この世は闇に満ちている。 | ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました！使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
　入力例）鳴(な)かぬなら　鳴(な)くまでまとう　不如帰(ホトトギス)

この世は闇に満ちている。: 日時： 2010/06/19 07:29; 名前：暁空（ID: 0GBTQYJS）; 暁空（あかつきそら）と言います。
シリアス小説が自分自身大好きで書き始めた物です。
指摘がありましたら、遠慮なく……。

Page:1

この世は闇に満ちている。第1話 ( No.1 ): 日時： 2010/06/20 12:45; 名前：暁空（ID: p2pYjaNT）; 「新坂ー。新坂明はおらんかー？」
　授業中、突然居なくなった男子生徒。その生徒は、休憩時間にいつも教室を一人で出て行く。友達は居ない。
　だが、今のような事態は初めてだった。
　授業中、教師が職員室に忘れ物を取りに行ったたった３分のことだった。

「新坂くん、たぶん頭がおかしいんじゃない？」
「放課はいつも一人だし」

　教室から出て行ったにも関わらず、出て行った形跡は全くない。しかも、それを見たという生徒も一人も居ない。同じように、教師も職員室から帰ってくる途中に新坂を見ることはなかった。

「新坂を探してくるから、ちょっと自習な。静かにやるようにな」

　その時、外の風が勢い良く吹いた。

「新坂、やっぱおかしいんじゃない？」

　一人の男子生徒が、口を開いた。その周りの生徒も、シャープペンシルを止めて会話に入る。

「やっぱり嘘なのかな」
「嘘、つくんだ。あいつ」

　また一人の女子生徒はにこにこ笑っていた。

「新坂明は、予言者であり暗殺者だから、」

　そして、小さな声でたしかにそういった。