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勇者との冒険記
日時: 2010/06/22 18:12
名前: ガゼル (ID: gM9EmB37)

はじめまして、小説を書くのはこれで2作目です。
あまり自信がありませんが、コメントどんどんお願いします。

〜プロローグ〜
英雄に憧れる平凡な能力の旅人が才能溢れる青年剣士に出会うことにより始まる異世界の英雄物語。彼らの行く先に待っているものとは?歴史は常に刻まれていく!


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Re: 勇者との冒険記 ( No.1 )
日時: 2010/06/22 18:17
名前: ガゼル (ID: gM9EmB37)

出会い、1

ついていないとしか思えない。

今回は楽に仕事が終わり、神様に感謝をしたら、嫉妬した幸運の女神様がどこかに行ってしまわれたようだ。


そんなことを考えている間にも、後ろからは私の大勢のファンが追っかけて来ている。

人間であるならば、多分嬉しいのだろうがね。

生憎、皆さんは真っ黒なでっかい蜘蛛なんですよ。
俺は皆さんに追われる程、魅力的で美味しそうな身体じゃないでしょ。これでも、痩せてる方ですよ。貴方たちの一食分にもなりません。
勿論のこと、美味しく召し上がられては困るので、森の中を一生懸命逃げさせて頂いている。


何でこうなってしまったのか。先に言ったように楽な仕事だった。今さっきまで

綺麗な水源の近くにしか育たない薬草を森にある泉から採ってくる。それだけで、1G(ゴールド)と破格のお値段。一泊一食の金も手元に無い俺には、まさに神のお恵み。

ただし、その泉には、鬼蜘蛛っていう60〜80cmぐらいの蜘蛛の魔物が住み着いているというおまけ付きだ。

だが、俺ぐらいの弱者でもそこまで恐れる魔物ではないし、一日で片付く仕事ということで両手を挙げて引き受けた。
そして、運が良く住居者不在であり、泉にて薬草を勝手に採集させて頂く。いやぁ〜、我ながらついてる。いや、そこまでは我ながらついてた。


ここで、自分自身の日頃の行いの良さと神様に感謝して村に帰ろうと思った矢先、蜘蛛さんの帰宅に出くわしてしまった。
さらに、しっかりとこの新居でお子さんを沢山お作りになったようで、家族総出の9匹でお出迎え。
一匹ならば、お相手しても良かったのだが、さすがに、俺みたいな未熟者にとって、家族全員からのおもてなしはご遠慮させて頂きたい。大家族とは聞いてないよ。

Re: 勇者との冒険記 ( No.2 )
日時: 2010/06/22 18:18
名前: ガゼル (ID: gM9EmB37)


そんなわけで、俺の熱狂的なファン一家の足音に注意を払いながら、森の中で息を切らしながら全力疾走している。
チクショー、蜘蛛の癖に何でそんなに足が速いんだよ!

心の中で悪態をついたせいなのか、感謝してやった神様にも裏切られたようである。
目の前には、二つの真っ黒な影。敵ながら天晴れ、待ち伏せである。
地獄のマラソン大会のゴールは予期せずに訪れた訳である。


有難いことにファンたちは、俺が止まった途端に飛びついてくることなく、ジリジリと包囲しながら寄って来てくれた。
おかげで、マラソンで乱れた息を整え、ダメ元で蜘蛛の御一家のお相手をする覚悟を決めることが出来た。
本当に泣きたく成る程感謝しないよ。
さらに嬉しくないことに、その間にしっかり逃げられないように囲んでくれていた。


 震える手で腰にぶら下がっているショートソードを抜く。
餌になるのをどうにかして回避するために、パニックで回らない頭を回してみる。

どんな魔法がこの場で有効か?この状況、威力の高いのを使いたいとこだが、魔法陣を描く時間も膨大な魔力をためる時間も長い詠唱時間も待ってはくれないだろうな。
まぁ、時間があったとしても、この状況を打開出来るような陣や呪文なんて俺の頭の中に存在してないしね。
なんて、己の無能さに落胆していると、蜘蛛さんがリンチを開始した。



俺にしては良くやったほうだと思う。

正面から飛び掛かってきた蜘蛛は剣で叩き斬り、右から来た二匹には、呪文の要らない低威力の雷魔法を浴びせてやったと同時に左からきた蜘蛛を斬りつけた。

11匹中4匹素晴らしい戦果である。

しかしながら、背後からの強力なタックルを受けて、前倒しにされて地面に口づけ。
俺のマグレの快進撃もここまで。
後は、俺の背中にいる勝利者の餌になるだけである。


 ところが、俺の頑張りを認めてくれたのか、やっと幸運の女神、いや、幸運の勇者様が舞い降りた。


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