ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Some Day..........
日時: 2010/07/28 13:49
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

初めましてーノシ

あまり上手くないと思いますが、頑張って書きます^^

中傷などはやめて下さいね

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Prologue ( No.1 )
日時: 2010/07/28 13:55
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

——————いい子ね、貴方はこの世で一番いい子よ



こんな自分が嫌いだった



——————貴方は私たちの言うことだけを聞いていればいいのよ



その言葉に『はい』と答える自分がどうしようもなく嫌いだった



みんなに気に入られようといい子を演じた



これでいい・・・



ずっとそう思ってた



だけど・・・






——————なんて悪い子なの!?



ごめんなさい



——————お前なんて、お前なんて



ごめんなさい



——————生まれてこなければよかったのよ!!

1章 そして彼女から消えた ( No.2 )
日時: 2010/07/28 14:05
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

ドクン・・・

まだ傷は痛む

ドクン・・・

思い出すたびに胸の傷は痛んだ

もうあれから長い年月が経ったというのに、まるで昨日のことのように思い出される

あの日、彼女———リアは全てを失った

家族も友人も信頼も、そして美しかった声も・・・

何もかも全てを失った

今の彼女には何も残ってはいない

ただ、残っているとすればそれは心に残った大きくて深い傷

消そうとしても消えない過去

どれだけ逃れようとしても過去からは逃れられない

そのことは彼女自身が一番よく分かっていた

(分かってる・・・そんなこと分かってる、だけど・・・)

何もない彼女には何も出来なかった

ただひっそりと身を隠しながら暮らす以外には

誰にも信頼してもらえずに独り寂しく、ひっそりと・・・

2章 いつも通りのある日 ( No.3 )
日時: 2010/07/28 14:37
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

いつも通りの朝

何もない朝

彼女にとっては嫌な朝

迎えたくない朝

「・・・」

起きてすぐにため息をつく

もうそれが習慣となってしまっていた

ベッドから重い体を起こしたリアは、いつものようにひっそりと生活をしていた

(どうせこのまま夜を迎えて、そしてまた朝を迎えるんだ)

“どうでもいい”頭の中にふと過った言葉

どうせこんな生活を送るのなら、いっそ死んでしまった方が楽ではないだろうか

そうやって何度考えたのだろう

けれど一度も自殺を謀ったことはない

(きっと勇気がないだけなんだろうな、私)

思わず苦笑してしまう

そうやって独り寂しく笑っていたとき

ドンドンドン!!

ドアが勢いよく鳴った

3章 変わった日 ( No.4 )
日時: 2010/07/28 14:50
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

ドアが勢いよく鳴り響き、リアはビクリとした

驚きのあまり体が動かない

ドンドンドン!!

それでもドアは鳴り響く

気持ちを落ち着かせたリアはようやく恐る恐るドアを開けた



「・・・」

リアは目を見開いた

ドアの前に一人の男が血を流して立っている

「た、助けてく・・・」

男はドサリと倒れた

状況が理解できないリアは、とりあえず男の手当てをすることにしたのだった

4章 男と少女 ( No.5 )
日時: 2010/07/28 14:51
名前: 裟紅 (ID: pGAgxtf2)

(まさか・・・死んだりしてないよね)

死んだように眠る男を凝視しながら一抹の不安が過る

「んん・・・」

(あっよかった、生きてるみたい)

ほっと胸をなで下ろすと同時に男の瞼が開いた

「・・・あれ?ここは」

男は起き上がり、辺りを見回す

そしてふとリアを見た

「君が助けてくれたのかい?」

男は優しい笑みを浮かべる

「・・・」

コクリと小さく頷くリア

「どうか、ありがとな」

(お礼を言われたのって何年ぶりだろ)

あの日以来、他人にお礼を言われたことなんて一度もなかった

リアは少しだけ微笑んだ

「俺は、ソウ。君は?」

「・・・」

ソウと名乗る男は不思議そうにリアを見た

「ん?言いたくないのか?」

『そんなことはない』と言わんばかりに首を横に振った

「んーとすれば・・・声が出ないとか?」

「・・・」

小さく頷く

「そうか、それは悪かったな」

リアはまたしても首を横に振った




(こうやって人と話すのも久しぶり)

誰からも声をかけてもらえないリアにとっては、見知らぬ男と話すことさえも幸せだったのでした


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