ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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However, it is impossible
日時: 2010/07/10 17:24
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

取り合えず亜麻色の海賊が終りそうなので(亡者の憂鬱はどうした?)
次のを書こうと思います。
直訳すると、
『However, it is impossible』、『しかし、それは有り得ない』
です
2作書いておいて、話に行き詰ったら別のを書くと言う方式を取っていたため、一応生命線です(オイ
でも、仕方なくではなく、本気で書くので勘弁してください

>>2  Prologue
>>4  Episode1    殺し合う『ふたり』
>>5  Episode2    ヘキサリア社
>>6  Episode3    蘇生者
>>7  Episode4   暗示

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Re: However, it is impossible ( No.3 )
日時: 2010/06/26 16:15
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

了解です!
ネタバレですが、亡者の憂鬱のもう1人、ビルから転落死した男の子の方を主人公にしたものにしようと思ってたので丁度良いなと…

Episode 1  殺し合う『ふたり』 ( No.4 )
日時: 2010/06/29 15:57
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

夏の夜は、生ぬるい風が心地良い。
今にも刃物を使って襲ってこようと言う者が居たとしても、
気持ちよく感じる。

「ったくよォ、今の時代ビルの屋上で生きるか死ぬかのデスマッチってセンスはどうかしてるぜ、黒鳶ィッ!」

俺を相手取っている女は、刺身包丁を構え、
こう告げた。

「そうかもね!死ぬのは君!決定!」

単語でしか帰ってこない、余程の興奮状態にあるらしい、
会話が成立していないような気がする。
この女は、今居る屋上に来るまで俺を追い回し、
途中の30フロア全てを火の海に変え、
警察すらここで起きている戦闘を止められずに居る。
この今居るビルの屋上は、パイプが連なり足場が悪い。
相手の小さな足にはパイプの隙間に入るのでいいかもしれないが、
俺の場合、パイプの隙間に躓く。
よって、速く勝負をつけるべきだ!
相手が…動いた!
俺もパイプの上を飛び回るかのように間合いを詰め、
持っているバットを振り下ろす!
……バットは隙がデカイ、当たらないな。

「逃げる以外に脳が無いのかッ!」

「そうかな?どうだろうね?……どうだと思う?」

その会話の直後、俺の脚にロープが撒きつきビルから弾き出した!

「クソ!トラップか!黒鳶も落ちている !? 」

多分、トラップに自分も引っかかったと言う所だろう、
俺達は30階のビルから、 約45m下の地上へと落下していく!
ここで落ちれば確実に死ぬし、落されればそれまでだ、
下で張っている警察のクッションなど、
落ちていく時の衝撃で軽減できる量の衝撃を吸収した所で死んでしまうのは目に見えている、
ただの気休めでしかない!

「う゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛ !! 」

地面が目の前まで迫ってくる!
飛び降り自殺は地面に当たる前の落ちている途中で死んでしまうと言うが、
どうやら俺は途中で死ぬタイプでは無いらしい。

「クッソ!何で途中で死なねーんだよ、落ちた時がイテーじゃねえか」

そこで、俺の人生は終るんだ。
短い、ワケのわからない、存在意義の無い人生が……。

Episode2  ヘキサリア社 ( No.5 )
日時: 2010/07/10 17:34
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

ピー…ピー…ピー…
目覚まし時計の音?もう少し寝かせてくれよ、
嫌な夢見て汗だくなんだからさ…。
しかし、その゛嫌な夢"を現実の物と知らしめる、
とても嫌な最悪の言葉が俺の耳に届いた。

「血圧上昇、心拍数は正常です」

「よし、テルミサルタン注射をしろ!」

この台詞、よく聞くな。
病院とかでよく、死にそうな人に…。
病院とかで?死にそうな人に?

「う゛………」

「意識が戻ったぞ、F棟の6号室へ運べ!拘束して点滴だ」

……拘束して…点滴?
それってまるで、

「俺に何をした?」

「やあ、お目覚めか?秋風 翔 君」

「ああ、目覚めの気分は最悪だ。……で?俺は一体全体何をされた?」

白衣のそいつは軽くこちらを見て、
その後にずっと向こうの部屋の端にあるカプセルを見た。

「君はね、生き返ったんだ。僕もビックリしたよ。まさか2000年前の死体が現代になって蘇るなんてね。その蘇った君を、不老不死の研究材料にするんだ。中々面白そうだろ?」

不老不死の研究材料 !?
冗談じゃない!

「まさかそれを俺が引き受けるとでも思っているのか?」

「いやいや、君に断る権利は無い。今の君は死人だ。人権も無ければ存在すらない」

「ふざけるなよ、俺は再び死なないといけない。友人も、家族も、知人すら居ないこの世界で生きたくなど無い、今すぐにでも殺せ!」

「残念だな、君の友達なら生き返るかもしれないのに。君の研究が進めばだけど」

…………

「…本当か?」

「もちろん。このヘキサリア社に不可能など無い」

Episode3  蘇生者 ( No.6 )
日時: 2010/07/02 17:22
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

この会社は、殺し屋の集団らしい。
それに、俺の聞かされた話だと、魔法というものを使う。
その上、信じたくは無いが、今は西暦4000年らしい。
なんともワケのわからない事になったものだ。
取りあえず俺に与えられた仕事は、俺と同じ生き返った者、
つまりここの会社の言葉では、蘇生者の探索、
及び回収らしい。
この会社の長い会議に俺も出席して、
俺はこの会社で実験体として魔法教育を受け、
平気の開発に協力すれば自由な仲間の居た時代へと返してやると言われた。
この会社は怪しいが、今はそれを信用するしかない。

「で?蘇生者特有の魔法電波を感知する装置を付けられた状態で街中歩き回れって?」

「そうだ、腕時計…が分かりやすいだろう」

取りあえず言われるがままに装置を付けられ、
会社から放り出された。
"散歩をしている気分で周囲を歩き回ってみるとしよう"
そんな気分で歩き初めて6分後、腕時計が振動している…?
その不快な振動を、スイッチをがむしゃらに押して止めた。
その時だった、そいつと遭遇したのは…。

「ねえ君、これからおじさんたちといい所行かないか?」

ナンパされていたが、そんなことはこの際どうでもいい。
取りあえず様子を見ていると、驚いた事にそいつはナンパしてきたオヤジ1人に見事な蹴りを放ち、
吹き飛ばして、後ろで光り始めたチューブ入りネオンを砕いた。
それを見て、残りの2人は恐れをなしたように逃げていった。
確かめついでに会社へ連れて行くとしよう。
そう考え俺はそいつに声をかけた。

「貴方は…生き返った人間だそうですね?」

「私?ええ、おかげ様でよく分かんないけど生き返ったみたいね」

「俺と来てもらう」

「一緒に行くって…何処に?」

完全に警戒されている、しかし今はそんなことなど構って入られない。

「何でも良い、俺はお前を組織に連れて行く任務がある。腕をもごうが足をもごうが、生きてさえ居ればいい。大人しく俺に付いて来るか、半殺しにされて引きずられるのが良いか選べ。5秒以内だ」

ああ、俺って何でこんな短気なのだろう?
その言葉には明らかに殺意が篭っていて、
俺自身殺し屋を前世でやっていたのではないのかとまで思った。
今の今まで鳴いていたカラスはその言葉一つで泣き止み飛び去るし、
セミですら沈黙する…なんだか悲しい。
取りあえずカウントダウンを開始した。

「…5…」

「…4…」

「…3…」

「…2…」

「…1…0…。お前を壊して持って帰る」

「出来るものならね」

この姿と言い、この気が強い事と言い、
本当に黒鳶ソックリだ。

Episode4  暗示 ( No.7 )
日時: 2010/07/10 17:24
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

その、流が転生したかのような女と俺の周りに見物に来た野次馬共が周囲を囲む。

「良いぞ!ネェチャン!」

「殺せー!!」

軽く野次馬にはイラッと来る。
何だか回りを飛ぶ蝿みたいな、そんな苛立ちが…。
そしてまた、俺は相手を怯ませるがために、
心無い事を言う。

「解体を…始めようか!」

ああ、我ながらやはり敵キャラの言う台詞…。
そう思いながらそいつに突っ込む!
奴は…後ろへ引かず前へ出る !?
そして、俺に攻撃をするかと思えばす通りし、
先ほど吹き飛ばしたオヤジのぶつかったネオンのチューブを手に取る!
マズイ!鞭だ!
その鞭は、早い!鞭鞭というが、鞭と言う武器はモドキですらとんでもない威力に達する。
硬い紐を思いっきり振ると、何にも当たっていないのにバンッと言う音がする。
それは、音速を超えたがためにでる、衝撃波がぶつかる音!
それが、俺の背中を捕らえる!

「う゛ッ!何するんだよ、いてぇじゃねえか」

ついつい本性が…。
しかし、多少の事は生き返ったばかりのコイツには分からない!
口調なんて気にする余裕など無いからだ!
その攻撃で、フードが取れたが、まだ仮面がある!
会社でもらった、気力が尽きると自動的にワープさせられる仮面だ、
最悪倒されても平気だが、確保しなくては!
とっさに最近得たばかりのコントロールの効かない電撃をとばす!
奴の持っているチューブのネオンが色鮮やかに点滅したのを見て相手も俺の力の事を悟る!

「君…何者 !? 」

「ただの暗殺会社の社員だ」

「まるで超人ね!」

相手は地面を蹴り、一気に間合いを詰め、
一撃で決めるつもりで鞭もといチューブを俺に叩きつける!
とっさに手に集中していた電撃を全身に分散し、
チューブを自分でも驚くほど驚異的な速さで掴む!

「お前の身体能力も超人的だな。悪いが壊すぞ。生き返ってここに居る理由を探していたのだろうが、俺達にはお前のような蘇生者が必要なんだ」

そういい、再び驚異的な速さで体が動き、
相手の腕を掴む!
掴んだとたん、回りの群集の隙間から小さな石が恐ろしいまでの威力で俺に叩きつけられた。

「そこまでだ、その女は我が会社がスカウトする」

現れたのは…黒髪の男!
話に聞いたサタンと言う魔王か !?
未来に魔王という存在が居る事自体、固定概念をぶち壊すが、
それ以前に気をつけろといっていた相手で、
なおかつ幹部クラスが束になってかすり傷一つつかなかったと言う事まで聞かされた!
しかし、俺には電撃が有るんだ、負けるわけが無い!
そう、考え無しに突っ込んだのが間違いだった。
奴は、電撃を避け、弾き、俺に近寄らずに吹き飛ばしてまで見せた。
敵う相手ではない、無かった!
そんな敵に戦いを挑んだ事を後悔しながら、
仮面が俺を会社へと飛ばした。

「あらら、あれほど言ったのに。魔王に喧嘩を売るなって」


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