だ。きっちり怒ったりする。らしい。私は見たことも無いけど。
「メイちゃん、何か隠してる?」
ほら、来た。何かあると思ったのはこの感覚か。更に勘がいいから「チケット貰ったし」と私が言ったから不審に思ったんだろう。だって、人ゴミ嫌いだもん。
何でもいいんだけど、にこにこ笑われてそんなこと訊かれたら、怖すぎる。
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