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人として軸がぶれている 完結
日時: 2010/07/17 17:00
名前: 羽留 (ID: fLPAPacp)

注意↓

@死に関する用語多数
@ぱそこん用語多数
@内容が変
@繋がりが変
@意味不明
↑の事が良ければ↓へ

登場人物

@東京汰(16歳)
主人公。
青山一二高校に通う、ごく普通の一般人。
なにかといつも「めんどい」と言って休み時間はいつも図書室でハリー・ぺッターを読んでいる。
比呂と小学校が一緒だったが中学を離れて高校で再開。

@林比呂(16歳)
主人公の親友。
暑苦しい友情物語に目がなく、熱血。
好きなことは運動、嫌いなことはじっとしてること。
「やれば出来るっ!」がモットー。
だが…中学生時代に…。
そして裏の顔が…?

@結城洙羅(15歳)
全て謎。過去になにか背負ってる…?

本編には出てこないけど番外編で出すつもりの人物↓

@坂本直樹
がんの病気とかなんとか。
病弱で、ほとんど学校に来ない。
が、本当は…?

@坂本流狸
直樹の妹。

とりあえずこんな所でしょうねー。
では、始めます。



ある、昼休みの時間、俺は図書室に居た。
…この本なかなか面白いんだよな。
ハリー・ぺッター…ついつい読み浸ってしまう。
本当、面白い。
青春の汗とか流したくないもんな。
…ちなみに俺は帰宅部だ。
「おっ京汰っここに居たのかよ」
きょうた。
俺のことだ。
「んっだよ…」
話掛けて来たのは親友の比呂。
だりぃ…またサッカーの誘いか?
それだったら断るけどな。
めんどくせぇ…夏なのによくサッカーとかやるよな。
見習いたくない。
比呂は何かと熱い。
人情に厚い。
ご○せんを見て泣いていた程だからな。
「や○くみ…かっけぇ…うぅっ…」
とか。
なーんだアイツは。
…あ、サッカーの話だっけ?
はいはい。
「サッカーやろうぜっ」
予感的中。
コイツが来るとだいたい…いや、百%の確立でサッカーなのだ。
…さっきも言ったが俺はさらさらサッカーをする気はない。
断ります。
という前に丁度良くチャイムが鳴った為、教室に戻ることにした。
が、思い出した。
そうだ。吉川先公に呼ばれてたんだった。
…行くか。

職員室…いねぇ…教室…いねぇ。
俺はありとあらゆる場所を探した。
もう、すみずみを言っても過言じゃないだろう。
そして諦め教室に帰ろうとした時
「—うっう—…」
えっ—。
泣き声…誰かが泣いている。
どっから…。
と言っても周りには2年D組しかないけど。
…ってことは2年D組の教室…。
もう使われなくなったけど。
数十年前にここで自殺した女子児童がいて、それからというものの、幽霊目撃情報が相次いでいる。
…ってそのゆうれっ…
俺の嫌いな物ベスト一は幽霊だった。
もう無我夢中で走った。
途中で先公に「待ちなさーい」とか言われたけどそれどころじゃないんだってっ。
ゆっゆっゆっ
ユーレイが出たんだよっ!

もう俺は必死で逃げた。
教室なんて過ぎて下駄箱の近くに居た。
久しぶりにあんなに走ったなー…。
あー汗掻いた。
…ん?俺の靴箱になんか入って—…
≪東 京汰君へ

今日の放課後告白するので屋上で待ってます。
1人で来てください。≫

え?
ラブレター…っていうのか分かんないけど…ラブレターっぽいのは嬉しい。
人生初だし。
でも、フリーズしてしまう。
おかしい所あるだろ。
どう見たって。
まず、≪今日の放課後≫
ここまでは良いよな。
≪今日の放課後告白するので≫
え。
おかしくないすか。
なら手紙で告白しろよって感じでして。
おかしい。
送り主の名前書いてないしっ。
…文章をあんま書いたことのない子…とかかな。
楽しみだったりする。
俺はるんるんとスキップしながら教室まで戻って行った。

まだ知らなかったんだ。
というか屋上に行かなければ。
あんなことにはならずに済んだのに—


放課後の屋上は静まり返っていてなんだか落ち着かない。
—まだか送り主。
十分分経過。
三十分分経過。
四十分分…。
もう待ちきれない。
空も薄暗いし。
帰—
がたん
えっ。
がたん、というのは屋上の扉を開ける音だった。
てことは—
後ろを振り向くと、髪がストレートでスタイルの良い美少女が一人立っていた。
この人が送り主か?
「東くん、ですか?」
その声の高いことったらない。
そして可愛く首を傾げる少女。
「あ、はい—貴方は—」
「結城、洙羅です」
ゆうき、しゅら?
可愛い名前…。
てか初対面ですけどっ。
なんもこの子のこと知らな—
でも、この子となら付きあっても…


「とりあえず、死にましょ」


は?

「だから、これ、貸すから死にましょ」
そう言って渡されたのはRiJ…?と書いてある薬瓶。
てか、これ何…ってか。
し に ま し ょ
って。
んっと。
死ぬって。
シヌ?
新種の犬か。
あぁ、なるほど…。
ってっ俺生まれて初めてノリ突っ込みしたよ。
「早く、時間がないのでちゃっちゃとそれ飲んで死んでよ」
あ、そうなんですか。
時間がないならちゃっちゃと死にま…って。
ちょっとっ…。
この子、狂ってるっ…っ。
てかRiJって。
前理科のなんかで見たことある。
≪痛み止めだが副作用で頭がおかしくなり記憶が飛ぶ≫
だっけ。
もうさ、はっきり言っていいのにね。
狂うってさぁ。
フクサヨウ。
って。ちょっとさ。
「あ、肝心な言葉言うの忘れてました。
好きなんで付きあいましょう」
っと。
この結城って子は俺が好きで。
この結城って子は俺に死ねと。
好き…死ね…。
え。
どゆ意味?
意味がワカリマセン。
ナニゴ、デスカ?
この子瞳茶色だからアメリカのハーフ…。
ってことはアメリカ語かな、アハハハハ。
ごめん俺英語二だからさぁ。
わかんねーや。
「死んでって言ってるんです」
あはは。そうでした。
じゃあ死にますか。
って言って死ぬ人がどこにいるのか。
「さっきからあんた何言って—」
「本気です。」
きっぱりと言われてしまった。
ここで怖気づいたら駄目、負けだ。
言い返さなければっ。
「これを本気で言うって君そうっとー狂って」
「本気です。」
またかよ。
重複ありっすか?!
ちょ、ちょ、ちょ。
あまりの疲れに腰をその場に下ろした。
「…あのさぁ、俺の事好きならなんで死ねなんていうわけ?」
即答された。
「愛してるからです」
アイシテルカラ。
なら、なんで?
謎が増えた。
「君は俺を≪愛してるから≫死ねって言うの?」
すると彼女も腰を下ろして、俺に顔をぐっと近付けて、こくんと頷き、次に彼女から出てきた言葉は、
「接吻して下さい」
いきなりかよっ。
てか、なにを…。
せっぷん。
キスってことだよねぇ。
あは。
なんで。
なんでこんな俺に死ねって言う子にキスしなきゃ?
それは恋人同士がするんだろ、普通。
ここはがつんと言ってやんないといけないよな。
「断る。なんで好きでもない子にキスしなきゃいけないんだよ」
また即答で返された。
「じゃあ好きになってください」
「は?」
「好きじゃないから接吻出来ない。なら、好きになってくれれば問題ありませんよね」
問題大アリ☆
今すぐに好きになるのなんて…は…無理無理。
京汰君無理☆てへ☆
なーんて言ってる場合じゃないって。
「東くん。
私に接吻したら薬を飲んでそっから飛び降りてください」
そっから。と言われて彼女が指したのは緑のフェンスで、そこに登り落ちたら間違いなく死ぬであろう。
「大丈夫です。この薬、痛み止めなんで落ちても死ぬだけです。痛くないです」
なにが?
なにが大丈夫?
まず結城…って子の頭が普通じゃない。
まるで、病んでいるような—

あ。

思い出した。

前、ヲタな妹から教えてもらった記憶がある。
「ねぇねぇ京兄知ってる?
やんでれってゆーのがあってねぇ、やんでれってゆーのは、人を好きになると殺したくなるんだよっ!
病んでるよねぇ」

それだ。
彼女は。

「病んでる」

「はい?」


「君は病んでる」
そうだ。
この子は病んでる。
頭がおかしい。
狂ってる。
クレイジーだ。
もう、駄目だ。
何を言っても通じない。無駄だ。
「………死ねって何回言わせればいいんですか。
…あぁ、分かりました。自分で死ねないんだ。
甘えん坊さんですね。じゃあ、私が殺ってあげます」
死ねって何回言われても俺の気持ちは揺らがないってっ。
てか、甘えてないし!
てか、殺ってあげますって—
なんて思ってるうちに彼女は果物ナイフをスカートの中からそっと取り出した。
…動揺しちゃ駄目だ、ここはしっかりと—
「えーこほん…
君、そういう物は物騒だからしま—」
言い終わらないうちに首に果物ナイフを突き付けられた。
今度下手な真似したら確実に殺られるであろう。
「指図しないで」
「ハイ」
もう緊張…っていうか手が震えてる。
これは恐怖から来ているのだろう。

「私、東くんのこと好きです」

初めてまともな告白が出来たネ。
偉い偉いっ☆
…ってええぇぇ?!
ここまでしても好きってっ
おかしいだろ!
てかこの状況!
「好きなんで、殺したくなるんです」
好きだから殺したくなる。
ヤンデレ。
おかしいよ。
「私達は愛し合って、それで、死ぬんです」
もう、我慢の限界が訪れた。
「いい加減にしろよっ!お前の我が儘で命1つ無駄にする気かよ!」
精一杯の声で俺は怒鳴った。
そして緑のフェンスをバン、とぶっ叩いた。
これにはやはり人間だ、彼女もビビったらしい。


あれからどれぐらいの時間が経っただろうか。
10分かもしんない。
20分かもしんない。
もしかしたら30分かも。
そんぐらい沈黙が続いた後、最初に口を開いたのは≪結城≫だった。
「………さっきは良い驚きっぷりでしたね、東くん」
「え?」
オドロキ?
「2のDで泣いてたの、見たんでしょ」
あっ—
さっき泣いてたのはこの子だったんだ。
うわぁぁ…幽霊じゃなかった…。
「見た。そう、見てしまったから。
貴方が見なければ良かったんです。
そしたら、死ななくて済んだんです」
は?
ミナケレバヨカッタ?
ソシタラ、

シナナクテスンダ

何俺死んだ設定になってるんだ。
「何死んだことに—」
「これから死ぬんです。
いえ、殺してあげますから」
殺す殺す言ってても殺されなかったから今度も本気じゃないだろ。
いや、油断なんてしなきゃ良かった。
すると彼女はナイフをばっと振りあげて、俺の頭に向かって—

もう—終わった。
俺、死んだんだな。
即死だったのだろう、痛みが全くない。
眼を閉じているから回りは分からないけど多分—天国か…地獄か。
ゆっくりと眼を開けると…そこは地獄なんかではなかった。
勿論、天国でも、ない。
ただ、少女が一人、泣いていた。
そう、≪結城≫が。
「えっちょ—あのっえっと」
悩んだ。
俺はこういう場合どうしたらいいかわからない。
「聞いて、くれますか?」
「え」
なにをだ。
てか、いきなり、…なにをだ。
「私、人の愛し方が分からないんです」
アイシカタ。
「好きだから殺したくなるんです」と、さっき彼女が言ってたっけ。
だから彼女はあぁやって俺を殺そうと?
「分かんないんです。本当に」
そこまでならなんとか平常で受け流せたけど、次に出てくる言葉は受け流せなかった。
そんな、軽い問題ではない、ということだ。
「小学生の頃、よく殴られたんです。
お母さんに、フライパンとかそういうかたい物でもう一回二回じゃないんです—何—いえ、何十回も…。
包丁とかで腕もザックザック切られました」
なんてことだ。
この子は、この子は、
虐待を受けていたのか。
すると彼女は半そでの制服を肩までめくって—そこには包丁でザクザクと切りつけられた痕がしっかりと残っていた。
「君のお母さんって—」
すると手で俺の口を押さえつけられた。
「お母さんの悪口、言わないで…下さい…。
—私の家あまり裕福じゃなくて生活苦しかったんです。
父は他の女と遊び歩いて…私が小二の頃出てって、それっきり…。
お母さん、私が寝た後いっつも泣いてた。
そんなお母さん見るの、辛かったんです」
顔には出さないけど、
彼女にはそんな辛い過去が?
それで、愛し方が…。
「それで」
まだ続きがあるのか。
「お母さんいっつも、いっつも苦しそうな顔で…。
…ある日私、テストで悪い点数取っちゃったんです。
それで、お母さん私のことバチーン…って。
殴られたんです。
…快感を覚えたんでしょうね、それからお母さんは毎日毎日私を殴ったり蹴ったりするようになって。
でも…耐えられた。
私を殴ってる時のお母さんは笑ってて、唯一私が出来ることだなって—」
違う、違う、違う!
「そんなことないっ!」
唯一私がお母さんに出来ることは殴られること?
冗談じゃない!
もう、心の感情より先に体が動いていた。
「じょうっだんじゃない!
君には他にもお母さんが喜ぶことしてあげられるだろっ、お手伝いだってしてあげりゃぁ喜ぶ!
肩を揉めば機嫌が良くなる!
それに」



「娘の笑顔を見られることが母親にとって、親にとって、一番の幸せだろ!」



そうだよ、そうだ。
娘の笑顔を見て、不愉快に思う親なんて、いねーんだ。
自分に自信を持て。
もっと、自信を。
彼女はさっきよりももっとボロボロと涙を零していた。
「ご、めんなさい。
あんな、こと言って」
「いいって、分か—」
「それと」
え、俺話してんですけどっ。
ちょちょ、ちょ。
人の話に割って入るなって!

「改めて、言います。
好きです。付き合って下さい」

はは。
俺は笑ってしまった。
返事?決まってんじゃん。
…うおっはずい!なーんて思わない。
もう、恥ずかしさとか飛んじゃってる。
返事は一つだけだろ。




「喜んで———」

ってね。

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Re: 人として軸がぶれている ( No.3 )
日時: 2010/07/13 20:31
名前: 希海 (ID: dTbIpO5j)

おもしろかったです!

応援してます


ぷは、ははははははは

Re: 人として軸がぶれている ( No.4 )
日時: 2010/07/14 15:59
名前: 羽留 (ID: fLPAPacp)

希海>

ありがとうございます^q^

Re: 人として軸がぶれている 完結 ( No.5 )
日時: 2010/07/14 19:42
名前: 希海 (ID: dTbIpO5j)

虐待ですかー

ザクっと…

はは、ふふふ

Re: 人として軸がぶれている 完結 ( No.6 )
日時: 2010/07/17 10:15
名前: 羽留 (ID: fLPAPacp)

希海>

ザクっとです^q^

Re: 人として軸がぶれている 完結 ( No.7 )
日時: 2010/07/25 08:07
名前: 羽留 (ID: kws6/YDl)

違う方で番外編も書いておりますので、良ければそちらも宜しくお願いします<(_ _)>by羽留


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