ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 逢いたい逢いたい逢いt
- 日時: 2010/07/26 13:57
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: lUcqHz23)
プロローグ
影は、入って、き、た。
入ってくる、と、に、げた。
そ、して、裂いていった。
華麗に。裂いた。
奪っ、た。
妬んだんだ。あたし、た、ちを。
妬、み、ころそう、とした。
逢えるものなら、逢い、たい
- Re: 逢いたい逢いたい逢いt ( No.3 )
- 日時: 2010/07/30 20:21
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: yjbtW0vq)
3
…唯、前を向いている私。
何をしているの?
君に逢いたいから。
君がいとしいから。
君を捜し、見つからない。
記憶の中の君。
バイクにのって、私はその背中。
だけど、
おこった、
事故は。
バン!
正面衝突、だった。
わたしはかすり傷。それだけだった…。
君は?
君は、どうなの?
隣で寝てる。
見れるはずなのに。
ミレナイ。
ミタイノニ、ミレナイ。
「…ん。」
あ、蝶々だ。
はじめまして。
知ってる?
近くても、近寄れない存在ってあるんだよ。
…ね?
- Re: 逢いたい逢いたい逢いt ( No.4 )
- 日時: 2010/07/30 20:26
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: yjbtW0vq)
4
君とサヨナラ。
蝶々とサヨナラするとき、こんなことがふと頭に浮かんだ。
そんなわけはない。
だって、君は居るから。
すぐそこに。
正面衝突。
それは、正面からぶつかること。
わたしは後ろにいたから。
後ろにいたから、傷つかなかった。
ヨゴレナカッタ。
なんで?よけなかったの?
おバカさんだね…
……ああ、君にこんな一言を言うこともできない。
誰か教えて?
世界って、広い?平等?
君を放っておかなかったのは、お金を払ったからでしょ?
じゃあ、お金がなかったら?
どうなっていたの?
…この答えは、すぐ君が教えてくれていた。
なのに、今は…
嗚呼。
だれか、助けて。
- Re: 逢いたい逢いたい逢いt ( No.5 )
- 日時: 2010/07/30 20:30
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: yjbtW0vq)
5
君が、目覚めない。
わたしが、ドライブにいこう!といったからだ。
『ねえ、ドライブ行かない?』
『いいな!いこうぜ』
『じゃ、あの…』
『シクラ岬、だろ?』
『うん!』
シクラのシは、しぼうのし。
シクラのクは、くるしみのく。
シクラのラは、らくらいのら。
だって、トラックが目の前にいたから。
そして、それを告げるように雷が鳴ったから。
嗚呼。
どうして…?
ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。
ワタシノセイダ、ゴメンナサイ———。
- Re: 逢いたい逢いたい逢いt ( No.6 )
- 日時: 2010/07/30 20:40
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: yjbtW0vq)
6
独りぼっちの私の里親を決める。
そんなことしないでいいよ。
オークションは嫌いなんだ。
君と逢えればそれでいい。
…なんで、里親が決まってしまうの?
はやくいくよなんていわないでよ!
ちょっとまって、あの子に逢わせて!
「あの子に逢わせて!おねがい!」
そういう私に大人は言った。
「病気になってしまったわ、この娘!」
「いやああああああああああ!」
私は君に逢いたいだけなのに!
- Re: 逢いたい逢いたい逢いt ( No.7 )
- 日時: 2010/07/31 07:03
- 名前: あ留 ◆lnhP1/9v4g (ID: AHLqKRWO)
7
目の前。
スープ、サンドウィッチ、なんか緑の液体。
なにこれ?
病院食のほうがましじゃない。
文句を言うと、
「あんたがあの子に取りつかれちまったからね。」
…
「あの子の悪口をいうな!」
ハッとした。そして、急いで部屋にダッシュ。
どうして…?
どうして。どうして…
君のことを思い出しちゃいけないの?
…正面衝突。事故
ふいに、この言葉が出てきた。
…あ。
もしかして…。
震える手。
涙の目。
…あ、いや…
まさか…!
あのとき、もし君がよけていたら、私は傷ついていたんだ。
そうだ。トラックに、私がぶつかる。
…
…その為に。
…アハッ。
アハハハハハ…
なんで…?
なんでそこまでするの…!
「優し…すぎる…じゃない…」
我儘…言っていた…のかも…しれない。
ごめんね、ごめんね!ドライブいこうなんていって!
なんでいってしまったの?
あんなこと。
『唯、楽しみたかっただけじゃねーの?そういう奴だからな、おまえは。』
…君の言葉が入る。
ああ…
思い込みでも、うれしい。
そして、後悔。
ごめんね、ごめんね、ごめんね…
喜びと悲しみって…こういう時に合わさるんだ。
君に学んだ、春のことでした。
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