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今日も少女は嘘をつく。
日時: 2010/08/01 13:24
名前: ゆずき ◆wi/K80DU2E (ID: rb3ZQ5pX)

■あいさつ
初めましてっ(^-^*)/ ゆずきといいます。
受験生なので更新速度が亀です!! できるだけ頑張ります……!



■主な登場人物

来宮 祈里/Kinomiya Inori  十六歳 
普通の高校一年生。 無感情。
 
久坂  樹 /Kusaka Itsuki   十六歳
普通の高校一年生。 成績優秀。

竜堂 桜子/Rindou Sakurako  十六歳
普通の高校一年生。 剣道が大好きで大嫌い。

藍原 夕夜/Aihara Yuuya    十六歳
普通の高校一年生。 大人が嫌い。

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Re: 今日も少女は嘘をつく。 ( No.1 )
日時: 2010/08/01 13:56
名前: ゆずき ◆wi/K80DU2E (ID: rb3ZQ5pX)

第一章  「普通とは何ですかね?」



雨が降っていた。
小雨で、傘をさして歩く人がたくさんいる。


僕もその傘をさして歩く一人。 登校中だ。
学校まで、あと十分歩けば着くだろう。

そんなことを考えていたら、隣に誰かがやって来た。
可愛らしいピンクの傘。 明るい茶髪。 
僕の幼なじみ、来宮祈里がいた。


「おはよう、久坂!」
ニコッと笑い、祈里はそう言った。 
幼なじみなのに、僕のことを苗字で呼ぶ。


「おはよ、祈里」
僕はいつものように言ったつもりだった。

「テンション低いなぁ! 雨だから?」

「そんなことないけど?」

「そうかなぁ、昨日よりテンション低いよ?
 あ、分かった。 昨日は晴れてたから?」


僕のテンションは天気で決まるのか?
なら快晴のときは、ハイテンションなのか?


こんな感じで、祈里と会話をしていると学校が見えてきた。
ちょっと有名な高等学校。 特にサッカー、剣道。


「───おはようございます。 樹くん、祈里ちゃん」
突然、後ろから声がした。 しかも、敬語。
敬語で話す人物は、一人しかいない。


長い、綺麗な黒髪。 
竜堂桜子。 僕と祈里と同じクラス。

「おはよう、桜子!」 「おはよ、竜堂さん」

祈里と竜堂さんは親友である。

ちなみに竜堂さんは、剣道が大好き。 
なのに剣道部に入らない、すこし不思議な子。

この前、剣道部の部長さんに勧誘されていたが……。
きっと断ったんだと思う。


「お、朝から四人揃うとはな」
次にやって来たのは、祈里より明るい茶髪の人。
藍原夕夜。 もちろん、同じクラス。


「あぁ、藍原! 昨日、わたしのイチゴ牛乳飲んだでしょ!」

祈里が夕夜を見た瞬間、そう怒鳴った。
昨日、コンビニでイチゴ牛乳を買って机に置いておいたらしい。
すると、昼休みの間に消えていた。

「……あぁ、美味しかったぜ?」
ニヤ、と笑う夕夜。

「こんのォ〜っ! 泥棒! ドS! ばか!」
祈里は、夕夜の肩を思い切り叩いた。

Re: 今日も少女は嘘をつく。 ( No.2 )
日時: 2010/08/04 16:33
名前: ゆずき ◆wi/K80DU2E (ID: eK3o4NTV)


「───別に? 誰が死のうと、かまわないよ?」

冷たい声で、彼女はそう言い放った。
人間なんてどうでもいい、と。 関係ない、と。


「可愛そうとか、悲しいとか、そういうの、ナイし」

冷たい瞳で、彼女は見つめる。
あぁ、そうか。 感情がないのか。


□    □    □    □    □



「なぁ、桜子? 今日、久々にどう……?」

放課後。 夕夜が私にそう言ってきた。
たまにはいいか、と思い私は頷いた。 小さく。


「んじゃ、本気出せよ?」

嬉しそうに笑った夕夜から、竹刀を受け取る。
ちなみにここは、学校の体育館。


息を吸って、吐く。


夕夜が竹刀をかまえ、私を待っている。
───本気だ。


私も竹刀をかまえ、夕夜を見た。
そして、


「はぁぁぁああああああああああああッ!」
「うあああああああああああああああッ!」


夕夜の竹刀が、体育館の床に落ちる。
私は大きく深呼吸をした。 やっぱり剣道、好きだ。


「夕夜、私の勝ちです」


「やっぱ強いわ、お前……」
夕夜は呆れたように言う。 ちょっと失礼だ。
私は少しムッとして、竹刀を振り上げてみせた。

もちろん、冗談のつもりで。
でも、それは、冗談じゃなかった。


───どくん。

蘇える、あの記憶。 感情。 光景。


嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!


やっぱり桜子は剣道が一番ね桜子なら日本一になれるわお前力の加減ってものを知らないのかよ殺される殺される殺さないと殺される誰か助けて誰か来てよ結局力の加減は出来なかったのね剣道やめちゃうのかな勿体無いよやめない方がいいよ







だって桜子、剣道大好きだもんね?



違うよ、大嫌いなんだよ?




違うよ、大好きなんだよ?!




「───おい、桜子っ! しっかりしろ!」
突然、夕夜の大きな声がして我に返る。

あぁ、やっぱり駄目だ。


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