ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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    私と『私』
日時: 2010/07/19 14:03
名前: カレン (ID: XdEokog0)

ある曲聞いてたら出てきた。
だから書いてみる。

更新とかはかなり遅いです。
温かく見守ってください。

初心者なんで、間違い等があったらご指摘くださいな。


【今までの登場人物】

 宮城里香(りか)
 …主人公

 宮城里香(リカ)
 …主人公

 あいつ

 お母さん・お父さん

 西条友香

Page:1



プロローグ。 ( No.1 )
日時: 2010/07/18 15:06
名前: カレン (ID: 7jSpI1pD)


プロローグ

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いつだって、私は一人じゃなかった。

悲しい時も、
嬉しい時も、
怒ってる時も、
泣いてる時も、
悔しい時も、
恥ずかしい時も、
楽しい時も———————全部、



『私』が傍にいてくれた。



小さいころから一緒にいた。
私の隣にいた。
ずっと。

私は、『私』が大好きで、大切な人で
守らなきゃいけないと思った。



そう——————守らなきゃ。

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第一話。 ( No.2 )
日時: 2010/07/19 13:12
名前: カレン (ID: XdEokog0)

第一話

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静寂な夜が訪れた。

だから夜は嫌い。
とたんに、無心になってしまって
色々な記憶が飛び出してくる。



「はぁ…」



私はかすかな溜息を漏らした。
ベットに寝転がり、天井を見上げる。
殺風景なこの部屋にはポスター何一つ飾ってはいない。
見渡しても最近、集め始めたピンクの雑貨しかない。
そのほかは、白で統一されている。

どうして、夜はこんなに怖いんだろう。
何もなくなってしまうから嫌だ。
日中の楽しかったことも
日が沈めば怖い夜を連れてくる。

どうしようもないことだと思うけれど
やっぱり、夜は嫌い。


「…」



見上げた天井がすごく高く感じる。
白い壁は手をどんなに伸ばしても届かない。
まるで——————



「ブブブブブ…」



ケータイのバイブ音が鳴る。
仕方なくベットから起きだしてケータイを取り出し開く。

「メール 1件」

見慣れたフォントがケータイの画面上に映し出されている。

「今なにやってる?^−^」

それだけの内容のメールに私は返信しようと再び寝転がりながらケータイをいじり始める。

でも、眠気には勝てなくて
結局、私は闇の中に落ちて行った。







『ほんと、使えない子』



あぁ…。記憶が。



『私たちの子供なの?嘘、邪魔なだけじゃない』



やめて。



『ちっ…ほんと使えないわねぇっ!』



やめて、お母さん殴らないで…っ…。
痛いよ…。怖いよ…。



『こうでもしないと覚えないの?』



痛い、やめて、火が…火が…
ああああああああああああぁぁあぁぁぁあああ






「ああああああああああああぁぁぁあぁぁあ!!!」

「里香!?どうしたの!?」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…もうしません…もうしません…だから…」

「里香…大丈夫よ…大丈夫…」

「…お母さん」



私はお母さんに抱かれていた。



「大丈夫よ…」

「うん…」



毎晩のように見る、この夢はいつも怖い。
この夢を見るから、夜は嫌い。
こんなことをしたあいつも嫌い。



「お母さんもう大丈夫だよ、ありがとう」

「うん…わかったわ…じゃあ、朝ごはん作って下で待ってるわね」

「うん」



「バタン…」



しずかに音を立ててドアが閉まった。

小さかった頃にあったことだった。
あいつがただ怖くて。
好かれたかったけど、無理だった。

今でも体に残っている、たばこを押しつけた痕。
痛くて、熱くて、怖くて。
どうして、こんなことされなきゃいけないんだろう。
当時の自分はどうしようもなかった。

だから、怖い。

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第二話。 ( No.3 )
日時: 2010/07/19 14:01
名前: カレン (ID: XdEokog0)


第二話

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無の空間が広がる。
日の光がわずかにカーテンの隙間から入ってくる。

虚無の空間には私しかいない。



(————大丈夫?)



声が聞こえる。



(うん、大丈夫だよ)

(私が変わってあげられたらなぁ…)

(リカありがとう…でも、もう平気だよ)

(…りか)



いつもリカには励まされる。
私じゃない『私』にいつも勇気をもらっていた。
心にはいつもリカがいてくれた。
苦しかった時、頑張ろうと思えたのもリカがいたから。



(もう着替えなくちゃ…)

(早く着替えないと、ご飯食べれなくなっちゃうぞ!)

(うん)



汗でぬれたパジャマを脱ぎ、制服に着替える。
クリーニングから帰ってきた、制服は匂いがちょっと違った。



(二年生かぁ…早いなぁ…)

(どうしたの?)

(ううん、何でもないよー!)



制服を着た自分が鏡に映る。
ぱっとしない。
背は低いし、顔もかわいくない。
自分の体で好きなところなんてない。



「はぁ…」

(ため息つくと幸せが逃げるんだぞー!)

(うん…)



部屋を出て、階段を下っていく。
いい匂いがすると、私のお腹はたちまち「ぐるる…」と大きな音を立てる。



「里香、おはよう」

「お父さんおはよう」

「今日から二年生か…早いなぁ…」

「そうかな?」



椅子を引き、テーブルにつく。
目の前には、朝食が並んでいる。



「いただきます」



温かい朝食。
やさしいお母さんとお父さん。
幸せな家庭。
私が憧れていたものがここにある。

心が温かい。



「ごちそうさま」



食器を持ち、キッチンに向かう。
シンクに食器を置く。
お母さんはお父さんのお弁当を作っていた。



「お母さん」

「うん?なーに?」

「ううん、何でもない」

「変な里香」

「えへへ…じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい」





一歩一歩を踏みしめながら私はバス停に向かった。



「里香ー!!」



遠くで友香ちゃんが手を振っていた。
乗るバスが一緒だから、いつも待ってくれていた。



「友香ちゃんおはよう」

「おはよう」



友香ちゃんは私がこの町に来て初めてできた友達。
やさしくて可愛くて、頼れる存在だ。

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