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破滅思考と黒鷲の血
日時: 2010/07/18 00:01
名前: 時代 (ID: A7lopQ1n)

……後に、「破滅大戦」と呼ばれる戦いの記録である。

_〆作品紹介
題名:破滅思考と黒鷲の血
作者:時代/tokisiro
ジャンル:中世っぽい戦争もの
傾向:グロ及び流血表現あり。
開始:'10 7/16
注意:
※エロは基本的にありませんが、それを匂わせる表現があります。
※趣味の吐き溜め。一部狂気的なものもあり。
※戦争を肯定したり賛美したりする目的は一切ありませんのでご理解下さい。


_〆目次

序__ある記録者の話 >>3
第一章 >>
第二章 >>

Page:1 2



ある記録者の話 ( No.3 )
日時: 2010/07/17 23:52
名前: 時代 (ID: A7lopQ1n)

立ったのは戦場。壊したのは世界。狂ったのは帝国の思想。
負けてはならないのだ、と皇帝は言う。例え多くの命が失われようとも、勝てばそれは正義となるのだ、と。
……ありえない。消された者は結局は敗者だし、生き残った者は勝者。どんなに卑怯な手を使おうとも、生き残る事が出来なければ結局は負けたも同然なのだ。と、戦場に立つ者は言う。そうしなければ、この血と泥に塗れた戦場では戦い続ける事さえも叶わないのだと。
……それを、彼女が従う帝国の敵軍が聞いたらどんな顔をするのだろうか。また何かしらの理由をこじつけて攻撃するか、それともそんな事は分かっていると一蹴するか。
恐らく、後者の確率の方が高いだろう。彼らは何よりも戦争の狂気とそれに伴う破滅も理解しているから。そもそも、この戦争において何よりも破滅を望んでいるのは、我らが帝国の皇帝なのだろう。その下にいる者は、自分達も戦争の持つ狂気に呑まれかけている事を知っているから皇帝の思想に逆らえないのだ。……その思想さえも、既に狂ってしまっている事にも気付かずに。
かく言う自分も、戦争と人の持つそれを何より理解しているつもりでそれに呑まれようとしている。……否、既に呑まれているのか。
……破滅を望むのが皇帝なら、何よりも大きな狂気を持っているのは、そしてそれに呑まれてしまったのは、皇帝が最も信頼し、そして皇帝を何より冷めた目で見るあの将軍ではないのか。と、気付いた。
聞いた話に依れば、彼女は確かに戦争と言う名のただの大量殺人を愉しんでいるらしい。……捻くれた兵士から聞いただけの話だから真偽は定かでは無いのだが。
しかし、誰も帝国……否、皇帝が悪とする敵国の将が自軍の将の半身だとは思わないだろうし、そもそもその皇帝が既に死へと
向かっている事など、誰も予想がつかなかっただろう。この記録者も、そして彼女逹も、知る事は無かったのだが。
…………「死に魅入られた者は、死が叶わない」


______________
結局書き直し。
それでも微妙って言う。泣けてくる!←

Re: 破滅思考と黒鷲の血 ( No.4 )
日時: 2010/07/16 23:01
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


いやいやいや、めっちゃかっこいいですよ!!
破滅とか・・・大好物ですし!!←ぇ
今回は双子が主人公なんですね。どんな人達なんでしょうか。

Re: 破滅思考と黒鷲の血 ( No.5 )
日時: 2010/07/17 23:58
名前: 時代 (ID: A7lopQ1n)

神無月様
かっこいいなんて……勿体無いです(何)
破滅とかは自分も大好物ですひゃっほう(どう見ても可笑しいです本当に(ry
イメージとしてはBlind justiceです。綴り合ってるかな!←

Re: 破滅思考と黒鷲の血 ( No.6 )
日時: 2010/07/19 10:09
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


すみませんつづりは分かんないです!←ぇ
やっぱり皇帝の考えには同意できませんねぇ・・・。
でも、戦場とただイスに座っている人では考えに違いがでるのもうなずけるのですが・・・。

続き楽しみにしてますよ!!

Ⅰ  ( No.7 )
日時: 2010/08/15 10:13
名前: 時代 (ID: Go.89if1)

「……将軍」
地獄と呼ばれたその戦場に、一人の少女が血を浴びて立っていた。
銀の髪に緋色の瞳。虚ろな目をした彼女の手には、整った容姿に不釣り合いな剣が握られていた。
……この少女が、人々が神と崇める帝国の皇帝が最も信用する軍の将だと、誰が分かっただろうか。

彼女の肩書きを呼んだ兵士は、最初まだ成人もしていない若い少女に軍を任せる皇帝を疑ったが、それも彼女がその身に敵の血を受ける姿を見て杞憂だと考えを改めた。……あれ程敵を躊躇無く切り捨てる者の姿を、彼は見た事が無かったのだ。
「……どうした?」
薄く笑みを浮かべて振り返った彼女の顔には、矢張り血が張り付いていて。それでも彼女は軍人なのだ、と彼は再認識した。
再認識した事実に一瞬だけ戸惑いを見せた兵士は、それも直ぐに捨てて言われた通りに報告した。
「……東の砦を、ジゼルの軍に落とされました」
それは、今回の戦いで自軍が不利になった、と伝える事と変わらなかった。伝えた彼自身も、この事実は認めたくなかったのだ。
「簡単な事だ」
奪われたのなら、奪い返せばいい。
そう言って笑った彼女の顔は、今まで見たどんな物よりも美しかったと、後に彼は言った。
……ただ、何より恐ろしくもあったが。

「……帝国軍は、私に続けッ!」

そして聴こえた兵士たちの歓声。どうやら彼らはまだ、この戦争を止める気は無いようだと、若者は悟った。

——————

帝国を崇める者には祝福を。
異教の神を称える者には破滅を。
それが、帝国の掲げる歪んだ思想だった。そもそも彼らは、これが正式に発表される前から改宗に応じない者は皆殺しにする、という世にも残虐な……残虐、という言葉の意味を性格に理解できていない彼でさえもそう思えるほどに過剰に自国の神を崇める指向が、帝国にはあったのだ。
そして、無理矢理改宗させられた教徒達の反乱軍……自分が将を勤める軍の一部がやってきた敵、つまりは帝国軍と戦い合う様を砦の窓から彼は見ていた。
敵の将によく似た見目をした少年は兵士達が殺し合う様子を黙って見ていたが、暫くして小さく息を吐くと、椅子から立ち上がって剣を手に取り、砦の扉へと向かった。
……その姿は、まるで戦地に赴く際のあの将軍のようだったと、護衛の兵士は言った。




(保留)


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