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crazy—哀しき少女の人生
日時: 2010/07/22 12:03
名前: 羽留 (ID: kws6/YDl)

登場人物—

結城 洙羅(13歳)
主人公で、超ポジティブな中学1年生。
顔は中の上だが成績は下の上。
それでも「ま、なんとかなる」と思っている。

三神 依留歌(13歳)
主人公の親友で同じく中学1年生。
顔は中の中。成績も中の中。
どこにでもいる中学生。

阿久津 憂(14歳)
主人公達の1つ上の先輩。
サッカー部所属。
イケメンなルックスと頭の良さで2年のモテ王子。
主人公の初恋。



prologue—


「—ら、洙羅っ」
自分の名を言われてハッと目が覚める。
どうやら寝てたらしい。
ふぁあぁ…よく寝た寝た。
「洙羅一間目から寝ててさぁ、松原怒ってたよー」
松原、このクラスの担任。
説教されるともう駄目。
長々とうっさいのなんのって。
経験が豊富だからよく分かる。
今までもよく怒られたわー。
ま、怒られたって怖くないけど。
適当に「はいはい」っつってりゃーさ、終わるもんね。
「てか今何間目?」
「フォー。4」

なんてありきたりな会話をして中学校生活無事3年間終わるって思ってた。
でも、やっぱり人生って何かあるよね。
そう簡単に見逃してもらえないんだ——


1章


「やっぱ阿久津先輩はかっこいいよね」
2階の窓から校庭でサッカーをしている阿久津先輩を見て溜息を付く。
だって、阿久津先輩は学校のモテ王子。
学校で3大いけめんの1人なんだよ?
叶うはずのない夢なんてのは分かってるけどさ、私だってそこそこの子よりは可愛いと思う。
だからさ、甘い夢に浸かりたいじゃん。
「うん…阿久津先輩ってさ、でも学年で1番可愛い瑠奈とも付き合わなかったんだよね」
瑠奈。
そう、あの学校でトップ5には入るだろうという学年の美女。
あの子を振った。
なら私が叶うはずないじゃん。
—神様って不公平—


いや、そうでもなかった。
「サッカー部のマネージャー?」
「そう、サッカー部のマネージャーの凛が、転校するんだって。だから新しく募集してるらしいよー。
洙羅がやったら?阿久津先輩とラブロマンスが始まるかもよ♪」
ラブロマンスが始まるかもよ♪なんて今思うと、依留歌は本気で言わなかったんだと思う。
でもそん時の私は本気で考えた。
—そうだよ、阿久津先輩と話せる機会が増えるんだ。
もっと距離が近くなる、ということは私にも脈が—
「私やる」
依留歌は冗談だと思ってるらしく「うん、頑張れ」と笑いながら言ってた。
私は真顔だったけど。
勿論本気で。


—神様は公平だったと今改めて思う—


イエス・キリスト様。
やはり神は不公平なんかじゃないんですねっ。
と、叫びそうになった。
だって、だって、だって。
「ぶっ…マネージャーになっ…」
依留歌は飲んでいた牛乳を噴き出して眉を吊り上げて私を見た。
「そ、マネージャーなったよ」
そうなのだ。
私は何故かマネージャーになることが出来た。
私こないだの中間頑張ったからな…。
偉いよ、私。
「で、今からサッカー部ん所行ってくる♪」
まだ、依留歌はポカーンと口を開けてこっちを見ている。
あぁ、良い天気♪
今の気分を四字熟語表すと、
≪一喜一憂≫
かな。


「今日からサッカー部のマネージャーを務めさせていただきます、結城洙羅です。宜しくお願いします」
そう言ってペコリと頭を大げさに下げた。
「俺、キャプテンの阿久津憂、宜しく」
そう言って阿久津先輩様は私に右手を差し伸べてくれた。
なんて優しいお方なのでしょう♪
そしてもう一度一礼した。
顧問は—ま、松原じゃんっ。
うわぁ最悪——折角阿久津先輩様とイチャイチャ出来ると思ったのに…。
糞松原っ。

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