ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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@ 人 生 回 転 ゲ ー ム 、
日時: 2010/07/14 21:00
名前: みさぽん ◆pRYiD2xIe6 (ID: AZnIL7RT)

 @00

  鉛色の空

  雨が降る前の空の下に、あたしは居た

  苦しくても辛くてもあたしは歩く

  この一歩一歩が、夢へ近づいてゆくのなら

  あたしは歩くよ

  一歩一歩を、一秒一秒、一日一日を。

  大切に大切に、そして感謝して。

  あたしはそう生きていくと決めたのに。



 @概要
  鬱系非常識人生墜落ストーリー。
  アニメ「ぼくらの」「なるたる」を見て咄嗟に思いついてしまったもの。
  作者元想空です。(アタシ-ネット=0書いてました)

 @目次


 @イメージソング
  宇多田ヒカル様
    「Can You Keep a secret?」


 @お客様



Page:1



Re: @ 人 生 回 転 ゲ ー ム 、 ( No.1 )
日時: 2010/07/14 21:27
名前: みさぽん ◆pRYiD2xIe6 (ID: AZnIL7RT)



@01



「楓、帰ろうっ!」

中学3年の夏。
ごくごく普通の生活を送るあたしの名前は、門川楓。
楓って名前は御婆ちゃんがつけてくれた名前。
大きな"木"に吹く気持ちの良い"風"、楓。

「うん、帰ろうっ! あれ、かりん、凛花は?」
「凛花今日生徒会! 生徒会長なのに散々サボリだったからいい加減怒られたみたい」
「ったくあの不良生徒会長〜!」

部活も中体連が終わってあたしたちは退部。
吹奏楽部だったあたしたち、最後は金賞取って終わった。
ちなみにあたしはトランペットで副部長をしていた。
凛花はトロンボーンで部長、かりんはパーカスだった。

「ま、先に帰っててって言われたし。久々に二人で遊ぼうよ〜!」
「だね! プリ撮ろうっか!」

来年からは高校生だ。
三人共同じ高校に行くことを決めている。
制服の可愛い学校で、偏差値も悪くない共学だ。
女子高でもいいんじゃない?って言ってたけれど、かりんが「男との出会いがないなんて死に等しい!」なんていうから、共学になった。

かりんとあたしはゲームセンターに入って、新機種のプリクラを撮った。
らくがきで、友逹テーマのスタンプで「ずっと一緒」を押した。
印刷されて、二つに切って、見せあいっこ。

かりんと凛花はあたしの親友だ。
二人とも可愛いし、優しい。
凛花も一緒に来たかったなあ。

「このオーラのプリ、結構良くない?」
「この機種目とか肌の映りめっちゃいいね! タケル君にメールしよっと! あ、あとタカシ君と、リュウジ君とー…」
「まーた男ばっかり」
「だって皆かっこいいし優しいしー…」

ニコニコしながら携帯送信したプリクラを何人もの男子に送っていた。

「あ、ちょっと大倉! てめえリュウジに手ぇ出したって本当かよ!?」

同じクラスの女子が近寄って来た。
栗原舞華。
ヤンキーでかりんとも凛花とも対立している娘だ。
そしてそのリュウジ君の彼女、もとい自称彼女。
別れ話を持ちかけられたのに認めないらしい。

「だあってリュウジ君優しいし……舞華ちゃんの事、うざかってたよ? いい加減別れるの認めてあげたらー?」
「だからテメェが目障りなんだよこのクソアマ!」

かりんは大の男好きで、男癖がちょっとあり、他の女子から嫌われる傾向がある。
というか、彼氏キラーなのだ。
嫌いな女子の彼氏に粉をおかけるのが趣味らしい。
まったくもって悪趣味だ。

「大倉、お前絶対覚えとけよ!! この糞ビッチ!!」
「うるさいよクサレ女!!」

いがみあうかりんと女子っていうのは、見慣れた光景。
なるべく関わりたくなかった。


近づきたいよ 君の理想に


「あ、電話だー」
「かりん、着メロ暗いっつの」

かりんは携帯を開いて通話をし始めた。

「今から凛花合流するって! 先にカラオケ行くことになったから」
「あ、うん!」

電話の相手は凛花だったらしい。
ゲームセンターを出て、すぐそこのカラオケボックスに立ち入った。


これが惨劇の原因だなんて、誰が予想出来た?

Re: @ 人 生 回 転 ゲ ー ム 、 ( No.2 )
日時: 2010/07/15 20:46
名前: みさぽん ◆pRYiD2xIe6 (ID: AZnIL7RT)


ウンメイのハグルマが

ぐる、ぐるり

もうあとには

  戻
    れ
   な    イ


@02 デアイ


「では、205室です」

あたし達二人は部屋の番号を凛花にメールして、部屋に入りドリンクバーを注文した。
あたしは大好きなボカロ、
かりんは大ファンである宇多田ヒカルの歌を歌った。
あたしは「ワールドイズマイン」をノリノリで歌っていた。
サビにさしかかったところでドアが開いた。
凛花だ。

「あ、凛花ぁ! 遅いよ〜!」
「甘いものがー……ふえ!?」

金髪のサラサラな髪の毛をポニーテールにした凛花が、男三人と入って来た。

「あれ、楓に言ってなかたけか、今日合コンって」
「聞いてないわあああ! なんでそういうこと言い忘れるの!?」
「ごっめーん、わざと」
「こっのばかりん!」

かりんのあたまをポカッと叩いた。
すると凛花が立ち上がる。

「ま、とりあえず自己紹介しよーか」

落ちついた凛花。
こんな見るからに不良な子なのに生徒会長をしている。
本当、どういう魂胆でこんなこが……って先生たちは思ってるけど学校内で一番支持があったのは凛花。
凛花は簡単に言うと、姉貴分みたいな人。
頼りになるし、強いし、優しいのだ。
後輩からも慕われているし、他中から喧嘩売られたら綺麗にして戻ってくる。
ある意味ボス的存在だ。
そんな凛花と、女子から恨み買ってる男癖のかりんと仲の良いあたし。
あまり評判が良くないのは当たり前。
仲の良い子はわかってくれてるけど、他のクラスや後輩には「近寄りがたい」と思われているみたい。

「あたしは、大倉かりん! 現役中学三年生〜♪ 彼氏無しだよおっ!」

ツインテールを揺らしながらブリッ子するかりん。
かりん、可愛いなあ。

「来島凛花。って皆知ってるかー…」

男子三人は凛花ととても親しいみたいだった。
凛花はぶっちゃけ数合わせみたいなものかも。
って、あたしもそうだけど。
かりんの為だけの合コンじゃん。

「俺、加藤雄二! 皆にユウジって呼ばれてっからユウジでいーから!」

ユウジは見るからに体育会系。
ニキビの跡がところどころ見られる。

「僕は高橋慶太…慶太でいいから。よろしく」

慶太は少し暗い感じ。
無色の縁の眼鏡をかけた、おとなしいけれど爽やかな印象のある男の子だった。

「コイツモテんだぜー、ウブなのによっ」
「ちょ、雄二ぃ…」
「慶太、超純情少年だからさ、こういう場面慣れてないの〜。優しくしてあげてな!」

雄二ってやつは、とりあえず友達思いみたいだった。

「じゃー次俺な。俺は高杉玲愛。玲って呼ばれてるから玲でいーから!」
「玲愛って女の子みたあーい!」

かりんはけたけた笑う。

「酷ぇなー。俺結構男らしいぜ?」

そう言った時の玲の顔がちょっとばかし赤かった。
こりゃ惚れたなあ。
かりんに惚れるなんて、99%泣きにいくのと同じなのに。

「あ、あたしは門川楓。よろしくねーっ」

あたしは雑に切ったおかっぱを揺らしながら、笑った。

Re: @ 人 生 回 転 ゲ ー ム 、 ( No.3 )
日時: 2010/07/16 20:29
名前: みさぽん ◆pRYiD2xIe6 (ID: AZnIL7RT)



@03 トキメキ


「うっしゃあああ97点!」

雄二が高得点をとってガッツポーズをした。
雄二は単純に、暇つぶしにと遊びに来ただけらしい。
好きな人は他に、というか慶太の双子の姉が好きらしい。
慶太いわく見向きもされてないらしいが、一生懸命らしい。
暑苦しいな。
そう思いながらウーロン茶のストローを加えると、もう既にウーロンがなくなってることに気が付いた。

「あ、ごっめーん! かりんさっき飲んじゃったあ☆」
「え、それ間接キスじゃん!」
「玲、女子同士だから。あたしドリンクバー行ってくんねー」

凛花が何故か固まってたけど、それはほっといてあたしは部屋を出た。
入口付近にあるドリンクバーでウーロン茶を注いだ。
あたしは振り返り、戻ろうとすると、何かとぶつかった。

ガッチャー……ン……

思いっきりウーロン茶をこぼし、グラスは砕かれた。

「あっちゃあー……やっちゃったい」

あたしはガラスを拾おうとした。
すると、

「あああ駄目駄目! 指切っちゃうって! 僕が片づけるからじっとしてて!」

男の人があたしを静止して、ガラスの欠片達を片づけ始めた。
ぶつかったのは、この人だったようだ。
黒い服はワックスでくりんくりんにはねてる。
パッチリ二重の目、きちんと通った鼻筋、焼けた肌。身長も高い。シルバーアクセがちらつく。
チャラい。
制服からしてこの店のバイトの人のようだった。

「ごめんね、俺がぶつかっちゃったから……あ、服! 汚しちゃった……あ、俺らの控室に簡単な地味なやつだけど着替えあると思うから、来て!」
「え、いいいいいいですよ! これ制服だし……」
「でもカーディガン染みになっちゃうよ……それにこんな格好で外出歩かせるわけにはいかないし、とにかく来て!」

すると腕を掴まれ、男は走りだした。
コケそうになりながら、その人について行った。
腕を掴まれた瞬間ドキッとして、目のやり場がわからなくなって、男の左耳だけにしたシルバーのリングピアスが目についた。

Re: @ 人 生 回 転 ゲ ー ム 、 ( No.4 )
日時: 2010/07/25 20:45
名前: みさぽん ◆pRYiD2xIe6 (ID: AZnIL7RT)


@04 恋


「こんなんしかなくてごめんね……本当大丈夫? 火傷してない?」
「いや、冷たいウーロン茶だったし……あの、この服大丈夫なんですか? あなたが帰りに来ていくんじゃ……」
「いやいやそこの心配はいいんだって、気にしないで!」

ニッコリ笑ったその人の顔に、またドキッとした。
あたしはその人に釘付けだった。
かっこいい。

「あ、時間大丈夫? 友達と来ていたんじゃ……」
「そ、そうだった! あの、じゃあありがとうございました!」

あたしはペコリとお辞儀をすると、スタッフルームからでて行った。
自分たちの部屋に入ると、ちょうど雄二が、doaの「英雄」を歌っていたところだった。

「もぉ、楓遅いよお! ウーロン茶持ってくるのにどんだけ時間かけて……ってあれ、なんで着替えてるの」
「あ、さっきウーロン茶ぶちまけちゃってさあ」
「おいおいおいっ! このドジッコ〜!」

かりんに小突かれて、また椅子に座った。
そのあと、参加はしていたけれど頭の中はあの店員さんの顔しか浮かばなかった。
多分、恋をした。


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