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犬神デイズ!
日時: 2010/07/15 01:16
名前: 龍希 (ID: IlzFUJT4)

ちょっと、本格的な小説目指して頑張ってます。
コメントくれると凄く喜びます。本当です。

そして、龍希はへタレなのでお友達も募集してます。


とりあえず、目次。更新したら、多分増えます。


<<目次>>
>>1 すっごい途中な物。ハジマリ

<<お客様>>

Page:1



Re: 犬神デイズ! ( No.1 )
日時: 2010/07/15 01:15
名前: 龍希 (ID: IlzFUJT4)

逢魔が時という言葉を知っているだろうか。一日が終わろうとする夕暮れ時。そして魔に一番出会いやすい時間帯である。魔と言っても色々なモノがある。例えるならば、あやかしの類や、悪魔に魔物。そして幽霊、妖怪。様々なものが行き来する時である。しかし、魔に逢ったとしても意識されるのは殆ど無いようだ。無いから安心、ではなく、意識されていないから安心なのだ。もし、自分が普通の人間とは違う、霊が見えるなどの能力を持っているとしよう。それは、霊などにとっても良いもの。つまりは、餌となる場合が多いのだ。そこで、運悪くそのあやかしにあった彼の話をしようか。彼は神ヶ峰一葉。犬神に取り付かれてしまった少年である。

<1>

燦々と降り注ぐ太陽が眩しく、そして暑い。油蝉が鳴き声をあげている中、白銀の髪がきらきらと太陽の光を浴びて光っている。それと反対のような、ダークブルーの瞳。真新しい、眼帯を右目につけ、首には包帯を巻いている。このような容姿をしているが、怪我をしているわけでもない。滝のように流れてくる汗を手で拭い、溜息を吐く。神ヶ峰一葉は握り締めてグシャグシャになっている求人情報誌を開く。一葉は今年で18になる高校3年生だ。今の時期、受験に向け準備をし始める人も居るだろうが、一葉はそれ以前にバイト、つまり仕事を探していた。もうすぐ夏休みになるだろう時期に、バイトを探すのには一苦労だった。暑い。30度近い気温に負けそうになる。

「ッ! はぁ! 何でこう俺を働かせてくれる場所はねぇんだよ!」

否。負けていたようだ、路上の真ん中で大声を上げ落胆する姿は周りの人にとっては変な人、と思われるであろう。それと、容姿の問題もある。眼帯に包帯、怪我をしていると言われても過言ではないため余計に浮いてしまう。「ちくしょう……。」そう呟く。そして再び歩み始めたとき、ふと視界に入った文字があった。

【バイト募集中! 時給700円より! 高校生可。特殊条件有り。】

目を疑った。こんなぼろぼろ—言っちゃ悪いが—な店でバイトなんか雇ってくれるのだろうか。それ以前に、特殊条件とはなんだろうか。今は、金が必要だ。とりあえず、店の中に入ってみることにした。ドアに手を掛け一気に引く、が開かない。少し強めに引くと木製のドアの軋む独特な音とともに少しずつだが、開く。店の中はいかにも、と言えそうな骨董品が置いてあり何に使うのだろうか、大きな鎌。周りを見れば見るたびに唖然となる。

「いらっしゃいませー! って、あれ? 学生さんかい?」

奥から出てきたのは、一葉と同じ年ぐらいの少女、薄い茶色の髪に髪と同じ色の目。一般的に見て綺麗と言える人物だった。しかしながら、一葉は同年代の女なんて興味が無かった。それよりも、接点が無かった、とも言って良いだろう。あえて言うのならば、幼馴染以外だ。それ以外の奴は一葉のことを気味悪がったりするのだ。男女両方とも、だ。

「……あ、あぁ。バイトの張り紙、見て来たんスけど。」

「え!? ちょっと、キミ……あの張り紙を見れたのかい?」

吃驚した様子の少女に疑問を持つも、「まぁ……。」と軽く言っておいた。彼女は「なるほど……。」何て考えている様子だった。一葉は頭を掻きつつ、どうしたものかと考えていた。顔は美人だが、どこか抜けているような少女は此処の店の者なのだろうか、それとも俺と同じバイトの奴か、などと考えていたのだ。

「ん? キミ、何かに憑かれてるよな? 犬っぽいような……。」

「なっ!? お前、分かるのかよ。」

「まぁ、な。一応、私は【観察者】だからね。首の包帯と眼帯も、憑かれてるからかな?」

今まで、このように見破られたことは一度も無かった。自分が犬神と呼ばれる神に憑かれているのは自分を含め、数人しか知らないことだったからだ。霊感のある奴は、何かいるぐらい分かっているようだったがそんなに強くない奴以外はまだ、見破られたこと無い。まさか、こんな初対面の奴に見破られるとは……。それより、【観察者】? 何だ?

「おい、【観察者】ってのは……。」

「は? あぁ、見える人のことを言うんだよ。ところで、キミに憑いてるのはなんだい? 普通の奴じゃ無さそうだけど。」

「……なるほどなァ。俺に憑いてるのは犬神だ。名前は亜流々って言うんだが……。」

一葉が納得した様子で、言葉を発したときだった。「待って!」と言う大きな声とともに、少女は一葉の腕をつかみ—それが結構痛いらしい—揺さぶった。

「キミは話せるのか!? 犬神と!? 共存しているとでも言うのか!」

「いや、ちょ……! まっ……! とりあえず、落ち着け!」

「あ、! す、すまない。取り乱してしまったようだ。とりあえず、奥に来てくれ。そこで話をしよう。私は霧甲斐光だ。ついでに、18歳だ。よろしく頼むよ。」

「高三? ……とりあえず、お邪魔するぜェ。」

靴を脱ぎ、奥の居間へと上がる。どうぞ、と座布団を敷いてくれた光に俺は、どーもと声を掛ける。室内は落ち着いた古い感じのする居間で今の時期は使わないはずであるコタツ、しかしながらエアコンらしき物も設置してある。使えるのかは別としてだが。

**
今回出てきた人物の名前と役割。
神々峰 一葉(かみがみね ひとは)⇔主人公

霧甲斐 光(きりかい こう)⇔変な店の女の子。

亜流々(あるる)⇔一葉に憑いているっぽい犬神


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