ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Global Dimension
- 日時: 2010/08/01 00:30
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
数か月ぶりにこのカキコ掲示板に復活しました!
今回のテーマは『異次元世界』でタイトルもそのまんまです。
末永く宜しくお願いします!
PROLOGUE
異次元世界《アルカディア》。
その世界は嘗て、一度滅びかけた人類が新たなる世界を求めて作り上げた理想郷。
世界を創造した人類は『科学』を進化させ人類は魔法・超能力と言った以前の人類には不可能だった現象を身に付ける。
しかし、人類は禁断の領域に入った事を知らず『科学』の発展を進めていた。
そう、それはまるである神が園にあった禁断の果実を食べてしまったかの様に……
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- episode1『NEW WORLD』 ( No.1 )
- 日時: 2010/08/01 14:43
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
異次元世界《アルカディア》。
次元を超えた世界は魔法・超能力を使えるようになっていた。
人類は新しい世界に暮らし、以前の世界と同じ暮らしに戻っていたが新しい世界には君主制と呼ばれる『王国』『帝国』『公国』等と言った国家が再び現れていた。
前の世界にあった『日本』は今、『大日本帝国』へと変わっていた。
都道府県は消え、一つとまとまった帝国は首都『NEWTOKYO』、蒸気機関を中心に産業と企業は動いていた。
*****
『大日本帝国』の帝都『NEWTOKYO』は他国との貿易と交流によって盛んになっており、今では華の都と言われていた。
蒸気機関を中心にした国は独特の文化を作り上げるが、大日本帝国に邪悪なるもの『魔』が忍び寄ろうとしていた。
「おーい、《蓮(れん)》坊!朝だぞー!!」
窓から朝日が差す部屋でベッドに寝入ってた少年《蓮(レン)》は外から聞こえた男性の声に気付き目を覚ました。
体を起こしベッドから出て洋ダンスを開けパジャマから自分が通う学校の制服に着替える。
鞄を持って外に出ると隣の家の前にターバンの様な物を頭に被った中年男性が箒を両手に持って掃除していた。
蓮を見ると掃除の手を止める中年男性。
「お早う、ヴィレさん。」
「あぁ、お早う。」
挨拶する蓮に挨拶を返すヴィレと呼ばれた中年男性。
「そう言えば、今日が士官学校卒業なんだよな〜。」
ヴィレは不思議そうな顔をして何かを思いつめたかの様な顔をしながらそう言う。
「それにしても、お前さんの親父さんが虫を殺さない蓮坊に何で『捜査官』になれと言ったんだろうねぇ?遺言状にしちゃあ、謎過ぎるだろうけど……」
思いつめた事を口にするヴィレ。
蓮の両親は既に他界していた、母は自分を産んでから亡くなり、父は何時も仕事で幼い自分をヴィレに預けていた。
物事を覚えて中学生の時に蓮のり父は仕事場で他界してしまったのだ。
父から送られた手紙に『捜査官になれ』と書かれ、蓮は捜査官になる為に士官学校に入っているのだ。
「それは分からない、僕は捜査官になる事については分からないけど、父さんが望んでいた事なら捜査官に就くつもりだ。」
首を振りながら自分の思っていた事を話す蓮。
「そうかい、捜査官になる事を応援してるよ。」
「有難う、それじゃあ行ってくるよ!」
そう言って蓮は士官学校へと向かった。
最後の登校日、そして士官学校への卒業、そして父の遺言状に書かれていた捜査官に就く為に……
- episode2「士官学校卒業 そして就職決め」 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/02 00:01
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
士官学校の校門前には本日卒業した候補生達が片手に卒業証書が入った、筒の様な物を持って騒いでいる。
蓮は自分が通っていた士官学校の施設を見ていた。
今までの楽しかった事や辛い事を思い出していた。
「やぁやぁ、想い出に浸ってるなぁ?」
学校を見ていた蓮は後ろからの声に気付き振り返った。
返った先には小麦色の肌をした少年、同じ学校の制服を着ていて片手には筒を持っている。
「アーサー、どうしたんだそんな事を言ってさぁ?」
軽く笑って少年《アーサー》に掛けた言葉に問い出す蓮。
「俺達は晴れて卒業したが問題が一つある、それは……」
「就職だろう?」
説明するアーサーに口を挟む蓮。
言葉が合っていたのか、ギャグ漫画・アニメの様にずっこけるアーサー。
「人の会話の途中に口を挟むなよ……ったく。」
そう言いながら制服に付いた土埃を手で払うアーサー。
「士官学校に入った俺達が就職する場所と言えば、警備隊や陸海軍のどれかだ!」
大声で説明をするアーサー。
説明し終えた後にアーサーの口元が怪しい笑みへと変わる。
「そんで、俺はお前よりは成績は悪いが警備隊の推薦が決まったんだ。お前はどうなんだ?」
「僕?僕は……」
就職の事を尋ねられた蓮は片手に持っていた筒を地面に置いて鞄の中から一枚の紙を取り出し、アーサーに手渡しした。
「お前も推薦状もらったのかぁ……どれどれ……」
アーサーが折った手紙を開き読もうと目を通すが通した途端、アーサーの目が見開いた。
「お、お、お、お前……こ、これは一体……」
手紙に書かれている物を見て体を震わせているアーサー。
紙に書かれている物、その内容はこう書かれていた。
『《レオン・ラドヴィッジ・蓮》殿、貴殿に捜査官の着任を命ずる。『大門』尚、部隊との交流の為、中央公園に集合。《大門 部隊大将 《大門美邦(おおかどみくに》》』
「お、大門美邦って言えば、あの人魔戦争で勲章を山ほど取って大佐に成り上がった人じゃないか!どうして虫一匹殺せないお前が大門の捜査官に!?」
嘗ての英雄の名を言いながら蓮が『大門』に推薦される事が気に喰わないのか文句を言うアーサー。
「僕だって知らないよ、学園長がこの手紙を渡して来たんだから……」
「くっそ〜!就職では俺が勝つと思っていたがまさか就職まで負けるとは……だが!!」
片手に作り上げた拳を強く握りしめながら俯いていた顔を上げ、蓮に指を指す。
「就職した後は絶対負けないからな!優秀な成績を取って警備隊の隊長になるからな!!」
「あ、おい!アーサー!?」
物凄い勢いで走り去るアーサーを止めようと制止の声を掛けるが聞く耳持たずと言った訳かアーサーはそのまま蓮から姿を消してしまう。
片手を頭に回して困ったかの様に頭を掻く蓮は手に持っている手紙を読む。
「中央公園が集合場所か……兎に角、行ってみるしかないな。」
手紙に書いてある集合場所を見て覚え、手紙を鞄にしまった蓮は集合場所である中央公園に向かった。
- episode3「集合場所へLet's Go」 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/02 12:58
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
「ふぅ、やっと着いた。」
手紙の通りの集合場所である『中央公園』着いて安堵の息を吐く蓮。
公園と言えども広場と変わらず、大きい噴水がこのNEWTOKYOの中央なのだ。
噴水では子連れの親子が遊んでおり、その風景を見た蓮は自分の亡くなった両親の事を思い詰め、鞄から一枚の写真を取り出した。
映っているのは幼い自分と自分の後ろ隣りにいる父親。
「お父さん……」
仕事に休暇がなく、滅多に帰って来なかった父親と撮った写真。
滅多に帰って来なかった父親は自分を親戚のヴィレに預けて何時も『遠い仕事場』に行っていた。
写真を撮ったその日から父親は一回も帰って来なく、中学を卒業した時に仕事場から手紙が来て亡くなった事と残した遺言状が届いていた。
父親の遺言状はただ『捜査官になれ』と一言だったが蓮は父親の願いを叶える為に士官学校に入り、捜査官になる為の知識と体術を教わったのだ。
「虫を一匹殺せない僕が捜査官とは……」
ベンチに座りながら写真を見ていた蓮は背もたれに思いっきりもたれた。
捜査官と言えども敵に見つかった場合、口封じとして殺す場合もあるのだ。
ヴィレやアーサーに言われた事を思い出し口にする蓮は捜査官として働いて捜査中に敵に見つかって、その場を見た敵を殺せるのか悩んでいた。
そう悩んでいると不意に時計台に目を回す。
時計の刻は正午を指していた。
「あれ?可笑しいなぁ……」
首を傾げながら鞄から手紙を取り開く。
手紙に書かれている集合時間は正午の15分前、過ぎたと言うのに『大門』の部隊の人間は一人も見当たらない。
「来ないなぁ……」
15分過ぎても誰も来ない事に少々不安を持ち始める蓮。
立ち上がって隊員らしき人物を探そうと動く。
噴水に近づこうとしたその時、地面が大きく揺れた。
「な、何だ!?」
『キャアァァァァー!!』
『ウワァァァァァー!!』
地鳴りが止まった直後に老若男女の悲鳴が辺りに響く。
悲鳴の元へ振り向いた先には土煙が巻き起こっていた。
やがて、土煙に黒い影が映る。
侍や足軽の様な兜を纏い両手から銀色に煌めく何かを持っている。
大きさは3m前後だ。
逃げ回る人々を前に蓮は鞄から自分の腕に当てはまる手甲を取り出す。
先には三本の鋭い鉤爪があり、まるで獣の爪の様だ。
両手に付けて構え、土煙から出て来た謎の怪物の腹に目掛けて右腕を振り被る。
「だあっ!!」
右腕の鉤爪が怪物の腹を貫く。
貫いた同時に素早く腕を引っ込めて間合いを取る。
怪物の腹から電気機器類がショートしたかの様に火花と電流を流している。
膝を地面に付き、倒れると同時に爆発した。
怪物がいた場所は小さいクレーターが出来ている。
敵がいなくなった事で武器を鞄にしまう蓮。
呆然と怪物がいた場所を見ていると拍手の音が辺りに響いた。
振り返った先には赤と緑の縦に縞々の帽子と服を着た中年男性がいた。
「どうも、貴方が《レオン・ラドヴィッジ・蓮》様でアルか?」
「そ、そうですけど貴方は?」
「失礼、私は『大門』の料理長『鈍・弟(どん・だい)』ネ。タイショーの命令でお迎えしてきたネ!」
頭を下げ自己紹介をする《鈍・第》。
服のポケットから名刺らしき物を取り出し手渡しする。
受け取った物は名刺そのもので見事に料理長と書かれていた。
「りょ、料理長!?え、えぇぇぇぇぇーーー!!!!」
有り得ない言葉に叫ぶ蓮。
その叫びはNEWTOKYOに響く程だった。
- episode4「仕事場は料亭!?英雄は大将!?」 ( No.4 )
- 日時: 2010/08/02 23:18
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
謎の怪物を倒した後に蓮が出会ったのは就職先の『大門』の料理長《鈍・弟(どん・だい)》。
蓮は鈍・弟が自分を迎える為に乗っていた蒸気車で仕事場に向かっていた。
後部座席で姿勢を良くして座る蓮。
助手席には鈍・第、運転席には運転手。
「済まないネ、今日は車が混んでいて時間通りにいかなくて困ってたんだ。」
鈍・弟が申し訳なさそうにミラーに映る様に頭を下げながら言う。
「いえいえ、それより『大門』ってどんな所なんですか?」
片手を頭にやりながら照れる様な動作を取る蓮。
同時に自分の就職先である場所について聞き出そうと尋ねる。
「オー、『大門』は料亭ネ!と言ってもただの料亭じゃないけどネ!」
「料亭ですか……?」
鈍・弟の言葉に心の中で疑う蓮は、鈍・弟と運転手に見えぬ様に鞄から手紙を取り出し、見る。
どう見ても『捜査官』と『部隊』と言う単語が入っている。
冗談ではないかと蓮はそう疑っていた。
「おっ?着いたネ!」
鈍・弟の言葉と同時に車の動きが止まる。
蓮は鈍・弟が向いている場所を見ると、そこには大きい建物が目の前にあった。
大きい障子の上には『大門料亭』と描かれていた。
蓮は目の前のある看板に呆然としていると車のドアが鈍・弟によって開かれる。
「ここネ、タイショーの場所に案内するから降りてチョーダイ?」
「あ、はい!」
鈍・弟の言葉に蓮は慌てて返事をして降りる。
降りた後に鈍・弟は運転手に顔を向けて頷くと運転手は敬礼をして料亭から去って行った。
蓮は鈍・弟の後に付いて行き、料亭の裏側に入る、店員が入る場所だ。
中に入ると数人の料理人達が調理している。
洋食・和食・中華を作り上げていて料亭とは思えない。
首を傾げ、不思議そうに様子を見る蓮に鈍・弟は面白そうに笑う。
「最初に言った通り、『大門』はただの料亭じゃないネ。」
「す、凄いですね……」
「凄いのはタイショー(大将)とオカミ(女将)さんネ、この料亭を建てたのはタイショーとオカミさんのオジイサンだよ?」
歩きながら料亭の事を説明する鈍・弟に相づちで答える蓮。
そして、鈍・弟の足が止まると同時に蓮も足を歩きを止める。
「タイショー!例の人を連れて来たヨ!!」
『おぅ、いいぞ。』
障子の向こう側から返って来た声は男性の声。
鈍・弟は頭を下げて障子を開けると蓮の視界に入ったのは黒髪に袴を着た二十代後の男性だった。
「おぅ、お前が《レオン》か!それとも《蓮》と呼んだ方がいいか?」
男性は豪快に笑いながら自分の仕事場に就く蓮に尋ねる。
「どちらでもいいですよ……その……」
前にいる男性の名が分からず困惑する蓮。
「あぁ、俺は《大門美邦(おおかど・みくに)》だ!この大門料亭の大将だ。」
「えっ?」
袴を着た男性《大門美邦》の自己紹介に蓮は耳を疑った。
そして、アーサーの言っていた言葉が脳裏に浮かんだ。
「大門美邦さんって人魔戦争の英雄じゃ……?」
蓮の呟きに美邦の表情が真剣になる。
「確かに俺は4,5年前にあの戦争で武勲を沢山取ったがな……」
美邦は庭の枯山水を遠い目で見ながら戦争の時を思い浮かべていた。
「戦争が終われば、俺は普通の人間だ……戦争が終わった後、俺は料亭で親父と爺さんの後を継いでるんだよ。」
幾ら武勲を取った戦士と言えども戦争が終われば普通の人間に逆戻りする。
例えば、戦争では企業は兵器を作り上げるが戦争が終われば家庭に役立つ物へと変わる。
この世界は人間と社会が同じなのだ。
「まぁ、兎に角『捜査官』とやったが今は全く調べる物がねぇ……お前には調査依頼が掛るまで、否、部隊が出来るまでこの料亭で働いてもらうぞ?」
目を怪しく煌めかせ、マッドサイエンティストの様に物凄い恐ろしい笑みを浮かべる美邦。
「うぅ……捜査官になっても部隊の人数が揃うまでお預けって事ですか……」
心の中で泣きながら顔を俯いてガッカリする蓮。
料亭の仕事に蓮は息を呑み覚悟を決めた。
- episode5「華の少女と火力な少女(前編)」 ( No.5 )
- 日時: 2010/08/03 15:32
- 名前: はせピン (ID: 2bESk3K2)
「おーい!兄ちゃん!刺身盛り合わせはまだか〜い?」
夜の8時、『大門料亭』は大騒ぎだった。
有名な店なのか、それとも料亭でありながら広く三食食べれるからなのか、大混雑だった。
「あ、少々お待ち下さい!!」
料亭の調理員の服を着た蓮は広げている両手には御客が頼んだと思われる料理を盛ったお盆を持っていた。
蓮は大急ぎで自分の両手のお盆にある料理を頼んだ御客に渡していた。
他にもお盆に料理を乗せた調理員がいるが、それでも足りない。
「そこの人ー?7番テーブルで注文した料理はまだ〜?」
「ちょっとお待ちください!」
女性の尋ねに蓮は申し訳なさそうな顔で言いながら出来たての料理が置いてあるテーブルへと向かう。
テーブルの向こう側では調理師が料理を作っている。
その調理師の中には鈍・弟もいる。
片手にフライパンを持ち、物凄い捌きで料理を次々と作り上げている。
出来あがった料理をお盆に乗せ運んだ。
お客に渡しながら次々と出来あがった料理を運ぶ中、蓮は心の中で泣き溜息を吐いた。
(速く、人材揃ってくれ……)
と心の中で呟いた。
*****
同時刻、帝都NEWTOKYOから離れた村《磐瀬》。
瓦の屋根の家が所々建っている中、一人の少女は満月の下で桶に入っている冷たい水を頭から被った。
少女は濡れた腰まである黒髪を靡かせ、満月を見上げた。
「蓮君……」
想い人と思われる人物の名を呟く少女。
少女はタオルで髪の水気を失くし、外に出る。
外を出て立ち止った先には一本の木が立っていた。
少女は腰に下げている刀を抜いた。
月光に刀の銀の刃が煌めく。
少女は目を瞑り、精神を集中しイメージする。
自分の放った一撃で前にある木を壊す事を……
精神を集中する中で耳にするのは川のせせらぎ。
三分以上立ち、静寂がする中で少女は突如、瞑っていた目を開き、両手に持って構えた刀を振り上げる。
「はあぁぁぁぁぁ!!!!」
叫びと同時に振り下ろされた刀から地面を奔る衝撃波が一本の木へと向かって走る。
少女は自分が発した攻撃によって木を破壊できると思っていたが衝撃波が木に当たった途端、衝撃波は雲散霧消し、少女の目の前には一本の木が傷一つなく立っていた。
「残念だったな……」
溜息を吐いて刀を鞘に納める黒髪の少女の前に腰まであるウェーブの掛った金髪をした少女がいた。
「エヴァ……」
黒髪の少女は金髪の少女の名を言った。
「相変わらず、アイツを追う為に……」
「うん、村を出て行ったのは蓮のお父様が仕事先が変わったからって事はわかってるけど……」
黒髪の少女はもじもじしながら蓮の事を思い浮かべていた。
「だったら、帝都に行けばいいじゃねぇか?」
「それは駄目、蓮から連絡があって蓮は捜査官になる為に帝都に留まってるのよ……」
二人の少女は地面に座りながら話す。
「それに、私は剣術の技一つ持っていない。彼の足手まといになりたくないの……」
黒髪の少女の言葉にエヴァと呼ばれた少女は「ふぅ〜ん。」と言いながら立ち上がる。
「まぁ、帝都に行く時は私も付いて行く、開発した兵器を見せたいからな!」
「ふふふ、勿論。」
エヴァの言葉に微笑んで答える少女。
「じゃあな藍!速く身につけろよ!」
エヴァは手を振りながら自分の家へと向かって行った。
見送った後、藍と呼ばれた少女は月を見上げた。
想い人に会える事を願って……
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