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- 探偵アップル事件簿--ウンディーネ--
- 日時: 2010/07/23 20:59
- 名前: フルート (ID: gM9EmB37)
久しぶりです、勇者フルートのフルートですっ!!
2作目がんばります、コメントお願いね☆彡
☆プロローグ☆
〜手紙〜
前略
私をおぼえてくださっていますか。
そう信じて、この手紙を送ります。
私は主人から命を狙われています。
このままでは、遠からず私は主人に殺されてしまうでしょう。
あなたのお目にかかって、ぜひ相談に乗っていただきたいのです。
どうかわたしを助けてください。
かしこ
199×年 11月10日
佐々野しをり(旧姓 橋本)
TEL(022)×××-××××
北条明子様
コメントちょうだいねー
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- Re: 探偵アップル事件簿--ウンディーネ-- ( No.1 )
- 日時: 2010/07/23 21:02
- 名前: フルート (ID: gM9EmB37)
〜第1章〜 北条私立探偵事務所
十一月十一日。昼下がり。
事務所のデスクで、明子は便箋一枚にしたためられた短い手紙を、何度も繰り返し読んでいた。ついで、封筒の裏表もつくづくと眺める。レースを模した縁飾りのある淡い水色のレターセットに、優しく丁寧な女文字が並んでいる。
明子の唇から呟(つぶや)きが洩れた。
「しをりさん、か……」
短い一言だが、どこか男っぽさが漂っている。
いや、言葉づかいだけではない。彼女の恰好も、ダークスーツにネクタイ、黒の革靴と、まるで男性そのもののようなのだ。それが、バランスのよい長身に妙にしっくりと合っている。
応接セットでブリッジの勝負に熱中していた青年が明子の呟きを聞きつけて振り向いた。つり目だが顔の彫りの深い、なかなかの二枚目だ。
「なんだ、また依頼か?」
と、ちょっと呆れたように言う。中背で細身。黒のトレーナーと細い綿パンツが、嫌になるほどよく似合っている。
すると、ブリッジの相手をしていた若い女性も、つられたように顔を上げた。パーマのかかったふわふわのロングヘアーに、色白の肌、きらめく大きな瞳と、こちらもかなりの美形なのだが、童顔なので、美女というよりむしろ美少女と呼びたくなる雰囲気がある。
「しおりさんって、あの人のことね? 兄貴様と高校二年の時に同級だった——」
と『美少女』に言われて、明子はうなずいた。
「僕の友達さ。卒業してからは一度もあってなかったけど……。六年ぶりに彼女のよこした手紙が、これなんだ」
と水色のレターセットを近くにいた青年に手渡す。二人の男女はブリッジの勝負などそっちのけにして、頭をつき合わせながらそれを覗き込んだ。明子は椅子を彼らのほうに回すと、腕を組んで考え込んだ——。
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