ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 黒い世界の処刑人。
- 日時: 2010/07/13 22:16
- 名前: 時雨 ◆5IxW6Su6n2 (ID: 6XpHmYt9)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=Yvnp7Q9nA8M
知らないよ、そんな事。
_〆ご挨拶
おはようございますこんにちはこんばんは初めまして。何かすいません。
今回はどこかにあったような、でもどこにもないお話を目指してのんびりまったり書いて行こうと思います。要するに趣味と妄想の吐き溜め。時々よろしくない表現もあるかもしれませんのでご了承を。エロとかグロとか。
そんなノリでやっていく終わりの見えないお話ですが、宜しくお願いします!
_〆おはなし。
はじまり >>1
ひとつめ。
一話 >>
_〆寄り道
イメージソング「自暴自棄自己中心的(思春期)自己依存症の少年」/RADWIMPS
(参照)
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- Re:私の死んだ日。 ( No.1 )
- 日時: 2010/07/13 12:11
- 名前: 時雨 ◆5IxW6Su6n2 (ID: 6XpHmYt9)
- 参照: さあ、物語の始まりを。
その日の私は、珍しく懐が暖かかった。
そう。何時もなら昼食にコンビニにある安物のサンドイッチを3つ程買ってギリギリ2ケタ残る位の所持金が、ちょっと大きめサイズのサンドイッチ5つに加えてペットボトルのお茶も買ってまだ3ケタ以上残る位にも膨れ上がっていたのだ。ただ、それでも大分前に買った大きすぎる財布が膨れる事は無かったのだが。
何はともあれ、昼食は手に入ったので学校に戻ろうと、「ありがとうございました!」という元気な声に送られてコンビニを出て横断歩道を渡ろうとした時だった。
横断歩道の丁度真ん中に差し掛かった時、どこからか車が道路を走る音と共にパチパチと言う火花の散る音が聞こえてきたかと思えば、それは私のいる方向へと一直線に向かって来ていたのだ。道路の規定などにあまり明るくない私でも、その車がスピード違反の速度で走っているらしい事は明確だった。
そして私は、その車に丁度ぶつかる位置に立っていたのだ。こんな状況でも冷静に考えられる自分を賞賛したいと思う。
案の定、少し経って近付いてきた車に逃げる事も出来なかった私の体は空中に跳ね飛ばされた。
体が地面に打ち付けられた時、死んで逝く事を本能的に感じたのを覚えている。
その瞬間、まるでテレビの砂嵐のようなノイズと共に私の視界はフェードアウトした。どうやら人は死ぬとこうなるらしい。
……嗚呼、まだ昼休みは始まったばかりだったというのに!
- パターンA:神宮原威月の憂鬱 ( No.2 )
- 日時: 2010/07/13 19:22
- 名前: 時雨 ◆5IxW6Su6n2 (ID: 6XpHmYt9)
- 参照: 終わりの始まり、の切っ掛け。
その日のオレの機嫌が物凄く悪かったのは、あの上司のせいでは決して無い。というかそう思いたい。
ただ、上司が俺の一番嫌いな仕事を押し付けて来たのは事実だし、そもそも普段からミスが多い癖に何時も俺達のような下っ端のせいにするのは間違いだ。そういう意味では俺が上司に対して腹を立てていても不思議では無い。ただ、今日は上司は休みだったのだ。何でも厄介な病気に掛かったとかで。馬鹿は病気にならないって聞いた事あるけどそれは違ったんだな。
……話がそれた。
兎に角俺は上司が死ぬ程嫌いなのだが、あいつのせいで機嫌が悪いなら今頃俺はあいつの家に奇襲でも仕掛けて暗殺してると思う。だからそれは違う、と思いたい。
だったら何でこんなに機嫌が悪いのかって話だが、今まで延々と語ってきたのがそれについての俺の考察。でもまあこれだけ考えても分からない物は仕方がない。
そんな下らない事をつらつらと脳内で語りながら世界を渡って来た訳なのだが、どうやら今回の仕事先は本当はまだ70年は生きる奴らしい。何で死にそうになってんだか。いやもう死んだのか。
「……おい」
未だにどうすればいいのか分からないらしくその場をうろうろしてたそいつに話しかけてみた。何だ、ただのガキじゃん。そのガキで俺の機嫌は一気に上昇する事になるなんてそんな事その時の俺には予想もつかなかった訳だが。
「……何?」
こいつも他の奴みたいに死にたくない死にたくないと泣き叫ぶと思ったのに、何でか俺を見ても驚きも泣きもせずに退屈そうな目でさも面倒くさそうに返しただけだった。……正直、これには少し驚いた。
俺の正体と目的をバラしても、特に何も言わずにだんまりしてるだけ。ちょっと脅かそうとしてみても「……へー」の一言。相当参ってるのか、それともこれが素なのか。
「……お前、もっかい生きてみねぇ?」
前者だったらこれは撤回しようか。どうせこいつも同じだろう。そう思っていたら、予想外の答えが返って来た。
「……は?」
特にすがる様子も無く、単に驚いたような顔でそう言っただけ。……へぇ、面白い。こいつならあの話を持ちかけてもいいかもしれない。断られたらそれまでだが。
「詰まる所、俺と取引しねぇか、って言ってるんだよ」
「……何」
本日二回目の台詞と顔。でもその目に僅かに光が見えた所から、どうやら興味を持ったらしい。俺は構わずに話を続ける。
「俺はお前を生き返らせる。で、その代わりにお前には俺の「契約者」(パートナー)になってもらう……どーよ?悪くねぇ話だろ?」
ま、立場が逆でも俺は絶対にこんな取引に乗らない。まぁ、契約者としての仕事を知っているからこそ言える話なのだが。
「……何それ」
「つまりは俺の仕事を手伝え、って事」
そいつは俺の言葉に何を思ったのか、少しの間考えてからこう言った。
「……分かった」
まさか肯定の言葉が来るとは思いもよらなかった俺は、多分その時相当の阿呆面をしていたのだと思う。
「……正気じゃねぇぞ。お前」
いきなり会った奴、しかも死神なんて如何にも怪しい奴の取引に乗るなんて。そう言ったら、その女はどこか楽しそうな顔で笑った。
「狂ってて結構!」
……やっぱこいつ、面白いわ。
俺も小さく笑って、そいつの額に人差し指を付けて呟いた。
「……<δ>」
意味?決まってんだろ。ただの呪言だよ。死神と「処刑人」(コロシヤ)の契約呪言。
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- Re: 黒い世界の処刑人。 ( No.3 )
- 日時: 2010/07/14 21:08
- 名前: 時雨 ◆5IxW6Su6n2 (ID: 6XpHmYt9)
- 参照: 夢と現実とその狭間。
最初に見えたのは、自分の家の天井だった。次に見えたのは、見間違える筈も無い。自分の部屋にあった箪笥。……あれは、夢だったのか?疑うのも無理は無いだろう。何せ、私には死神とか言う男が何かを呟いた所までしか記憶が無いのだ。その後いきなり視界が丁度死んだ時のようにフェードアウトして気が付いたらここにいたのだ。……位置からして、ここは私の部屋のベッドの上だろう。それしか考え付く場所が無い。幾ら何でも、他人の家で眠る何なんて馬鹿な事は無いだろうから。
本当に夢だったのか、と思って起き上がったその時、部屋の中に何かの気配を感じた。
……そう、現実は夢を夢のままで終わらす気は無かったのだ。そこにいたのは、紛れもない記憶の中にあった死神の姿だったのだから。
暫くの沈黙の後に、彼は綺麗な形をした唇を楽しそうな顔でゆっくりと動かした。……否。本当はもっと早かったのかもしれないのだが、その時の私にとっては彼が言葉を紡ぐまでがとても、恐ろしい程にゆっくりした時間に思えたのだ。
「……改めて。俺は「神宮原威月」。お前と契約した死神だ」
「……っ」
ああ、やはりあれは夢ではなかったのか。
その後も何やかんやつらつらと説明する「死神」と名乗る奴……神宮原威月をぼんやりとして見ていると、彼がいきなり私を指差して言った。
「その額の印、契約印っつって契約者が死なないと外れないからそこんとこ宜しく」
……は?
偶々傍にあった手鏡を自分の額に寄せて見てみると、確かに額の中心にある、何処かの紋章のような印。……これの、事?
思わず部屋を飛び出して階段を駆け下り(危ない、なんて注意は聞いてる場合じゃない)、洗面所に行っていくら顔を洗っても取れない所を見ると、どうやら本当に死なないと取れないらしい。
「……消せやしねーよ」
何時の間にか来ていた威月が私の様子を見てニコニコ笑う。……顔は無駄に綺麗だったのか。この死神は。
「言っただろ?取引だって」
お前は、死神と契約したんだよ。
その死神は笑顔のままそう言って、唖然とした顔のままの私にさらに追い討ちをかけた。
「……仕事、やってもらうぞ?」
にこにこにこにこ。
この時程死にたくなった時は無い、と今でも思う。何せ、そいつは世にも愉快そうな笑顔で私に取引と言う名の死刑宣告を下したのだから。
……ああもう、これが夢ならどんなに良かった事か!
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@今更死神さんの名前
神宮原 威月→カミヤハラ イツキ
結構普通の名前だったりする。漢字を除けば。
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