ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 罪人 〜闇と光の物語〜
- 日時: 2010/07/30 21:11
- 名前: 玲榎 (ID: obKjZ09u)
今宵貴方に見せますは、4人の歪な物語。
闇を抱えて生ているものと自分の偽りの姿。
さあ、扉が開きます。自分自身を忘れぬように・・・。
──忘れたら?
貴方たちがどうなるかは私は知ったことではありませんが、これだけは言わせて頂きましょうか。
出口は一つしか御座いません。
くれぐれも自分自身で閉めませぬように・・・
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- Re: 罪人 〜闇と光の物語〜 ( No.1 )
- 日時: 2010/07/31 13:27
- 名前: 玲榎 (ID: obKjZ09u)
バシッ・・・
甲高い音が響き渡る。
『何度言ったら解るのです?貴女はわたくしの言う事を聞いていればよいのです。入りたくないですって?無理にでも入れさせますからね。』
母は持っていた紙用紙を思いっきり強く目の前にいる少女
──深紅に投げつけると階段の方へ向かった。
『まって下さい!・・・でも入るとしたら木曜日でしょう。休む日がなくなってしまうではないですか!』
『っ!だまりなさい!テストが98点ですって?ふざけるのもいい加減にしなさい!お兄様は毎回お勉強もしなくても100点ですわよ?それにして貴女は何です?必死にお勉強しても100点取れないのなんて。』
深紅は唇を噛み、俯いていった。
『でも、私はお兄様とは違います。なんでそんなにお兄様と比べるのです?・・・私はお兄様なんて大嫌いです・・・。』
──バッ
母は思いっきり深榎の手を持って階段を上がる。
バランスが取れない深紅はいろんなところに身体をぶつける
『っ・・・痛いですっ!放してくださいっ!』
『だまりなさい!』
二階に着くと母は手を放し深紅を放置し、深紅の部屋へ入った。
ガシャ・・・ばきっ・・・
テレビのコンセントを抜くと両手で抱えて開いている窓から放り投げ、鋏をもってピアノに近づくと弦を鋏でいろいろな方向へ歪ませていく・・・
部屋を見渡し遊び道具がないかを見ると廊下にいる深紅を部屋にいれ鍵を閉めた。
『きゃ・・・・やっ!お母様!出して下さい!何をするんですか?』
母は階段を下ると深紅を無視していってしまった。
- Re: 罪人 〜闇と光の物語〜 ( No.2 )
- 日時: 2010/07/31 14:08
- 名前: 玲榎 (ID: obKjZ09u)
数分後に母は深紅の部屋の前に来た。
ガチャ・・・・
鍵を開け手に持っていた紙をベッドに置くと、
そのまま鍵を閉めた。
『っ?お母様?此れはなんですか?』
机にうつ伏せていた深紅はパッと起き上がり母に尋ねる。
『そこにあるものはテキストです。5教科5個ずつ65ページです。それをすべてやったらココを開けます。』
いい終わるとすぐさま帰っていった。
_____そう、此れは悲劇の始まり、始まりに過ぎなかったのです。
昔に戻りたい・・・。決して昔も愛されていた訳ではありませんでしたが、今よりは・・・・。
私は窓を見るとふと、あることを思いつきました。
此処から飛び降りれば、全てから開放される。
_____二階なんだから、死ねますよね?
誰も悲しんでくれる人なんかいないんですから。
私は窓枠に足をかけ、飛び降りる決心をしました。
rrrrrr─────。
ふと目を覚ますと自分の部屋にいました。
辺りを見回すとピアノ、テレビ、そのほかにも、昨日あらされた痕跡は無く、いつも通りになっていました。
部屋から出て階段を下ると、母がキッチンであさご飯を作っていました。
『・・・お母様?』
母は包丁を置くとこっちに振り向きにこっと笑い、
再度包丁を持ちました。
『あら、深紅。起たの?今ご飯作ってますからもう少しまっててね?』
『えっ・・・はい』
違う。なにもかも違う。
私は戸惑いながらリビングに向かいました。
『早いんだなぁ。深紅の癖に〜。あっ昨日5000円借りたからよろしくっ!』
おかしい。あきらかに。だってお兄様は大学受験のストレスで私に暴力を振るっていたのに・・・。
『ん?どうしたんだ?いつもは反抗してくんのに。』
『ふふふ。深奈斗に呆れたんでしょう?っていうかいまの話本当なの?一ヶ月掃除当番決定ね!』
母がおなべを抱えてリビングに来ました。
お兄様のことを呼び捨てなんて・・・。
いつもはお兄様って呼んでいるのです。
なのに・・・・・。
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