ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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RAUNDO!!
日時: 2010/08/01 21:47
名前: 向日葵 (ID: ELgdcXM.)


 2×××年、日本第二地区、シイアブロック。
 昔は東京と呼ばれた此処に、いまだに人間はいる。
 人間は、何年経っても変わっていなかった。


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RAUNDO!! ( No.1 )
日時: 2010/08/01 21:54
名前: 向日葵 (ID: ELgdcXM.)

「さぁ、寄って行きなぁ! みんなが見たいショー、目白押しだよっ!」
 ポスターをバラまきながら叫ぶ、世界中で有名な≪ヒットランド・ショー≫の売り子。
「おにーさん、寄ってきなよぉ」
 甘い声で男を誘う、バニーガール。

 それらを無視して、彼は進む。

「おい、そこの阿呆」
 帽子を深くかぶり、ヘッドフォンを首にかけている彼は、妖しく微笑んだ。
「ま、依頼なんだわ。っつーわけなんで」
 彼は片手で銃を構えた。
「取り敢えず、バイバイ?」
 もう片方の手で帽子を取って、彼は微笑んだ。

 銃声。悲鳴。
 それらを聞きつつ、彼は微笑む。
 世界の闇を全て知ったような顔で、微笑む。

 彼、八代大我は、世界一の何でも屋だった。

RAUNDO!! ( No.2 )
日時: 2010/08/01 22:12
名前: 向日葵 (ID: ELgdcXM.)

「ちゃぁーんと、やったけど?」
 ヘラ、と笑いながら大我はストローから牛乳を飲んだ。
 彼のの前にいるのはとある大企業の社長であり、今回の依頼者だった。
 社長からの依頼は、『ライバル会社の社長を、殺せ』なるものだった。

「依頼通り、従順忠実に動いた、よな? 俺は」
 大我は腕を組んで、さらに足を組み、その足を机の上に乗せた。
「もらえるもんもらえなきゃ、帰れないね」
 喉の奥で笑いながら、大我は言う。
「だ、だが……」
 大我は呆れたように溜息を吐いて、目の前の社長に微笑む。優しげな、笑みで。

「ライバル社長みたいになりたい、と。OKOK。余裕楽勝」
 大我は立ち上がって、灰色の上着の懐から、銃を取り出そうとした。

「は、払えばいいんだろう!」
 そう言って、社長は金庫を投げ捨てるように開けた。
「そうそ。良い子」
 満足気に微笑んで、大我は鞄に大金を詰めた。
「このコトは、誰にも言っちゃダメだからな」
 かわいらしくウインクして、大我は社長室から去った。


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