ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 世界の端っこで笑おうよ
- 日時: 2010/07/13 17:20
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
この世界に飽き飽きした彼女は自らの存在価値に悩んでいました。
(生きてる意味? 知らないよそんなの。)
いつからか目覚めてしまった彼は自らの衝動を抑えることができないのでした。
(強欲になるって言えたらどんなにいいことか……。)
初めて心の隙間を確認した少女はどうすればいいか悩みました。
(本当の友達なんて、わからないもん。)
蠢く裏を殺そうとした少年は自殺未遂を繰り返しました。
(ばいばいさよなら、もう会わないことを願って。)
とある自傷少女はある日恋をしました。
(やめないよ? これは私が私である証なの。)
——彼女達が出会う時、一つの歯車は廻り始めるのです——
(え? いつだって? 知るかよそんなの!)
**
どうも皆さん初めまして、いつもは二次のほうでのっそりと活動している烈人と申します!
……ちなみに読みは「れっと」だとかいってみます^^←
美術部が部活時間にお友達とキャラ名を考えました。……部活しようぜ、美術部。
そこからなんか色々とあって話になってしまいました。
日常を舞台とした物語です。……髪色とか目の色とかはね、ほら、二次元だからさ、ほら……(見苦しい
けど時々いきなり非日常に入ります。王道パターン。そこは突っ込んではいけまs(黙れ
恋愛要素有り。基本はダークっぽい感じです。
更新速度はかっなり遅めです。しかもいつ放棄されるかもわかりません。さらに文章タヒんでます。
それでもよければ、どうぞよろしくお願いします<(_ _)>
**
*/世界の中の小さな欠片たち/*
序章*私とナニカ >>1-2
一章*ちっちゃな出会いとちっちゃな非日常
∟#01 - さよならさよならこんにちは >>5
#01,5 - ぐるぐるまわるの 〜ハジマリ編〜 >>6
#02 - ああもううるさい黙ってて >>7-8
#03 - ごめんね,これが俺なんだ >>9-10
#04 - ついにはじまったんだ >>11-12
#xx - 後書き >>13
少女の願いは、何処かへ消えた?
二章*あの子の笑顔とこの子の笑顔
∟#01 - ああ愚かだね馬鹿みたい >>
#02 - とある少女の非日常 >>
#02,5 - ぐるぐるまわるの 〜チマミレ編〜 >>
#03 - 融けた嘘,嘘,真。 >>
#04 - さよならの痕に見えたモノ >>
#05 - 以後未定
※一章短いとか思ったら負け
- Re: 世界の端っこで笑おうよ ( No.4 )
- 日時: 2010/06/17 20:21
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
どうしよう「わんわんお にゃんにゃんお」のリズムだけで泣けてきた。
いえすいっいーっず! のーいっついずん! ……なんか違う。のーしーいずん?
>>真飛
見つかってしまったか^p^(当たり前だろ
最近になってぴょっこりと生息始めました。どこまでも自重を知らないやつでごめんなさい。
ちなみに真飛の小説もやっぱりstkしてるんだよとか言っていいんですk((((
素敵文章だなんて……そんなこと無いですよ! 真飛のほうが何倍も素敵文章だよ^^*
放置は私の現状だったりしまふ。休日に祖母の家に預けられて、終わり。
いつごろからなのか覚えてないんだけど……気付いた時にはいつもそうでした\^P^/
もう慣れたけど。私も祖母が昼間は仕事に出てたりとするので一人の時間が長いのですが、最近は落ち着くんですよね。
一人のときにゲームとかネタ出しとか自由やってひゃっほーいって暴走してる自分がいるんでs(ry
やっぱりこんな家庭も多いんでしょうか……。……社会問題系っぽくなったらどうしよう(ぁ
深い……のかはわかりません^^← 頑張ります、有難うございます!
せめて一週間に一回は更新したいなー、とか(更新頻度少ねぇよ
真飛のほうにもコメいかせてもらうね^w^ コメ有難うvv
**
たまにはゆっくりにゃんにゃんお! ああもう素敵すぎる曲。永遠リピートどうしよう(
今から更新しますー。相変わらずの駄文ですが(ぁ
- ばいばいさよならまたどこかで ( No.5 )
- 日時: 2010/06/17 23:35
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
一章*ちっちゃな出会いとちっちゃな非日常
(本当にちっぽけね)
#01 - さよならさよならこんにちは
「ふぁあ……」
いつもと同じように、朝が来る。やっぱり何も、変わらない。……いや、変わるほうが可笑しいんだけれども。
学校行きたくないなぁ。そんなやはりいつもと同じ憂鬱な気分を抱えながら、私はベッドから下りた。
**
学校へつくと、ほんのちょっぴりの非日常が私を出迎えた。いつもと同じように幼馴染と登校して、鞄を片付けて。
チャイムが鳴って、先生が教室に入ってきて。本当にちょっぴりだけれど——非日常は、先生の後についてきた。
綺麗な、黒髪。いやそりゃみんな黒髪——染めてる子とか茶髪が地毛の子は除外して——だけど。
でもそんな黒髪なんかとは違う、見てるだけでもさらさらしてるってわかってとても綺麗な艶の髪。
顎辺りで切り揃えられた髪。寝癖とか全然無くて、一目見れば『清潔』という言葉が脳裏に浮かぶ。
そんな髪をした男子が、先生の後について教室に入ってきた。
大人しそうでクールで……でもどこか、人をよせつけないというか。ちょっと不気味なオーラを放っている。
顔はかなり美形といってもいい、と思う。性格にもよるけどこれはモテるだろうなぁ。
そうぼーっと考えていると、先生が声を張り上げた。
「このクラスに転入生が来ます。というか、もう来てもらってますね」
ウケ狙いなのかはわからないが、先生がそう言ってから軽く笑った。教室内はシケているけれど。
やっぱり、転入生か。うちは一組だから、転入生が来たらこの組に入ることになるとか言ってたような気がする。
ていうか、なんでこんな微妙な時期に? 急な親の転勤か何かか? ……どうでもいいけど。
「今日からこのクラスの一員となる柊君です。どうぞ、自己紹介してね」
「あ、……はい」
声はふんわりとした優しいテノールだった。男にしてはちょっと高めかもしれない。
柊と呼ばれたその男子はちょっとぎこちない動きで一歩前に進み出て、ぺこりと頭を下げてから、言った。
「柊咲也です。家の事情で引っ越してきました。よろしくお願いします」
……固い挨拶だなぁ。いや、そりゃ転入してきたんだから緊張はしてるだろうけど。
というか何気に性格良さそうだし。女子の人気も高いだろうなー。……友達に一方的な惚気話聞かされなきゃいいけど。
そんなの、うざいだけだし。無理して『かっこいいよね』とか合わせるの好きじゃない。
気がつくとみんながぱちぱちと気の抜けた拍手をしていたので、私も慌てて合わせて拍手する。
「みんな仲良くしてあげてねー」
先生のその言葉に、「はーい」と何人かが答える。まぁあの容姿なら、よっぽど性格悪くない限り友達ぐらい普通にできるだろうけど。
「席は片岡さんの後ろ——窓際の一番後ろの席ね」
……私の後ろかよ。そういえば今まで無かった場所に席が増えてたっけ。いや元からそういう予感はしてたけど。
てことは、私達の班に入ることになるのかな。柊君も災難なことで。どうでもいいけど。
柊君は先生に「はい」と返事をすると、席のほうに向かって歩き出す。
彼が席につくと、先生が今日の予定とかを話し始めた。
**
馬鹿な人、というのが三時間目まで一緒に過ごしてみてからの私の柊君への印象だった。
一時間目終了後には人気者っぽかった柊君だけど、今はもう周りには誰も近づいていない。
そりゃそうだろうなぁ。あれだけ派手にやっちゃったら。先生とか先輩に目つけられないかなぁ。
三時間目終了後の、十分休み。教科書とかを準備してる私は除くとして、柊君の周囲には人気自体が無い。
どうやら完璧に『怖い人』として認識されてしまったようだ。私は別にそんなものは気にしないけれど、確かに怖いとは思った。
「片岡さん」
不意に後ろから声が飛んできて、……それが柊君の声だとわかった時は少し驚いた。
振り向いて、「なに?」と無愛想に尋ねる。柊君は、背筋がぞくっとするような……なんだかとても不気味な笑みを浮かべていた。
「今までさ、……よくこんな班で過ごせたね」
「……まぁ、まだ席替えして一週間だし」
体が震えそうなのを悟りながら、私は淡々と返す。混乱にも似た恐怖感が、じわじわとせり上がってくる。
「凄いな。俺だったら……ちょっと、駄目かも」
「……なにが駄目なの? 今日あんなことしたくせに、さ」
続けて紡がれた柊君の言葉に、少々間をおいてから言葉を返す。何故だか声が、掠れている。
言ってしまってから、少々挑発的だったかもしれないと後悔したが、今更思っても遅い。
けれど柊君はそんなことを気にしてないようで、さらに言葉を続けた。
「片岡さん、下の名前なんて言うの?」
……何故そんなことを聞かれるのかわからなかったし、一緒のクラスにいればいずれわかるだろうとあえて無視しておいた。
それから彼との会話を断ち切るために、もしかしたら怒られるかもしれないという不安を抱えつつ、口から言葉を吐き出した。
その言葉は、あの時からずっと思っていたこと。
「……虐められるとかさ、そんなことも考えたほうがいいよ」
そして友達のところへ行こうとした時、……柊君がぽつりと呟いた。——否、『囁いた』のほうが正しいかもしれない。
「……大丈夫だよ。俺の精神は、それぐらいで壊れるほどやわじゃない。それ以前に、俺は『虐められない』」
あまりにも断言した口調で、ありえない言葉で、……そして、あまりにも不気味に響いて。
思わず私は、振り向いてしまった。柊君は、相変わらずの笑顔のまま——言った。
「俺、『殺し屋』だから」
その笑顔はどこまでも透き通っているように綺麗で、……私は思わず、友達のところへ走っていった。
否、『逃げていった』。
(ばいばい日常)
(——こんにちは、愛しい愛しい非日常さん)
#01 END.
柊 咲也(ひいらぎ さくや)
※れっとが「名字柊で下の名前に咲がついて男子の名前作って!」から生まれた子です。
当初の漢字は「咲夜」でしたがとーほーさんになんだかそんなお方がいるとかいないとか聞いたので漢字変えました。
何気に気に入ってる名前だったり。最初のキャラ説ではクールだったのに……! どこがクールだただのドSじゃないk(←
- どっかのおはなし ( No.6 )
- 日時: 2010/06/23 19:39
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
#0,15 - ぐるぐるまわるの 〜ハジマリ編〜
ぽたっ。小気味良い音を立てて滴り落ちたソレを見ながら、彼は大きくため息をついた。
どうして自分は、と。ひたすらに自己嫌悪にさいなまれていく彼に、隣にたった小さな影が言った。
「悪くない。……さくは、悪くないよ」
哀しげに響く声に、彼は答えた。小さく、息を呑む音を立ててから。
「……ごめん、美咲。俺、やっぱり駄目だ」
「駄目じゃないよ。さくは、駄目じゃない」
がたがたと震えながら小さな影——美咲と呼ばれた——は彼——さくと呼ばれた——に返してから、さくの脚にしがみついた。
無論人間の姿をしているのだが、体の震えを必死に押さえ込もうとしながら脚に抱きつくその姿は小動物のようだ。
さくはそんな美咲の頭を撫でてから、もう一度大きくため息をついた。
「——俺さぁ、いつからこんなのになったんだっけ?」
「……? さくは、いつもさくだよ?」
そして吐き出した言葉に、即座に美咲の震える小さな声が返ってくる。
「いや、そうじゃなくて……」とさくは美咲に言いかけたが、すぐに言葉を切った。
もう一度、しかし今度は先程よりも力強く美咲の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「もういいよ。美咲は、寝てて」
「えー? さくは?」
「俺は後始末するからさ」
しばしむぅ、と膨れていた美咲だが、さくがにっこりと微笑んだのを見ると、さくの脚から離れた。
少々不機嫌なようで、頬を膨らませている。そんな美咲から、明らかに不機嫌な声が飛ぶ。
「……すぐに帰ってきてね」
「わかってるよ」
さくは再度、美咲の頭を荒っぽく撫でた。
**
「にゃははー」
そんな猫のような笑い声を上げながら、彼女は手首を握り締めた。
ぎりぎり、ぎりぎり、ぎりぎり——。今にも骨が折れそうなほど、強く強く。
「なっちゃーん? どしたの?」
ふと、右手首に掛けられる左手の力が弱められる。彼女は右肩と耳で挟んでいる携帯に向かって、声を掛け続ける。
右手首には、くっきりと手形が残っている。
「もしもーし、応答願いますたいちょお! たいちょおーっ!」
言葉こそは馬鹿らしいが、彼女は不安げな表情を浮かべており、かなり心配しているようだ。
なっちゃん! と大きく声を張り上げた後、彼女はいつもと違うことに気付く。
「……れーくんの鳴き声がしない」
彼女はぽつりと呟く。れーくん、というのは彼女が携帯で話していたなっちゃんと呼ばれた少女のペットの猫である。
なっちゃんとれーくんはとても仲が良いらしく、携帯で話す時は大体れーくんを抱えているようで鳴き声が絶えない。
その、はずなのだ。けれども今日は、一度もれーくんの鳴き声を聞いていない。
「——なっちゃんッ!?」
なにかあったのか。そう考えるも、あまり向こうではガタガタとした騒がしい音はしていないようだ。
それからやく、数十秒後。
甲高い少女の悲痛に満ちた叫び声が、彼女の携帯から響き渡った。
#0,15 END
美咲(みさ) !「みさき」じゃないよ!
※れっとが勝手に作った名前。
口の中が血の味でいっぱいの烈人です、どうもこんばんは。ティッシュ口の中につめてます^p^
矯正からはみ出した針金が突き刺さってたんですよ、先週から。まさか血出るとは思いませんでしたけどww
1,5話ってことで。間話(と書いて「かんわ」と読む←)みたいな。
ごめんなさい誤字ってました。「みっちゃん」じゃなくて「なっちゃん」ですすみません。
- ありえないよそんなこと!(それがありえるんだよねえ) 1/2 ( No.7 )
- 日時: 2010/06/23 19:38
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
うるさい黙れ!
(黙れといわれて黙るヤツはいないよ、馬鹿を除けばね)
#02 - ああもううるさい黙ってて
少年は少女に問いかけた。少女は答えもせずに窓から飛び降りた。
数秒後、ぐしゃっという生々しい音がどうすることもできなかった少年の耳にこびり付いた。
**
“俺、『殺し屋』だから”
移動教室からの帰りの廊下で、彼女は可笑しな羞恥に心を呑まれようとしていた。
不気味なほどに耳に張り付いている柊咲也の声を何度も思い出しながら、彼女は大きくため息をついた。
今考えると、何故自分があの時あれだけ恐怖感というモノを覚えてしまったのか、全くわからなくなっていた。
確かに、怖かったのだ。凛とした雰囲気、鋭く不気味に笑みを模る瞳。
彼女はそれら全てに恐怖を感じた。だからこそ、柊咲也の前から逃げたのだ。
けれど。あの時彼が言ったのは——こんな日常の中ではあまりにもありえない一言。
きっと、冗談で言っているんだろう。今更彼女はそう思い直す。
そうだ、『殺し屋』なんているわけない。彼女は自分自身にそう強く言い聞かせながら、友人に向かって問いかける。
「ねえ紅葉、『殺し屋』っていると思う?」
その友人——双葉紅葉は彼女の問いかけを聞いてきょとんと目を丸くする。
それから笑い出すというわけでもなく、ただ意外そうに笑顔を浮かべた。
「ひーちゃん、『殺し屋』って……あの漫画とかによく出てくるアレ?」
「うん」
紅葉の言葉に、ひーちゃんと呼ばれた彼女は返した。
すると紅葉は小さく笑い声を立ててから、冗談めかして彼女に言った。
「さあね? いるかもしれないね、そういうの。美麗おじょーさまに聞いてみれば?」
紅葉の少々皮肉が混じったような声色に、少々むっとした表情になる彼女。
しかし次の瞬間にはすっかり表情を和らげて、ふんわりとした笑顔を浮かべた。
「……まあ、いるわけないか」
そう呟いて、ふと視線を上げる。そろそろ教室へつく頃だ。
ちょうど目の前には、二人の友人と並んで歩いている、先程紅葉の口から名前の出た——葛城美麗が歩いていた。
どうやら紅葉はずっと前からそれを知っていたようで、やっと彼女が確認したことを悟ると、言った。
「ほら、美麗いるよ? 聞いてきたらどお?」
「……うーん」
葛城美麗。執事などがいるわけではないが、お嬢様といっても差し支えは無い。
そんな美麗は何故か情報通で、とにかく色々な情報を持っている。
何度かクラスメイトが「なんで知ってるの?」と聞いたようだが、答えはいつも「さあね、なんででしょう」とはぐらかされるだけ。
実は親が裏社会の人間だとか、美麗自身がもはや裏社会の住人になっているとか、よくない噂が結構流れている。
けれど別に美麗は気取っているわけでもリーダー格というわけでもなく、むしろクラスでは人気者だった。
周囲から怖がれることなどは皆無と言っていいが、よくない噂が付きまとっているのは事実だ。
ただ、美麗の明るさや優しさで打ち消されているだけで——事実がどうなのかは、誰にもわからない。
「あたしが聞いてこようか?」
「べ、……別にいいよ。さっきの話は忘れて!」
駆け出そうと構える紅葉に、彼女は慌ててそう言った。
「えー」と少し残念そうに紅葉が声を洩らす。
「ほら、次の授業はじまっちゃうよ!」
「知ってるよそんなことーっ」
早くその話を終わらせるかのように、彼女は紅葉に声を掛けてから走り出した。
「(あぁ……自分の席に戻るのが辛い……)」
あの時感じた恐怖を再度思い出しながら、彼女は不安そうに表情を歪めた。
**
双葉 紅葉(ふたば もみじ)
※「双葉の名字で名前作ってー!」から生まれた子。
葛城 美麗(かつらぎ みれい)
※はい名字ライアーゲームじゃないかとか言わないの。
美麗って名前可愛いよねっていう友達の言葉から出来た名前。
本当は葛城で違う名前を作ってたんだけど「美麗のほうが葛城にあうんじゃね?」という友達の言葉でこーなりました。
- ありえないよそんなこと!(それがありえるんだよねえ) 2/2 ( No.8 )
- 日時: 2010/06/23 21:37
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
「ねえ」
びくっ、と彼女の体が揺れる。それを確認した柊は、心底楽しそうに言葉を続けた。
「名前、聞いたよ。『ヒマワリ』っていうんだって? 可愛い名前だね」
柊のその声を聞いた彼女——片岡ヒマワリはしかめっ面して柊のほうへと振り返った。
とはいえ授業中なので、横を向く形で目だけを後ろに向けている。
なにか気持ち悪いモノでも見たかのような目をしながら、ヒマワリは柊に小声で問いかける。
「……なんで知ってんの」
「聞いたからだよ。ひーちゃんはどうやら俺が虐められるんじゃないか、って心配してたみたいだけど——」
「ひーちゃん言うなっ」
柊の言葉に思わず普段の声量になりながらヒマワリが突っ込んだ。
周囲からチラチラと視線が向けられるが、今のヒマワリには正直それはどうでもいいことだった。
できれば今すぐにでも柊を殴ってやりたいところだが、今は大人しく次の言葉を待つことにした。
「そういわないでよ。まあ残念ながら、俺は恐怖の対象としてじゃなくて好奇の対象で見られることになりまして」
ああ、とヒマワリは心の中でため息をつく。どうせなら虐められてくれればよかったのに、とやけくそ気味にやはり心の中で吐き捨てる。
げんなりとした表情になりながら、柊を睨むようにじろっと見据え続ける。
「ひーちゃ……片岡さんが出て行ったすぐ後、何人かの男子が話しかけてきてさ。祝、お友達誕生ーっ! ……ってわけなんだけどさ。まあ、残念でしたということで」
「……言いたいのはそれだけ?」
やけに挑発的な口調の柊をじろりとキツく睨みつけてから、ヒマワリはぼそりと言葉を吐き出した。
うざい。とてつもなくうざい。とにかく一発殴ってやりたいという衝動を必死にヒマワリは押さえ込める。
「ん、もう一個あんだけどさ」
にやり。不意に柊の顔いっぱいに口が裂けてしまうのではないかというほど不気味に笑みが広がり——
「『殺し屋』っていうの、言っとくけど本当だからね」
淡々と吐き出された、その言葉。凛とした不気味な響きがあたりに広がり——いや、実際は広がってなどいない。
広がっているように錯覚してしまう、ただそれだけのことなのだ。
洗脳でもされるかのように、長い間耳に残り脳を激しく揺さぶり続けるその声。
「……っ……!」
ヒマワリは思わず、がたんと椅子から大きく音をさせて、前に向き直った。がたがたと、肩が小刻みに震えていた。
「……面白くないなあ。そうだろ、エガオさん?」
後ろからヒマワリに向けて飛んでくる柊の言葉に——片岡笑顔は、ただ黙って震えることしかできなかった。
**
幼い頃から、言われてきた。『可笑しな名前』だと、言われ続けてきた。
ヒマワリという名前は別にいい。問題は、漢字なのだ。普通に向日葵でよかったのに。
何故、私の親は『笑顔』なんてありえない漢字をつけたのだろうか。
憎しみ? そんなモノは別に湧いてこない。怒り? そんなモノも湧いてこない。
ただ湧いてくるのは、親に対しての『呆れ』。ただ、それだけ。
私はこの名前で虐められそうなったこともあるっていうのに。親は何も知らず、能天気だ。
『ひーちゃん、って呼んでいい?』
幼い頃に聞いた、あの子の声が甦ってくる。けれど、すぐに消えてしまった。
あの子とは、とうの昔に絶交したのだ。もう何年も、喋っていない。
声を覚えていなくても、不思議じゃない。
(残るのは、)
(無意味な哀しみ。)
#02 END
片岡 笑顔(かたおか ひまわり)
※なんかの拍子に珍しい名前の話になって、友達が「笑顔でひまわりって凄くない?」って言ったことから。
名字も考えてもらいました。ごめんね有難う。
**
題名と内容関係ないとか言わないでくださいお願いします本当にry

