ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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dimensional game
日時: 2010/08/01 06:54
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

このサイトでは初めて小説書きます、一応ほかサイトで書いてた経験があります。

まあ下手糞の書く小説ですが、よろしければ読んでやってください( ゜д゜)ノ ヨロ
面白かったらコメントくださると、津軽海峡が喜び発狂しますw
更新は不定期ですが、できるだけ毎日を目指します。
タイトルはまだ決定ではないので、今後変わる可能性があります。

>>1 コメント返信欄
>>2 未定、とりあえず開けとく
>>3 プロローグ的ななにか

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コメント返信欄 ( No.1 )
日時: 2010/08/01 04:42
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

※コメントに返信させていただく欄です※

未定、とりあえず開けとく ( No.2 )
日時: 2010/08/01 06:56
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

※未定ですが、何かに使うかもしれないので空欄※

プロローグ的ななにか ( No.3 )
日時: 2010/08/01 06:56
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

——こちらが、今話題を呼んでいるゲームの……

夕方のニュース番組で、薄化粧で好感のもてる女性アナウンサーが原稿を読み上げていた。
そのニュースを小耳に挟みながら、一人の青年がダンボールからヘルメットにサングラスを付けたような機械を取り出す。

「こんな機械がニュースで……。だてに10万はしないってことか」

青年はダンボールの開封作業をとめ、テレビ画面を少し眺めながら呟く。

2010年、最も話題を呼んだゲームといえば、誰もが口を揃えてこういうだろう——dimensional game
勿論、題名だけではどのようなゲームかは判断はつかないだろう。
ジャンルは普通の『多人数同時参加型オンラインRPG』だ。
プレイヤーはゲームで知り合った仲間と助け合い、成長していく。よくあるRPGとなんら変わりはない。
そしてこのゲームの最大の売り、それは——圧倒的なリアリティ。
グラフィックが? 音響が? いや、そのようないたって普通なことが凄いのではない。

このゲームは、自分の意識を直接ゲームの中で左右させることができるのだ。

先ほど青年が取り出していた機械は、そのゲームをやる上で必要なもの。
その機械を頭にかぶり、スイッチを入れるだけ。それだけで、誰でも自分が主人公のゲームをプレイできる。
そんな、非常に画期的なゲームである。

「……よし、これで準備はできたかな」

青年はそういいながら、ゲーム機に繋がっているコンセントをプラグに差し込んだ。
ヘルメットに付いている緑のランプが点滅し、電源が入ったことを知らせる。
それを確認すると、青年はヘルメットを頭に装着した。サイズが合ってないのか、妙にきつく感じる。
そのまま、ヘルメットを少し触ってスイッチの位置を確認すると、ONの方向へ傾けた。

(うぉっ、なんか頭がくらくらと……)

スイッチを入れた途端、急に立ちくらみの様な感覚に襲われる。
薄れゆく意識の中で、青年は最後にやるべきだったことを思い出し人知れず後悔した。

——テレビの電源、切っとけばよかったなぁ……。

Chapter1 ( No.4 )
日時: 2010/08/02 04:44
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

(……暗い。ここは——どこだ?)

意識が戻った青年は、自分が何をしていたのか思い出せない、そんな錯覚を感じていた。
前も後ろも、右も左も、自分が目を開けているのか閉じているのか、それすらも分からなくなってくる。

ふっと、地面に体重をかけようとした刹那、地に足を付けていないことに青年は気付いた。
そこに、落下していく感覚や独特の浮遊感はない。青年は、水中で静かに浮かんでいるような感覚を覚えた。
まるで、漆黒の海の中を孤独に漂っている、そんな感覚。不安さえ感じてしまう。

(そうだ……ゲーム始めたんだっけ……)

不安と共に、やっと思い出したのは、自分が何をしようとしているか。
これからどうしようか、まず状況が飲み込めない、脳裏には様々な疑問が漂っている。

——あなたは、はじめてこのゲームにログインされましたね。

唐突に、青年の脳裏に女性の声が響いた。
耳から空気の振動が伝わり、それが電気信号となって脳に伝えられたのではない。文字通り、脳に声が直接響いている。
その感覚に新鮮さを覚えつつ、青年は自分がゲームの中にいるのだと再確認した。

「そうなるね……。で、俺は何をすればいいの? ていうか、この状況は何?」

とりあえず、ゲームシステムの何かだろうと思いつつ、青年は頭に浮かんだ疑問を一気に吐き出す。

——只今、このゲームのユーザーIDを製作中です……。

なんとも機械的な女性の声が、機械的なことを言う。青年は思わず苦笑した。
つまりこれは、ゲーム開始前のログイン画面だと考えればいいということだろう。
オンラインRPGをやるのだから、IDが必要なのは当然といえば当然である。
つかの間の沈黙。漆黒が、再び青年の全身を包んでいく。

Chapter1 ( No.5 )
日時: 2010/08/02 04:49
名前: 津軽海峡 ◆oOzenWM0UU (ID: kIkEWl1w)

——あなたの、名前を登録してください。

沈黙と、機械的な声。合わないことも無いから不思議だ。

「……名前ね。諒、中瀬諒。これでいい?」

青年の名前は、中瀬諒。就職を控えた大学生。
中肉中背、学業成績も身体能力も平凡。これといった特徴はない。
性格は温厚で、自分から輪の中心にはならないが、輪の中には必ずいるタイプ。
諒が唯一、他人に誇れるものは——視力。小学生時代から、視力検査表の一番下まで読めることが自慢。
そんな、どこにでもいる普通の青年である。

そのまま、声は、さらに情報入力を続けさせる。
そして最後、少しの間を置いて、声が諒の脳裏に響いた。

——最後に、あなたのゲーム内で使用するハンドルネームを入力してください。

ハンドルネームといえば、ゲーム内での自分の名前。つまり自分の分身の名前。
これからゲームを楽しむうえで、ある意味、最も大切なものかもしれない。

「……じゃあ、俺は視力がいいのが取り柄だから、オオワシ。これでいくよ」

オオワシ。人間の八倍の視力を持つといわれる、猛禽類。その中でも、頂点に君臨するもの。
それは、さながら空の王者と呼ぶに相応しい。翼を広げた姿はまさに王者の風格を漂わせる。
オオワシのような強い存在として、ゲーム内でも君臨したい。そんな希望も込めての、命名だ。

——分かりました。ではこれで入力を終了いたします。

機械的な声が、機械的に終了を告げた。
それと同時に、再び襲ってくるのは、ゲーム開始時のような立ちくらみ。
だがしかし、諒の頭にはもう不安は湧いてこない。むしろ、押し寄せてくるのは波のような高揚感。

(いよいよか……。せっかくバイトして金貯めて買ったんだから。楽しまないと!)

そのまま、世界と共に意識は再び暗転していった——。


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